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白銀の麗人

白銀の麗人


発行: 学研
レーベル: もえぎ文庫 シリーズ: 黒衣の公爵
価格:550pt
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 剛 しいら(ごう しいら)
 東京都出身。千葉県在住。6月9日生まれ。仕事中、腰を痛めてしまいました。あー、こんな時は、優しい介護ロボットが欲しい。出来れば美青年タイプ希望。でもこれって、現実の方が近づいてくるみたいですね。猫世話ロボットもいいなあ。

解説

 「彼を愛した者は死ぬ」――不吉な運命を抱き、『死神に愛された黒衣の公爵』と呼ばれる美貌のシオン。運命に打ち勝ちシオンを手に入れる、という敵国の王・天人は、次々に命の危機を乗り越えて、北青王国の王子であるシオンを“正妃”としていた。しかし、北青王国の女王イザベラの謀略が、天人たちの命を狙う! 愛する者を守りたい――自らの運命に立ち向かうシオンだが……!?

抄録

「ベッドは小さいな」
 天人は好奇心を剥(む)き出(だ)しにして、ベッドの上に横たわった。ところが長身のあまり、膝(ひざ)下がほとんど出てしまっている。
「子供用ですから……」
「うむ、では共に子供に戻ろう」
「えっ?」
「攫いに来た天人は、どうしただろう? そうだな、ロープを下げて、シオンを抱えて降りるか、小型艇を上空に待機させて、逆に釣り上げるかだ。シオンはどちらがいい?」
「陛下……今はあの時の倍近く、重さがあります」
「だが天人も大人になった。問題はない」
 シオンは笑い出す。わざわざ五階の部屋の窓から、ロープを使って逃げ出すことなどないのに、それを真剣に考える天人の様子がおかしかったのだ。
「だが昼間に連れ去るのは、目立ちすぎる。夜までここに隠れている必要があるな」
 真顔になって天人は言っている。
「やっと会えたシオンと二人きりになったら、するべきことは昔でも変わらない。シオン、今からここで、作れなかった思い出を作り直そう」
「はい……」
 シオンは小さなベッドに横たわる天人の姿に、初めて出会った時の少年の姿を重ねていた。
 そして自分も幼かったあの頃に戻ったつもりで、天人の隣に横たわった。
 天人の愛は強く、これまでシオンを奪おうとしながら果たせず、死神に負けた男たちとは比べようがない。
 辛かった日々の思い出さえも、天人の愛の力で変わっていきそうだ。
「自分だけが幸せなようで、罪深く感じます」
 そっと天人に寄り添いながら、シオンは呟く。
「今から、大勢の人間を幸せにすればいい。個々の人間にそれぞれ不幸の種はあるだろうが、世界が平和でありさえすれば、どれも些(さ)末(まつ)なことになる」
 天人はシオンを抱き寄せると、唇を重ねてくる。
 二人とも、ベッドから足が飛び出しているのがおかしかった。
「ソラ、廊下に出て、警護しろ。今よりしばらくは、誰も入れるな」
 シオンの服を弛(ゆる)めながら、天人は命じた。
「かしこまりました、陛下」
 ソラは廊下に出て行った。するとタウとマウは、自分たちの出番だとばかりに寄ってくる。
「では、初夜のやり直しだ。と、いってもまだ昼だが」
 寝室の窓から見える空はまだ明るさを残していたが、三つあるうちで一番最初に見えてくる月が、白っぽい姿で顔を出していたから、宵(よい)が近づいているのがわかった。
 タウとマウは、二人の靴をまず脱がせる。それから天人が革製の帯を外し、上着を脱ぐのを手伝い、さらに下に着ているシルクの単衣(ひとえ)を天人の手から受け取った。
 そうしている間に、天人はシオンの衣服も脱がせていく。同じように革の帯を外し、長衣を脱がせる。脱がせたものはすぐに放り投げられるが、それをタウとマウは巧(たく)みに捕まえ、丁寧(ていねい)に椅子の背に掛けていった。
 最後にゆったりしたズボンと下着が二人の体から脱がされる頃には、椅子の上は華やかな衣装で溢れかえる。タウとマウはそれをせっせと畳(たた)んだり広げたり、楽しそうに整えていた。
「今にも壊れそうなベッドだ」
 天人は苦笑しながら、シオンのほっそりした体を抱きしめる。
 シオンは天人の体に腕を回し、深いため息を吐いた。
 どんなに愛しても、愛し足りない。
 命を捧げても足りないくらい、シオンは天人を愛していた。
「シオン……待たせたな。迎えに来たから、許せ」
「許すなんて……夢が叶(かな)いました、それだけでもう……」
 愛しい王が成長していく姿を、側で見られなかったのは残念だ。だがもうそんなことはどうでもいい。天人と生きられる幸せに、シオンは涙ぐんだ。
「愛しております、陛下」
 心からの想いを込めて、シオンは言った。
「私の肉体も魂も、思い出も未来も、すべて陛下のものです」
「では、シオン。天人が死ぬ瞬間まで、側にいると誓え」
「はい、誓います」
「天人が最期の時は、この手を握っていてくれ。そして……もし儚(はかな)くなったら、五つ数えるまでは待つ。すぐに後を追って来い」
「はい……必ず、すぐに後を追ってまいります」
 一緒に死ねと天人は命じる。
 シオンにはとうにその覚悟が出来ていた。
 唇を重ねる。何度もこうしてキスをしたのに、今日は初めてのようなときめきを強く感じた。
 きっとこの部屋が、そうさせるのだろう。
 シオンは唇を放すと、そのままいつものように体を下げていって、天人のものを口に含もうとした。ところが天人にやんわりと止められてしまった。
「少年はそんなことをしないものだ」
「……」
「子供に戻れ、シオン」
「あっ」
 天人はまたシオンの体を引き上げ、再びキスから始めた。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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