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著者プロフィール
大前 研一(おおまえ けんいち)
1943〜
福岡県生まれ。マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所を経てマッキンゼー・アンド・カンパニー・インクに入社し、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任する。現在はビジネス・ブレークスルー代表取締役社長、ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院政策学部教授などを務める。日本や海外での著書も多数で、真の生活者主権の国家実現のため、新しい提案やコンセプトを提供し続けている。
1943〜
福岡県生まれ。マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所を経てマッキンゼー・アンド・カンパニー・インクに入社し、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任する。現在はビジネス・ブレークスルー代表取締役社長、ビジネス・ブレークスルー大学院大学学長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院政策学部教授などを務める。日本や海外での著書も多数で、真の生活者主権の国家実現のため、新しい提案やコンセプトを提供し続けている。
解説
衰えをみせている日本の国力の立て直しにあたり、10億人以上の人口を持つ中国が鍵となる。鉄鋼生産量・高速道路の建設規模・有力企業株式時価総額などにおいて日本とは桁外れの規模感を持つ中国を、日本の国家発展の原動力として取り込むその方法とは? 急成長にブレーキがかかり始めた中国経済が抱える4つのマイナス材料とは何か? 製造立国から消費大国への転換について徹底解説。
また経済停滞の原因であると共にオリンピック開催にも影をおとすチベット暴動問題、そして深刻な公害問題を大前研一が鋭く斬る。
また経済停滞の原因であると共にオリンピック開催にも影をおとすチベット暴動問題、そして深刻な公害問題を大前研一が鋭く斬る。
目次
中国が世界第2位の経済大国になる日
「中国脅威論」ではなく「中国お客様論」が日本の危機を救う
日本に上陸した中国のポータルサイト「百度」の成功を阻む「国境」のハードル
未体験の経済に向かう中国
中国よ、10年後の未来を見定めよ
かつての公害大国・日本はいまこそ中国に支援の手を差し伸べるべきだ
「中国脅威論」ではなく「中国お客様論」が日本の危機を救う
日本に上陸した中国のポータルサイト「百度」の成功を阻む「国境」のハードル
未体験の経済に向かう中国
中国よ、10年後の未来を見定めよ
かつての公害大国・日本はいまこそ中国に支援の手を差し伸べるべきだ
抄録
中国が世界第2位の経済大国になる日
中国マネーに沸くマカオのカジノ
春だというのに、円高と株安のダブル・パンチで、日本の景気には少しも明るい兆しがみえてこない。
だからといって、一緒になって意気消沈していても仕方ないだろう。海外に目を向ければ、いままさに、この世の春を謳歌している地域がいくつもある。狭い日本で膝を抱えて引きこもっている場合じゃない。
アジアでいえば香港とマカオだ。経済の先行指標といえば不動産だが、どちらの地域でも三億円クラスのマンションが、図面の段階から飛ぶように売れていると聞けば、どれだけ景気が沸き立っているかわかるだろう。
その理由は何だと思う?
中国マネーだ。二〇〇七年には香港、マカオにそれぞれ千三百万人、二千二百万人という中国人観光客(マカオの場合には香港人も含む)が大挙して訪れている。
もちろん香港もマカオも中国だが、パスポートが必要なため、中国人にとっては香港が初めての“海外旅行”という感覚らしい。目的は、世界の有名ブランドがこぞって出店する大型ショッピングモールでの買い物だ。中国には人民元や外貨の持ち出し規制があるが、「銀連」という人民元で決済のできるクレジットカードだと規制外なので、みんなこのカードで買いまくっていく。私が経営に関与しているお台場のビーナスフォートなどでも銀連の関連のクレジット「長城」をつかえるようにしたところ、バーバリーやザラなどのブランド品を山のように買ってくれる。香港に来た中国人の購買額は、なんと一人当たり三十万円というのだから、恐れ入る。香港経済に与える影響は三兆円を超える。日本も「あこがれのハワイ航路」と謳っていたころの海外旅行第一幕では、そのくらいのお土産を買っていた。市場が閉鎖的で生活水準が低いほうが海外に出たときに買い物意欲が強い、というのは何も中国だけの特許ではないのだ。
マカオはもっとすごい。十年前はスタンレー・ホウ一族が支配する薄暗い「場末の賭博場」でしかなかったのに、いまやリスボア、ベネシアン、ウィンリゾートといった一流どころのカジノが軒を連ね、東洋のラスベガスという表現も決してオーバーではないくらいの、一大娯楽場となっている。実際、二〇〇七年のカジノ収入では、本場のラスベガスを追い越してしまった。そして、そのお金の半分以上は中国人によってもたらされたものなのだ。
*この続きは製品版でお楽しみください。
中国マネーに沸くマカオのカジノ
春だというのに、円高と株安のダブル・パンチで、日本の景気には少しも明るい兆しがみえてこない。
だからといって、一緒になって意気消沈していても仕方ないだろう。海外に目を向ければ、いままさに、この世の春を謳歌している地域がいくつもある。狭い日本で膝を抱えて引きこもっている場合じゃない。
アジアでいえば香港とマカオだ。経済の先行指標といえば不動産だが、どちらの地域でも三億円クラスのマンションが、図面の段階から飛ぶように売れていると聞けば、どれだけ景気が沸き立っているかわかるだろう。
その理由は何だと思う?
中国マネーだ。二〇〇七年には香港、マカオにそれぞれ千三百万人、二千二百万人という中国人観光客(マカオの場合には香港人も含む)が大挙して訪れている。
もちろん香港もマカオも中国だが、パスポートが必要なため、中国人にとっては香港が初めての“海外旅行”という感覚らしい。目的は、世界の有名ブランドがこぞって出店する大型ショッピングモールでの買い物だ。中国には人民元や外貨の持ち出し規制があるが、「銀連」という人民元で決済のできるクレジットカードだと規制外なので、みんなこのカードで買いまくっていく。私が経営に関与しているお台場のビーナスフォートなどでも銀連の関連のクレジット「長城」をつかえるようにしたところ、バーバリーやザラなどのブランド品を山のように買ってくれる。香港に来た中国人の購買額は、なんと一人当たり三十万円というのだから、恐れ入る。香港経済に与える影響は三兆円を超える。日本も「あこがれのハワイ航路」と謳っていたころの海外旅行第一幕では、そのくらいのお土産を買っていた。市場が閉鎖的で生活水準が低いほうが海外に出たときに買い物意欲が強い、というのは何も中国だけの特許ではないのだ。
マカオはもっとすごい。十年前はスタンレー・ホウ一族が支配する薄暗い「場末の賭博場」でしかなかったのに、いまやリスボア、ベネシアン、ウィンリゾートといった一流どころのカジノが軒を連ね、東洋のラスベガスという表現も決してオーバーではないくらいの、一大娯楽場となっている。実際、二〇〇七年のカジノ収入では、本場のラスベガスを追い越してしまった。そして、そのお金の半分以上は中国人によってもたらされたものなのだ。
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