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勇者様の受難。

勇者様の受難。


発行: キリック
レーベル: シフォンノベルズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆4
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解説

 田舎のしがない農夫・サイアスは、ひょんなことから伝説の闘神ロンメルの守護を受ける勇者になってしまった! しかし、ロンメルはまったく闘神らしい力を発揮しないどころか、ただのエロ神で……「守護神と勇者が一体になる儀式」とサイアスはあっけなく貞操を奪われてしまうのであった。一方、サイアスが暮らす村では勇者の誕生という前代未聞のできごとに大はしゃぎ。サイアスは引っ切りなしにくる魔獣退治の要請と、日夜要求されるロンメルの“儀式”で精も根も尽き果て、ついに逃亡を謀るが……。
 地味め勇者と好色守護神、凸凹コンビの冒険活劇!?
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

 半分うつらうつらしながら朝食をとっているところへ、ロンメルが現れた。
「おはよー」
 いかにも寝起きの声で、サイアスに朝の挨拶をする。
 なにが「おはよー」だ、守護神のくせに自分だけ毎晩しっかり睡眠とってやがって。
と、サイアスは心の中で吐き捨てる。
 しかもテーブルを一瞥したロンメルが、火に油を注ぐような暴言を吐く。
「なんだよ、このショボい食卓は。もっと勇者に似つかわしく、オシャレな食事しろって言っただろ」
 テーブルに並べられていたのは、小魚の佃煮に干し大根の塩漬け、それに麦飯。ここラスボラ村では標準的なメニューだ。
(単にテメーが佃煮嫌いなだけじゃないかよ)
 だいたい、こんなあばら家に住んでいてオシャレもへったくれもないものだと、サイアスは無視を決め込む。
 ところがロンメルは、いとも簡単に己が存在を知らしめてきた。
 いわく、サイアスの手から食べかけの椀を引ったくったのだ。
「何するんだよ、返せ!」
 無視作戦はあっさりと玉砕し、サイアスがロンメルを睨みつける。
「だめ〜。これは没収。朝はトーストとベーコンエッグにしろって言っただろ。せめてパンと干し肉とチーズだな」
 だーかーらー、単に自分の食いたいものを言ってるだけだろ。
 文句があるならたまには食事の支度くらいしてみろと、サイアスは心の中で毒づく。
 百歩譲って、干し肉やチーズ類は保存食として常備していた。卵も、納屋の雌鶏が毎日新鮮なものを提供してくれる。
 だがパンを焼く技術も釜も持っていないサイアスは、自宅からだいぶ離れたキクラ家まで、いちいち頼みに行かねばならないのだ。
 勝手に居候を決め込んでいる奴に、なぜそこまでこき使われねばならないのか、どうにも納得がいかない。
 そんなサイアスの心中を知ってか知らずか、ロンメルがパチンと指を鳴らすと、朝食として並べられていたささやかな品々が、きれいさっぱり消滅した。
(作り直せってか)
 激しい虚脱感に襲われ、サイアスはこざっぱりしてしまったテーブルに突っ伏す。
 麦飯や佃煮が勇者のイメージにそぐわないというなら、食事の支度をしている所帯じみた姿なんて、もっとダメだろうに。
まあ、世の中が自分中心に回っていると思っている奴に説いてみたところで始まらないけど。
(こうなりゃ、ふてくされてやるっ)
 サイアスはテーブルに突っ伏したまま、ストライキに突入することにした。
「……ふぅん」
 その様子を見ていたロンメルの口角が、わずかに持ち上がる。
「ま、俺としては、こっちをいただいちゃってもいいんだけどね」
 東西の絵師や吟遊詩人たちがこぞって題材にしたがりそうな、完璧なまでに整った面立ちを彩るアイスブルーの瞳に、オレンジ色の光輝が宿った。
 ハッとしたが、ときすでに遅し。サイアスは背中に重圧感をおぼえる。
 農夫という肉体仕事のわりには、サイアスはあまり体格の良いほうではない。伸長こそ。そこそこにあるものの、筋肉の付きにくい体質らしく痩せっぽちだ。
 ロンメルもどちらかといえばスリムなほうだが、神族は人族に比べて平均身長が高いため、サイアスよりも頭ひとつ以上は優に高い。当然、そのぶんの身幅もあるわけで、上からのしかかられればサイアスなどひとたまりもない。
 絹のように細く艶やかな、瞳と同じ色をしたロンメルのアイスブルーの髪が、はらりと流れ落ちてサイアスの頬にかかる。村民一同が漏れなく髪も瞳も茶系という平凡きわまりないラスボラ村において、目を惹くこの髪の美しさは女衆の憧れの的にもなっている。
 首筋に唇の柔らかな感触を受けて、サイアスの肩がぴくんと跳ねた。
「な、何やってんだよ、こんな朝っぱらから」
 のしかかられているため、起き上がることができない。
「何って、この状況でやることといえば、ひとつしかないだろ?」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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