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地下世界のダンディ(上)

地下世界のダンディ(上)


発行: 集英社
レーベル: コバルト文庫 シリーズ: 地下世界のダンディ
価格:430pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 図子 慧(ずし けい)
 5月9日、愛媛県生まれ。牡牛座のA型。1986年、第8回コバルト・ノベル大賞に「クルト・フォルケンの神話」で入選。恋愛小説・学園小説などの分野で、硬質な感性を生かした傑作を次々と発表する。ミステリーやSFへの深い造詣を発揮した作品も多い。
 主な著書に「ルドルフォ」「桃色珊瑚」「十二月王子」「緋色の館」などがある。趣味は油絵と昼寝。

解説

 近未来、関東震災と経済破綻によって混乱する日本の建て直しをはかるため、政府は大がかりな人工都市を関西に造った。そして人々の心を支配するため“神殿”を建設、不思議な力をもつ教祖のもと新たな階級制度を作りあげようとしていた。
 しかしこの歪んだ支配に反発する者が急増。彼らは己れの本名を捨て、自らを“革命家”“ネコ”“カラス”“バクダン屋”と称し、レジスタンス活動を続ける。そんなおり、“革命家”が記憶喪失の少女ビィを拾ったことから、激しい警察の追及をうけることとなる――。

目次

プロローグ
1 神殿
2 追われる者
3 骨街ハッカー
4 危険
5 ジャンク船
6 目覚め

抄録

 少女が眠ってしまうと、彼らは話すのを止め、ぴたりと口を閉ざした。どの顔にも、先刻とはうってかわった緊張の色があった。
 カラスが立ちあがった。バンに近寄り、寝息を確かめて、皆を手招きした。
 「きて」
 ビィはぐっすり寝入っている。その髪を注意深くかきわけて、のぞいた銀色の突起を指さした。
 のぞきこんだ革命家が、口笛をふくように、くちびるを丸めた。もちろん、音は出さない。
 皆が一通り見たあと、相談した。
 バクダン屋が、声をひそめて言った。
 「まさか、スパイじゃあるめえな」
 「何言ってんだ。そんなに都合よく、おれが浮浪児を拾うとはかぎらんだろうが」
 バクダン屋は、懐疑的な目をした。カラスが言った。
 「でも、とにかくあれが人工内耳じゃないのは確かね。場所がちがうし、あんな形はしてない。電極のプラスか、小型のツノと言ったとこ」
 電極のプラスという言葉に、革命家が反応した。思い当たることでもあるのか、しきりと首をひねっている。
 バクダン屋が、カラスにたずねた。
 「ツノってのは、頭から生えてるって意味か」
 「ええ。触るとすごく痛がってた」
 「ちびっこは、ツノのことを何と言ってた?」
 「まだ聞いてないわ。だって、本当に記憶を失っているのなら、たずねても本人だって知らないだろうし、余計なことを言って動揺させるのも、どうかと思ったのよ。それに」
 ネコが口をはさんだ。
 「それに、彼女の記憶がないことと関係あると思ったんだろ。姉ちゃん」
 「ええ」
 カラスは考えながら言った。
 「関係があるかどうかわからないんだけど、今日ね、病院の特別病棟で、入院患者が手術の前に逃げだす騒ぎがあったの。特別病棟っていうのは、教団専用の病棟でね。一般職員はおろか警察さえ立ち入り禁止の場所なの。逃げたのは、女の子らしくて、教団のガードマンが中学生くらいの女の子をつかまえては、顔を調べてた。血まなこで捜していたわ」
 革命家がたずねた。
 「それが、ビィだっていうのか」
 「ビィがいたのは、鳥町のガード下でしょ。病院の西斜面を滑りおりて、陸橋を越えれば、すぐそこだわ」
 「西斜面を降りたんなら泥だらけにもなるな。拾ったときは、人相もわかんなかったぜ」
 カラスはバンの方をチラリと見た。
 「ビィの記憶障害。あれはおかしいわ。知識だけがポンとあって、それに結びついた記憶が全然ないんだもの。まるで睡眠学習でプログラムされたみたい」
 「本当にそうかもしれん」
 「あるいはね」
 バクダン屋がもぞもぞと身動きをした。
 「だけど、あのちびっこだって親ぐらいいるだろう」
 「どうかしら。あの子、まるで……」

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