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毒 虫 ―どく・むし―(第五話)

毒 虫 ―どく・むし―(第五話)


発行: いるかネットブックス
シリーズ: 毒虫 ―どく・むし―
価格:150pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 月森 砂名(つきもり さな)
 能、コンテンポラリー・ダンス、バレエ、ミュージカルなど舞台を撮影するフォトグラファー。京都市美術館/東京都美術館/国立新美術館でのグループ展、シアター/カフェ/ギャラリーでの個展など、写真や布にプリントしたインスタレーション作品の発表など、精力的なアーティスト活動を展開。すべての生命に精霊が宿っているというアニミズム思想に基づく、花と女性像をモチーフにした幻想的で独創的な作風が好評。2001年よりweb上で小説withイメージ・フォトを配信して人気を博す。

解説

 ある女の悪意が形を成して『毒虫』となった。マチの浅はかな行動が、思わぬ波紋を広げてゆく。毒虫は、誰もが隠しもつわずかな心の闇をも見つけだし、ネットや通信網を介して次から次へと人の心へと潜り込んでゆく……。解毒剤はあるのか? 毒虫の辿り着く先とは? 取り憑いた媒体が「愛」や「幸せ」によって救われたとき……毒虫の運命は? 一向に衰えを見せない人々の浅ましい本音。こうして毒虫は、今日も人間界を彷徨う。
「やれやれ……」
 男と女の本音が哀しい、女と男のこぼれる官能が切ない、因果応報の物語。第5話。

抄録

 恋だの愛だのはとっくの昔に卒業して、身も心も擦り切れてしまった中年女。
 だからと言って毎日がつまらない、というわけでもないようだ。

「でさ、私、言ってやったのよっ。課長に…」

――やれやれ、また始まった

 経理部の女性社員はみな、パソコンのモニターに隠れて苦笑しているが、そんなことに気づくカツコではない。
 隣のデスクの者が交代で相づちを打つのだが、それもすっかり慣例化していた。
 「で、どうしたんですか? 」と水でも向ければ、ここぞとばかりに話は続くのだろうが…。
 みんな気のない返事しか返さないので、さしたる発展もせず、そのうち繰り返しになって収束する。
 それでも延々30分は続く。

 聞かされる方は溜まったもんじゃないかというと、そうでもない。
 カツコが喋っている間は私用メールのし放題、ネットし放題、ゲームをしている者さえいる。

――いい加減に気づけよ〜

 とは思うものの、ちょっとした息抜きになっているので、みんなそのままにしている。

 入社して26年。
 出産と子育てで12年のブランクがあったが舞い戻り、それ以降勤続10年。
 「お局様」を通り越して「極《ごく》ツボさま」と呼ばれていた。

「それがさ、せっかく勉強して免許や資格を取ったんだから、もっとキャリアを積めばどうだ? って主人に言われたんだけどね」

 キャリアどころか、他に行くあてもないのは周知の事実。
 いくらショボい中小企業でも、いまだにエクセルさえサクサクと動かせない中古社員より、処理能力の高い新入社員の方が良いに決まっている。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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