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著者プロフィール
花川戸 菖蒲(はなかわど あやめ)
3月17日生まれ。魚座のAB型。千葉県在住。
3月17日生まれ。魚座のAB型。千葉県在住。
解説
生活には困らないが、充実しない日々を送るサラリーマン・末永俊亮(すえなが・しゅんすけ)。そんな彼が、居酒屋のトイレで土下座をしてまで元同僚に借金を頼んでいた男を拾ったのは、初めはただの気紛れにすぎなかった。拾われたのは小宮萌美(こみや・もえみ)、末永より四つ若い二十五才。リストラされ周囲に借金を重ねていた。その上、両親は金銭問題で夜逃げしているから、彼にはお金のありがたさがよぉ〜く分かっていた。
だから、何をするのもおっくうで恋愛面倒病に陥っている末永が、ふざけて「こすってくれるなら一回千円」と言い出したとき、萌美は、末永さんのリハビリになるならと引き受けてしまったのだ。しかし、一回いくらでさまざまな愛の行為を切り売りしはじめたことは、二人にとってお互いへの本当の気持ちが言えなくなる枷になった……。
表題作のほかに続編と短編「スメルクラン」、いずれもハートフルな全3編を一挙収録!
だから、何をするのもおっくうで恋愛面倒病に陥っている末永が、ふざけて「こすってくれるなら一回千円」と言い出したとき、萌美は、末永さんのリハビリになるならと引き受けてしまったのだ。しかし、一回いくらでさまざまな愛の行為を切り売りしはじめたことは、二人にとってお互いへの本当の気持ちが言えなくなる枷になった……。
表題作のほかに続編と短編「スメルクラン」、いずれもハートフルな全3編を一挙収録!
目次
スメルクラン
愛っていくらだ、おいしいかい
なんにもない一日でした。
愛っていくらだ、おいしいかい
なんにもない一日でした。
抄録
「ちゃんと千円払うよ。だからなぁ、小宮くん」
「なん、ですか…っ」
「キスはいくらだろう? キスのリハビリは」
「いや末永さん、キスって…!! キスは、キスをするのは…っ」
「ん?」
「……五百円ですっ」
「じゃああんたを名前で呼ぶのは?」
「そんなのタダですよっ」
「助かった。じゃあ萌実、五百円でキス買った」
「末永さ……」
真っ赤な顔を泣きそうに歪める萌実にキスをした。深い、深い口づけ。
そうして始まったのだ。
抱き合うのは百円。
肌をまさぐるのは二百円。
萌実を泣かせるのは三百円で、
萌実と一つになるのは四百円。
末永が料金を聞いてくるから萌実は答える。萌実が受け取るから末永は金を払う。手での愛撫が千円と一番の高値なのがおかしいが、だってこれは愛ではないから。値段なんかテキトーにつければいいし、テキトーに値段がつけられるなら、それはやっぱり愛ではなくただのリハビリなのだ。二人が初めてキスをして、二人同時に落し穴にはまってから二週間後。ついに末永は言い出した。
「なあ萌実、計算が面倒くさい。月にいくら払えば好きなだけリハビリさせてくれる?」
「それって…、回数無制限てことですか?」
「そう。さらに時も場所も選ばず、つまり……バイト、できなくなるけど」
探るような目で言う末永に、萌実は微笑を作って答えた。
「だったら三万円くらいかな。払えないでしょう、だから…」
「払う。自分への投資は惜しまない。決まりだな、萌実はずっと俺のそばにいろ」
*この続きは製品版でお楽しみください。
「なん、ですか…っ」
「キスはいくらだろう? キスのリハビリは」
「いや末永さん、キスって…!! キスは、キスをするのは…っ」
「ん?」
「……五百円ですっ」
「じゃああんたを名前で呼ぶのは?」
「そんなのタダですよっ」
「助かった。じゃあ萌実、五百円でキス買った」
「末永さ……」
真っ赤な顔を泣きそうに歪める萌実にキスをした。深い、深い口づけ。
そうして始まったのだ。
抱き合うのは百円。
肌をまさぐるのは二百円。
萌実を泣かせるのは三百円で、
萌実と一つになるのは四百円。
末永が料金を聞いてくるから萌実は答える。萌実が受け取るから末永は金を払う。手での愛撫が千円と一番の高値なのがおかしいが、だってこれは愛ではないから。値段なんかテキトーにつければいいし、テキトーに値段がつけられるなら、それはやっぱり愛ではなくただのリハビリなのだ。二人が初めてキスをして、二人同時に落し穴にはまってから二週間後。ついに末永は言い出した。
「なあ萌実、計算が面倒くさい。月にいくら払えば好きなだけリハビリさせてくれる?」
「それって…、回数無制限てことですか?」
「そう。さらに時も場所も選ばず、つまり……バイト、できなくなるけど」
探るような目で言う末永に、萌実は微笑を作って答えた。
「だったら三万円くらいかな。払えないでしょう、だから…」
「払う。自分への投資は惜しまない。決まりだな、萌実はずっと俺のそばにいろ」
*この続きは製品版でお楽しみください。
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