マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションボーイズラブ小説秘書

終わらない週末 ドレスアップ・ゲーム

終わらない週末 ドレスアップ・ゲーム

著: 有馬さつき
発行: 講談社
レーベル: 講談社X文庫ホワイトハート シリーズ: 終わらない週末
価格:525円(税込)
10ポイント還元
形式:ドットブック形式⇒詳細 
対応端末:パソコン 
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 有馬 さつき(ありま さつき)
 6月22日生まれ。東京出身。

解説

 一度でいいから抱いてほしいと迫るユキのために、飯島は新しい恋人を見つけてあげようと、自ら行動を起こす。一方トオルは、就職してから二度目の会社のクリスマス・パーティで、またもや女装をさせられる羽目になり、毎晩の悪夢に悩まされていた。あくまで女装を嫌がるトオルの気持ちを知りながらも、飯島はパーティに出席するつもりで……。

抄録

 明るく開放感のあるアメリカンスタイルのダイニングキッチンも、今朝はコーヒーの香りが立ちこめるだけで、静けさに包まれていた。
 芳(かぐわ)しい湯気の立ちのぼるマグカップが一つだけ置かれた、四人がけの大きなテーブルを前に、飯島豊(いいじまゆたか)は一人で椅子(いす)に腰かけている。
 椅子の背にゆったりと寄りかかり、くつろいだ様子ではいるが、すでに身支度は整え終え、あとは出勤するばかりになっていた。
 ダークグレイのヴェルサーチを、百八十センチを超える長身で着こなし、髪はキッチリとオールバックに整えられている。
 三十歳といった年齢を考えれば、贅沢(ぜいたく)なブランドであり、外見的にも堅苦しく感じはするが、一流企業の社長秘書として働き始めてから、三年を過ぎた今も変わらない定番のスタイルだった。
「トオル君?」
 マグカップを手にモーニングコーヒーを味わっていた飯島は、不意に小さな音をたてて開いたドアに首を巡らせ、思わず驚きの声をあげた。
「おはよう……」
 まだ眠い目を擦(こす)りつつ、山岸(やまぎし)トオルはかすれた声で朝の挨拶(あいさつ)を口にした。
「おはよう」
 トオルの予期せぬ登場に驚いた飯島も、すぐに嬉(うれ)しそうに微笑(ほほえ)んでみせた。
「もう行く時間?」
 寝起きのぼんやりとした表情に笑みを加え、トオルはテーブルに歩み寄りながら、飯島に訊(たず)ねた。
 トオルはあと数か月もすれば訪れる春に、二十四歳の誕生日を迎える。しかし、パジャマを着ていてもわかる華奢(きやしや)な身体(からだ)や、柔らかな髪に包まれたあどけない顔立ちには、まだ少年の面影(おもかげ)があった。
「どうしたの?」
 黙って首を振ったあと、飯島は向かい側に座(すわ)ったトオルに問い返した。
 お互いの気持ちを確認しあい、離れて暮らしたくないと選んだこのマンションで、二人が生活を共にし始めたのは、昨年の二月のことで、かれこれ十か月になる。
 デザイン会社でデザイナーのアシスタントをしているトオルと、企業の社長秘書を務める飯島は、職種こそ異なるがどちらもサラリーマンとして働いている。
 だからおおかたの場合、平日はほぼ同じ時間にベッドから起き出し、簡単な朝食を一緒(いつしよ)にすませてから、各々(おのおの)の時間に合わせ出勤している。
 ただ、トオルが勤めているアルファ企画が、十二月一日を会社の創立記念日で休みにしているため、今日に限ってはいつもと同じ時間に起きる必要はないのだった。
「うん……なんか目が覚めちゃった」
「ごめん、うるさかった?」
 乱れた髪を無造作(むぞうさ)にかき上げたトオルは、ニッと笑って肩をすくめたが、飯島は自分のせいではないかと申し訳なさそうな声をあげた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【ドットブック形式】

.book形式の書籍をご覧いただくためには専用のブラウザソフト・T-Timeが必要になります。
T-Timeはここから無料でダウンロードできます。