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きみがいなけりゃ息もできない

きみがいなけりゃ息もできない

著: 榎田尤利
発行: リブレ出版
レーベル: ビーボーイノベルズ シリーズ: マンガ家きみがいなけりゃ息もできない
価格:840円(税込)
10ポイント還元
形式:MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆53
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著者プロフィール

 榎田 尤利(えだ ゆうり)
 7月16日生まれ。蟹座のO型。出身地は東京都。

解説

 ルコちゃんという愛称でごくごく一部に熱心なファンがいる(らしい)売れないマンガ家「豪徳寺薫子先生」こと二木。生活能力赤ん坊なみの彼を放っておけず、幼なじみの東海林は文字通り衣食住の面倒を見てやっている。そんな折、二木にメジャー出版社での掲載のチャンスがきた。二人の関係にも微妙な、そして大きな変化が──? 運命の(!?)再会を果たす大学生編「きみがいたんじゃ転居できない」も収録。

目次

きみがいなけりゃ息もできない
きみがいたんじゃ転居できない

抄録

「あ、うッ!」
 背中を長椅子に預ける形で座り込んだ二木の前に、東海林が立ちふさがる。そのまま身を屈め、自分も床に膝をつき、二木の後ろ髪を掴んだ。
 この幼馴染みがこんなふうに暴力じみた行いに出たことは、今まで一度もなかった。せいぜい後ろからペチンと軽く叩かれる程度で、それはお笑い芸人のツッコミよりもずっとソフトな力具合だったのだ。
「東海林、い、イタイ」
「おまえがそこまでおれを便利に使うって言うんなら」
 今日ばかりはきれいにブローされた後頭部の髪を強く引っ張られれば、いやでも顎を上げることになる。
 東海林の強い目が間近すぎて、二木の心臓はなおも鼓動を早くする。殴られるのだろうか、なぜ東海林はこんなふうに怒るのだろうか、おれはそんなに悪いことをしてきたんだろうか――もう東海林に、決定的に嫌われてしまっただろうか。
 そう考えたらまた涙が滲んできた。
「そこまで言うなら、おれだっておまえを利用してやる」
「しょ、」
「けどおまえになにができるんだ? ええ? 小金ができて、多少有名になったからっていい気になりやがって」
「おれ、いい気になんか」
「うるさい!」
 怒号とともに頭を揺さぶられる。ぷちん、と何本かの髪の毛が抜けたのがわかった。だが今は、禿げたらどうするんだよと思う余裕すらない。
「なにもできないくせに」
 東海林の声も掠れていた。
「どうせ、なにひとつろくにできやしないんだから――女の代わりでもしてみるか? え?」
 なに、どういう意味……と聞く時間は与えられなかった。
 整った東海林の顔がさらに近づいてきたと思うと、唇に噛みつかれた。 実際には歯が立てられたわけではないのだが、二木にはそう感じられたのだ。歯がぶつかるほどの勢いで唇を塞がれ、頭の中が真っ白になった。
 自分の身の上に起きていることが理解できない。
「んっ、んーッ!」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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