和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>極道・刑事
著者プロフィール
泉美 アリナ(いずみ ありな)
出身地は千葉県/星座はいて座/血液型はB型/趣味は観劇、映画鑑賞、読書/誕生日は11月。
出身地は千葉県/星座はいて座/血液型はB型/趣味は観劇、映画鑑賞、読書/誕生日は11月。
解説
エリート医師の波積は、男に襲われかけていたところを「独眼竜」の異名をもつ若きやくざの組長・加賀に助けられる。だが、加賀は波積の性癖をバラさない代わりに、ある取り引きを持ちかけてきた!…極道×医者ラブ!!
抄録
「こういう場所で、あんまり自分の素性を簡単に言うものじゃないよ」
苦笑を零した波積のなんとも例えようがない魅力的な表情に、若者は見惚れた。
「背が高いね」
「バスケやってるから。けっこううちの大学強いの知ってる?」
「そう。だからかな、逞しい身体」
波積は手を伸ばして、若者の肩から二の腕を指先でつっと辿った。
若者がぞくっと身体を震わせたのがわかる。波積はくすりと喉を鳴らした。その体躯から想像してみると波積の欲望を充分満足させてくれそうだった。
「前は、僕とどんな話を?」
「えっと、他愛もないことを。今夜は誰と来たのか、一人なのかとか、その程度のこと。その時、あなたは年上の人と一緒だったから俺は引き下がったんだ」
笑いながら言う。年下は好みじゃないけれど、イブの今宵くらいは毛色の変わった相手もいいかなと思う。
「そう、それはもったいないことしたかな。君みたいなカッコイイ子を見逃すなんて」
椅子に座っていた波積は下から見上げるように若者の瞳を見つめた。それは少し物欲しく強請るように相手に見えるのを計算したうえでの仕種だった。
「か、カッコイイ? そんなこと言われたの俺初めてだよ」
「君の周りには見る目のない人ばかりなんだね。でも僕も人のこと言えないな、だって今さら君がとても素敵に思えて惜しいことしたって思っているんだから」
「あの、それって……」
どういう意味かと戸惑った若者の表情が可笑しかった、波積は笑いを堪える。
「君と一緒にいたら楽しいだろうな、って思ったんだよ」
グラスの縁を舐めるように紅い舌をちらりと覗かせる。ごくりと若者が息を呑む音が聞こえてきそうだった。
「い、今から誘ってもいい?」
これは直球だなと波積は内心苦笑した。だから年下は苦手だ。
「一晩だけなら、付き合ってあげる」
自分から限定条件をつけて牽制をする。どうせ彼は傷つく、せめて小さい傷がいい。
「出る?」
波積は自分から立ち上がった。
「OK」
彼は波積に微笑まれてすっかりその気になってしまう。
さてと、場所はどこにしようと波積は考える。いつもなら、年上の相手に最高級のホテルにエスコートさせる。今夜は珍しく年上の自分の方が支払いを含めて考える。だけど、たまにはそんなこともいいかと思えた。クリスマス・イブにはいつもと違うことがしてみたくなる。相手は年下の男、それでも見た目の体躯はかなりの好み。そんなことをつらつらと考えて出口に向かっていたら、後ろから腕を捕られた。えっ、と思って振り返る。
「何?」
若者が波積の腕を引っ張った。
*この続きは製品版でお楽しみください。
苦笑を零した波積のなんとも例えようがない魅力的な表情に、若者は見惚れた。
「背が高いね」
「バスケやってるから。けっこううちの大学強いの知ってる?」
「そう。だからかな、逞しい身体」
波積は手を伸ばして、若者の肩から二の腕を指先でつっと辿った。
若者がぞくっと身体を震わせたのがわかる。波積はくすりと喉を鳴らした。その体躯から想像してみると波積の欲望を充分満足させてくれそうだった。
「前は、僕とどんな話を?」
「えっと、他愛もないことを。今夜は誰と来たのか、一人なのかとか、その程度のこと。その時、あなたは年上の人と一緒だったから俺は引き下がったんだ」
笑いながら言う。年下は好みじゃないけれど、イブの今宵くらいは毛色の変わった相手もいいかなと思う。
「そう、それはもったいないことしたかな。君みたいなカッコイイ子を見逃すなんて」
椅子に座っていた波積は下から見上げるように若者の瞳を見つめた。それは少し物欲しく強請るように相手に見えるのを計算したうえでの仕種だった。
「か、カッコイイ? そんなこと言われたの俺初めてだよ」
「君の周りには見る目のない人ばかりなんだね。でも僕も人のこと言えないな、だって今さら君がとても素敵に思えて惜しいことしたって思っているんだから」
「あの、それって……」
どういう意味かと戸惑った若者の表情が可笑しかった、波積は笑いを堪える。
「君と一緒にいたら楽しいだろうな、って思ったんだよ」
グラスの縁を舐めるように紅い舌をちらりと覗かせる。ごくりと若者が息を呑む音が聞こえてきそうだった。
「い、今から誘ってもいい?」
これは直球だなと波積は内心苦笑した。だから年下は苦手だ。
「一晩だけなら、付き合ってあげる」
自分から限定条件をつけて牽制をする。どうせ彼は傷つく、せめて小さい傷がいい。
「出る?」
波積は自分から立ち上がった。
「OK」
彼は波積に微笑まれてすっかりその気になってしまう。
さてと、場所はどこにしようと波積は考える。いつもなら、年上の相手に最高級のホテルにエスコートさせる。今夜は珍しく年上の自分の方が支払いを含めて考える。だけど、たまにはそんなこともいいかと思えた。クリスマス・イブにはいつもと違うことがしてみたくなる。相手は年下の男、それでも見た目の体躯はかなりの好み。そんなことをつらつらと考えて出口に向かっていたら、後ろから腕を捕られた。えっ、と思って振り返る。
「何?」
若者が波積の腕を引っ張った。
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