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海に還ろう

海に還ろう

著: 剛しいら
発行: ごじらん堂本舗
価格:893円(税込)
10ポイント還元
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
みんなの評価 ★★★★★10
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著者プロフィール

 剛 しいら(ごう しいら)
 6月9日生まれ、双子座。血液型はえーっ、えーなのーっと思わせる、えー型。

解説

 4歳で海辺の町へ越してきた頃から、青海にとっては幼馴染の勇作が世界のすべてだった。美しく成長した青海は、観光客も訪れる地元の勇壮な祭りで、名誉ある花形・稚児役に選ばれる。しかしその事で、青海にはある忌まわしい出来事が降りかかり、やがて青海は、勇作を置いて町を出て行ってしまう……。

抄録

「パソコンあるんだ? あんなに面倒くさがってたのに」
 デスクトップの真新しいパソコンを見て笑った瞬間、僕は勇作に強く抱き締められていた。
「勇作…」
 すぐに唇が重なってしまって、次の言葉は続かなかった。
 キスしながらも、勇作の手は慌ただしく僕の服を脱がしにかかる。
 シャツのボタンが引きちぎられそうになって、慌てて僕は勇作の手を押さえなければならなかった。
「青海、俺を人殺しにするな」
「何だって」
「マジで別れるつもりなら、ここで殺してやる。おまえ、俺を犯罪者にしたいか」
「バカなこと言ってるんじゃない」
「待つのは平気だ。それはおまえが帰ってくると信じてるからさ」
 勇作は今度はゆっくりと、僕のシャツのボタンを外し始める。けれど焦っているのかうまく出来なくて、いつか僕は自分で外し始めていた。
「帰るつもりがないんなら、東京の部屋に押しかける。大学なんて卒業しなくていいから、連れて帰るからな」
「勇作…落ち着けよ」
「東京で……女が出来たのか?」
「ありえないって」
「どうかな。頭のいい、美人の女子大生がいるんだろ。それとも…教授か?」
 噛みつくような勢いで、勇作は僕の首筋を強く吸った。
「あっ……そんなとこに…バカ…やめろよ」
 キスマークが残る。そう思って身を捩ったけれど、勇作は許してくれなかった。
「駄目だって…ああっ」
 勇作はデスクの上に散らかっていたものを、一気に床に払い落とした。清涼飲料水の空き缶が、派手に音立てて床を転がり、発注書だの納品書だののプリントアウトしたものが、ひらひらと散っていく。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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