和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>白衣
著者プロフィール
桜井 哉々子(さくらい かやこ)
生まれてこのかた東日本にしか住んだことのない生粋の東日本人です。出身地方言で話せますが、創作にはほとんど利用できないのが残念……。燃料は着るものと甘いものと犬! 本と音楽は日常生活の必須アイテムです。一人ドライブがわりと好き。
生まれてこのかた東日本にしか住んだことのない生粋の東日本人です。出身地方言で話せますが、創作にはほとんど利用できないのが残念……。燃料は着るものと甘いものと犬! 本と音楽は日常生活の必須アイテムです。一人ドライブがわりと好き。
解説
医薬品メーカーに勤める日輪は、自宅アパートまであとちょっとのところで運悪く喘息の発作に見舞われてしまう。しかし、偶然通りがかった妙に手際の良い男の処置でことなきを得たのだった。これをきっかけに、引っ越してきてから忙しさにかまけて後回しにしていた“かかりつけ医探し”に乗りだした日輪は、自宅からほど近い瀟洒な佇まいの医院を訪れる。すると、通された診療室で待ち構えていたのは、なんと先日自分を介抱してくれたあの男!?
抄録
「じゃあ、俺も日輪に確認しようかな」
「なにを?」
「キスしていい?」
「──!?」
とっさに返事の返せない俺に、馨はもう一度訊ねてきた。
「なあ、日輪。キスしてもいいか?」
「……ぁ……、……うん」
あり得ないくらいドキドキしながら、やっとのことで俺はうなずいた。心臓が口から飛び出そうって、たぶんこういうことを言うんだ。痛いくらい胸が打って、顔も熱くなる。
馨は腕をほどいて身を離すと、両手で軽く、俺の頬から耳を挟んだ。
「目、閉じて。日輪」
「……っ……」
俺は言われるまま目を閉じた。
「日輪……おまえが好きだ」
俺の好きな馨の声が、やさしくそう囁いて。
それから、緊張して待つ俺の唇に、あたたかい馨の唇が重なった。
一度離れて、もう一度。
夢と同じくらい……いいや、夢よりももっと確かな感触で、もっと……気持ちいい。間近な吐息がいとしい。
三度目に唇が重なったときには、下唇を軽く吸われて、俺は思わず唇に隙間をつくった。
そこから、舌がそっと入り込んできた。驚いて揺れた俺の肩は、いつの間にかしっかりと馨の手に抱かれていた。そうなると逃れることもできずに、俺は、舌まで使った官能的なそのキスに、応えざるを得なかった。
ときおり聞こえる微かな水音と、余裕のない互いの呼吸音とが、羞恥心と欲情を刺戟《しげき》してくる。しかも、馨は結構しつこくて、唇と舌とでふれ合う甘さに俺がすっかり翻弄されて脱力するまで、離してくれなかった。
これ以上つづけたらいろいろとヤバい──と真剣に心配し始めたころにようやく許してもらった俺は、馨の肩にもたれかかって、何度も大きく呼吸した。
馨が言った。
「日輪。もう一つ、確認しておきたいことがあるんだけどな」
「え?なに?」
「今のキスでも分かっただろうけど、俺と日輪と、こうして晴れて恋人どうしになったわけだ。で、そうなると、大人どうしのつき合いなんだから、当然、体の関係が附随してくるよな?」
「え……?あ……うん。そう、かな……?」
冷静で道理の通ってるっぽい馨の主張に、思わず同意すると、すかさず馨が言葉を継いだ。
「今、いいタイミングだからしてみないか?」
は?
「なにを……?」
*この続きは製品版でお楽しみください。
「なにを?」
「キスしていい?」
「──!?」
とっさに返事の返せない俺に、馨はもう一度訊ねてきた。
「なあ、日輪。キスしてもいいか?」
「……ぁ……、……うん」
あり得ないくらいドキドキしながら、やっとのことで俺はうなずいた。心臓が口から飛び出そうって、たぶんこういうことを言うんだ。痛いくらい胸が打って、顔も熱くなる。
馨は腕をほどいて身を離すと、両手で軽く、俺の頬から耳を挟んだ。
「目、閉じて。日輪」
「……っ……」
俺は言われるまま目を閉じた。
「日輪……おまえが好きだ」
俺の好きな馨の声が、やさしくそう囁いて。
それから、緊張して待つ俺の唇に、あたたかい馨の唇が重なった。
一度離れて、もう一度。
夢と同じくらい……いいや、夢よりももっと確かな感触で、もっと……気持ちいい。間近な吐息がいとしい。
三度目に唇が重なったときには、下唇を軽く吸われて、俺は思わず唇に隙間をつくった。
そこから、舌がそっと入り込んできた。驚いて揺れた俺の肩は、いつの間にかしっかりと馨の手に抱かれていた。そうなると逃れることもできずに、俺は、舌まで使った官能的なそのキスに、応えざるを得なかった。
ときおり聞こえる微かな水音と、余裕のない互いの呼吸音とが、羞恥心と欲情を刺戟《しげき》してくる。しかも、馨は結構しつこくて、唇と舌とでふれ合う甘さに俺がすっかり翻弄されて脱力するまで、離してくれなかった。
これ以上つづけたらいろいろとヤバい──と真剣に心配し始めたころにようやく許してもらった俺は、馨の肩にもたれかかって、何度も大きく呼吸した。
馨が言った。
「日輪。もう一つ、確認しておきたいことがあるんだけどな」
「え?なに?」
「今のキスでも分かっただろうけど、俺と日輪と、こうして晴れて恋人どうしになったわけだ。で、そうなると、大人どうしのつき合いなんだから、当然、体の関係が附随してくるよな?」
「え……?あ……うん。そう、かな……?」
冷静で道理の通ってるっぽい馨の主張に、思わず同意すると、すかさず馨が言葉を継いだ。
「今、いいタイミングだからしてみないか?」
は?
「なにを……?」
*この続きは製品版でお楽しみください。
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