マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションボーイズラブ小説ファンタジー

オニキスの瞳は魔法使いに抱かれる

オニキスの瞳は魔法使いに抱かれる


発行: キリック
レーベル: シフォンノベルズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆4
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


解説

 隣国との和平を快く思わない造反者により、国王の養女として隣国から迎えられた姫が毒殺されるという悲劇が起こる。王家に仕えるラウリは、愛想なしの魔法使いエーリクを頼り、和平成立までのあいだ姫に化け、王宮に住まってほしいと願い出る。すると交換条件としてラウリはエーリクに身体を差し出すことになって……!!
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

 春の空気は、夕方以降冷え込んでいる。夜も更け、壁の燭台に灯したロウソクはもう大分短くなっている。
 左手に手燭を持ち、木の床を踏む音を小さくさせながら、ラウリはマルケッタ姫の寝室の前へやってきた。随分遅くなってしまったが、エーリクはまだ起きているだろうか。
 右手を上げ、数瞬躊躇したあと、ノックした。
 大人のものと分かる足音がして、ドアが開いた。エーリクは、すでに術を解いて己の姿に戻っていた。皮肉げな笑みを唇に浮かべ「よく来たな」と言うや、ラウリの軍服の腕を掴み、強く引いた。
たたらを踏むようにしてラウリは暗い室内に入った。エーリクはドアを閉め、内側から鍵をかけた。
「エーリク」
 ラウリの呼びかけを遮るように、エーリクは言葉を発した。
「あす、王妃が姫の見舞いに来るとさ」
「そうか……」
「ばれないように、俺にうまく振る舞ってほしいんだろ?」
「ああ。頼む」
「だったら、今これから、おまえ自身の体で俺を満足させるんだな。──寝台へ行け」
「……」
 ラウリは言われたとおり、部屋の真ん中より少し奥にある天蓋つきの寝台へ歩み寄った。
 室内の三か所に、脚つきの燭台が立てられて、ロウソクの炎が淡い光を投げかけている。
 広い部屋の壁にはブーケを刺繍した淡い色のタペストリーが飾られ、寝台の足もとには羊毛のラグ。窓にも花柄を織り出したカーテンがかけられ、壁際のチェストの上にはドライフラワーを盛った陶器の鉢が置かれている。それらは、この部屋が本来幼い姫のために設《しつら》えられたものであることを、主のいなくなった今でも静かに主張していた。
「おい」
 エーリクに呼ばれて、ラウリは体ごとゆっくりと振り返った。
「その軍服、似合うな。近衛の軍服は、武人の服装としては少々装飾過多だとつねづね思っていたが、おまえにはよく似合う」
 曖昧な笑みを口もとに浮かべてのエーリクのセリフは、皮肉なのか本心なのか分からない。
「じゃあ、まずはその軍服の上着を脱いでもらおうか」
 ラウリは黙ったまま、手を上げてエーリクの要求に従った。左手で剣の鞘を押さえ、まずは帯剣帯《たいけんおび》をはずす。剣ごと、そばにあったスツールの上に置いた。ロウソクの明かりと反対側に、大きいが薄い影が落ちて、ラウリの動作に従って生き物のように伸びたり縮んだりした。
 近衛師団のシンボルである沈丁花《じんちょうげ》の刺繍の入った腰帯を取り去り、前身頃に二列並んだ多くのボタンをはずしていく。鬱金《うこん》色のモールでところどころ飾られた上衣の袖から片方ずつ腕を抜いて、脱いだそれを剣の上に重ねた。
 エーリクはそばで両腕を組み、麻の白シャツ姿になったラウリを満足そうに眺めた。
「次は靴だな」
 ラウリはスツールの端に腰かけ、やわらかな革でできた編み上げの長靴《ちょうか》の紐をゆるめた。
 ラウリが長靴を脱ぐ間に、エーリクは寝台に近づいてベッドスプレッドを剥ぎ、上掛けを裾のほうまでめくり上げた。
「靴を脱いだら寝台に上がって横になれ」

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。