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ボクと博士の非日常な日常

ボクと博士の非日常な日常


発行: キリック
レーベル: シフォンノベルズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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解説

 ビーカーでコーヒーをすする白衣姿の男。テーブルの上には、なぜか実験に使う糖類の一種・スクロースの試薬瓶──飛び級で17歳にして大学2年のサキは、教授のすすめで植物学の若き権威である斉藤博士の研究所で、住み込みで博士の世話係を務めることに。初対面で博士の奇人ぶりを実感しつつも、尊敬する博士のそばにいられることが、うれしくてたまらないサキ。博士もまた、大いにサキを頼ってくれる。転機を迎えたのは、ある日の朝のこと。目覚めたばかりのサキの脳裏に、昨夜、夢うつつで博士にキスされるという、ありえない記憶が!? しかも、突然の契約打ち切りなんて、一体なにがどうなっちゃってるの!?
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

 天才、斎藤朋行博士。……どんな人なんだろう?僕より十五歳年上の三十二歳だってことは、先日調べて分かった。そのとき、雑誌を何冊かとネットも見たけれど、研究者はタレントではないから論文に顔写真をつけたりはしないし、だから外見に関する情報はほとんどナシだ。一つだけ、おととし、斎藤博士が国際植物遺伝学会で論文賞をもらったときの雑誌記事に小さな顔写真が載っていたけれど、小さすぎて、しかもモノクロで、あまりよく分からなかった。線の太そうな印象ではないなということと、メガネをかけているな、というのだけは分かったけれど。
 期待と好奇心でドキドキしながら、大和田さんのあとについて研究所の建物の玄関へと歩いていった。アオハダだのナツツバキだの、カエデ、ウツギ、ネムノキ、ヤマボウシ、アジサイ、ツバキ、キンモクセイ、サルスベリなんかが脈絡もなく植えられた広い庭に囲まれて、白い壁の研究所の建物と、その隣に、やわらかなモカシン色の壁の博士の自宅とが、少し位置をずらして並んでいる。どちらも平屋だけれど、研究所はまだ比較的新しい建物で、自宅のほうは、けっこう年季が入っているように見えた。
研究所の建物は、一見すると、よく言えばシンプルで機能的、悪く言えば特に特徴のない建物だった。風防室を抜けて、靴のまま中へ進んだ。
 と。
 無機質な廊下の入口に立ったそのとき、手前の部屋から「きゃー!」という頓狂な女の人の悲鳴が聞こえてきた。僕は驚いて立ち竦んだ。大和田さんは一つ小さなため息をついて、ごくふつうにその部屋のドアを開けた。
「勝手にお茶いれないでくださいってあれほど言ったでしょう、博士!ビーカーは湯呑みじゃありません!」
「耐熱性はあるから大丈夫だよ」
「しかも実験用のスクロースを休憩室に持ってくるのやめてください!」
「だって砂糖が見当たらなかったから」
「お茶用のグラニュー糖はここ!何度教えたら覚えてくれるんです!?」
「まりえさんは細かいなあ」
「博士が大雑把すぎるんです!!」
 ああ……と、僕は心の中でうなずいた。これ、研究員の人と、博士の会話なのか。
 二人の応酬がいったん途切れたところで、大和田さんが「博士」と声をかけた。
「ん?何だい?」
「休憩中のところ悪いんですが、俺たちが頼んだ助っ人が来ましたから、あいさつさせてください」
「ふうん?」
と応えた博士の声は、あまり興味がないという雰囲気だった。
 僕は大和田さんに促されて、ちょっと硬くなりながら部屋に入った。給湯設備の整った、休憩室らしいその部屋は、真ん中に、テーブルクロスをかけた丸テーブルと、その周りにスツールが五つほど並べてあった。流しのそばに、白衣姿のミディアムヘアーのきれいな女の人がいて、テーブルの手前に、こちらも実験用の白衣を着た男の人──斎藤博士が背中を向けて座っていた。その人が、ゆっくりと椅子から立って、こちらを振り返った。
 数秒間、失礼なくらい、僕は博士を凝視していたかも知れない。
 薬品の染みのついた白衣を着たその人は、すらりとした美男子だった。クセのない、やわらかそうな黒い髪に、健康的な肌色。ハーフリムのメガネがよく似合っている。……のだけど、印象としては、やさしそうとか怖そうとか、簡単にひと言で表せる雰囲気が全くない。強いて言うなら、掴みどころのない感じだ。
 ハッとして、僕は自己紹介しようと、まずは頭を下げかけた。そのとき、博士が言葉を発した。
「……へえ。今度のハウスキーパーは男の子なんだ?かわいいね」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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