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盗賊は宰相に愛を誓う

盗賊は宰相に愛を誓う


発行: キリック
レーベル: シフォンノベルズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★☆☆☆4
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解説

 宮殿から持ち帰った仕事に精を出している夜更けのこと──大国ホラーサーンの若き宰相・サーリフは庭先に人の気配を認める。次の瞬間、目の前を黒衣が翻ったかと思うと、黒装束の侵入者はすばやくランプの火を消し、闇に包まれた室内でサーリフは背後から捕らえられてしまう。すると侵入者は、宰相に折り入って話があり、危害を加える気はないと言う──かくして光を取り戻した室内でサーリフが対峙していた男は、何と幼い頃“結婚”を約束し、十数年前、父親のキャラバンに同行したまま消息不明になっていたシャッダードで……!!
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

「明かりをつけていいか」
「ああ」
 侵入者は腕をゆるめてわたしを自由にした。ようやく暗さに目が慣れてきて、わたしはそろそろとランプのもとへ向かう。
 ランプを載せてある台の小抽斗を開け、半ば手探りで火打ち道具を取り出し、もう一度ランプに火を灯す。
 次いで、その火を持って壁際に歩み寄り、棚の上の燭台のロウソクに火を灯す。さらに、部屋の入口の吊りランプにも再び火を灯した。
 さあ、これで正体の知れぬ相手と対峙するにも十分な明るさとなった。
 そう思って、わたしの剣を拾い上げて鞘に収めている侵入者のほうを振り向いた。
 黒い頭巾で頭部全体を覆い、その両目だけをわたしに見せる侵入者は、なぜかわたしの顔を見るや目を見開き、息を止めたようだった。
「……さ──サーリフ……?もしかして、バフラームの息子のサーリフか……?」
 わたしはわずかに眉をひそめた。
 久々に、他人の口から実父の名を聞いた。今では、わたしの『父』と言えば、養父であり前の宰相であるシール・クーフであるというのに。
 なんと答えようかと思案するあいだに、侵入者はするすると自分の頭巾をほどいた。
 黒い布の下からは、若く、引き締まった、精悍な顔が現れた。──浅黒い肌、意志の強そうな黒い瞳、少し癖のある黒い髪。
「……?」
 彼を、どこかで見たような……いいや、覚えはない。これだけの美男子であれば、印象に残っていそうなものなのに、会った記憶はない。
 記憶はないのだが……けれど……なにかが、わたしの記憶の奥深くにささやきかけてくる。
 見つめるその顔の上に、懐かしい面影が浮かび上がる……。
「……シャッダード……」
 ほとんど無意識のうちにもれていたわたしの声に、侵入者はたちまち笑顔になった。
 それが、答え。
 わたしは驚き、改めて彼の顔を凝視した。
「ほ──本当にシャッダード……?」
「ああ!おれだよサーリフ!運河べりの屋敷でよく一緒に遊んだシャッダードだ!」
「!?……生きてた……っ……!」
 信じられない……生きていてくれたなんて……!
 いや、違う!生きていると信じていた──会えなくなってからずっと……それでも彼はどこかで元気でいると……!
 わたしとシャッダードは、互いに数歩歩み寄り、どちらからともなく手を伸ばした。
 手と手が触れると、シャッダードは反対の手でわたしの腕をつかみ、ぐいと引き寄せた。
「あっ……」
 わたしはよろけて、彼の胸にもたれかかった。
 肩が抱かれた。
 シャッダードは当たり前のようにわたしを抱きしめた。
「会いたかった、サーリフ──!」
 衣服ごしにじんわりと、シャッダードのぬくもりが伝わってくる。それによって、彼が無事でいてくれたことへの実感と喜びが改めてこみ上げてきて、わたしは父を慕う子どものように彼にしがみついた。

*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

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