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殺人鬼は眠らない

殺人鬼は眠らない


発行: キリック
価格:400pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆3
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解説

 女を殺して山に埋める。そうしないと眠れない。男は殺人鬼だった。どうして、こんなことをしているのか。殺したあと、男はいつも虚しさを感じる。だが、それは生きていくために必要なことだった。だから男は今日も、女を殺して山に埋める……。
 山中から発見された女性の死体。それは、ほとんど白骨化した上に、歯がすべて抜き取られていた。被害者は身元不明、証拠も一切残っていない。まだ捜査一課に配属されて間もない石崎は、先輩刑事の白石とその事件の捜査にあたっていた。当初、白石はプロの犯行を疑っていたが、ほどなくして同じような状態の第二、第三の死体が発見される。連続殺人犯の可能性ありとして石崎と白石は捜査を続けるも、依然として犯人への手がかりは掴めない。
 ──いや、石崎には『その殺人鬼』に心当たりがあるのだが。

 息をもつかせぬクライマックスを経て、物語は予想外の結末へ。衝撃のラスト1000文字が、あなたを恐怖の淵に突き落とす……。

目次

殺人鬼は眠らない
怪画ノキオク
××消失

抄録

「殺されてから、随分、経ってますね」
 石崎は遺体を前につぶやいた。
 郊外にある山の中腹。登山道をわずかに逸れた森の中だった。夏の真っただ中、下界よりも過ごしやすいとはいえ、ここまで歩いてくるのは骨が折れた。
 額に流れる汗を手の甲で拭う。たとえ山の中であっても、だらしのない格好が嫌いな石崎はきっちりとスーツを着込んでいる。
 シートが敷かれた地面の上に遺体が寝かせられている。近くには遺体の埋められていた穴があり、その傍らに掘り返した土がうずたかく積まれていた。鑑識がその写真を撮っている。
 遺体は長い期間、地中で時を過ごしたようだ。半ば白骨化しており、残された肉が骨の隙間にへばり付いている。着ていたはずの服や遺留品は何も見つかっていない。遺体は裸のまま土の中に埋められたのだと推測された。
「ああ、それも歯まで抜き取るという念の入れようだ」
 白石巡査部長が白い手袋をした手で遺体の口元を指し示した。
 石崎は遺体を覗き込んだ。もう死体は見慣れている。それに、今回の遺体は惨殺死体というよりも、埋葬されたといった様子のため、凄惨さはほとんど感じられない。ただ季節柄、腐敗した遺体は物凄い臭いを発していたため、ハンカチで口を覆わなければならなかった。
 骨だけになっても、骨格から女であることがわかる。身長は百六十センチほどだろうか。
 生前は美しい顔をしていたのかもしれないが、今は見る影もなかった。眼窩は落ちくぼみ、黒い穴を覗かせている。縦の筋になった鼻の穴。唇に肉はなく、白石の言うとおり、口蓋には一本の歯も残されていなかった。
「犯人はどうして遺体から歯を抜いたんでしょうか?」
 石崎は遺体から目を離し、白石に尋ねた。
 白石は四十を過ぎたばかり。髭を生やし、がっしりした体格をしている。昔ながらの刑事と言った印象の、アクの強い人物だ。
 この暑さには辟易しているようで、ネクタイを緩め、シャツの胸元をはだけている。
「身元をわからないようにするために決まってるだろう。歯の治療歴から身元を特定するのはたやすいからな。とはいえ、このホトケにはご丁寧なことに歯が一本も残っていない。もしかするとプロの犯行かもしれないな」
 白石は舌打ちしたそうな様子で言った。彼は遺体の臭いなどまったく気にしていようだ。あるいは、ただ単に嗅覚が鈍感なだけかもしれないが。
「プロの、ですか?」
「ああ、死体処理のな。中国系の奴らにそういうのを専門にする連中がいるらしい」
 噂ぐらいは耳にしたことがあった。
「本当にそんな人間がいるんでしょうか」
 石崎には半信半疑だった。
「世の中には残酷な連中がいるもんさ。お前が思っている以上にな。まあ何にせよ遺体の身元がわからなけりゃどうにもならん。望みがあるとすれば頭蓋骨からの顔の復元だが、時間がかかるからな」
 被害者の身辺から探っていくのが捜査の鉄則だ。だが、身元不明では手のつけようもない。
「まずは第一発見者に話を聞いてみるか」
「そうですね」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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