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アタマにしみこむ現代物理

アタマにしみこむ現代物理

著: 竹内薫
発行: サンマーク出版
価格:1,365円(税込)
10ポイント還元
形式:bookend形式⇒詳細
対応端末:パソコン 
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著者プロフィール

 竹内 薫(たけうち かおる)
 1960年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科・理学部物理学科卒業。カナダのマギール大学大学院博士課程修了(専攻は超ひも理論の宇宙論)。理学博士。ウィットに富む科学解説書や、帰国子女の特技を活かした科学英語の啓蒙書の執筆など、幅広い分野で活躍中。特異な作風で知られるミステリー作家「湯川薫」という別の顔も。大の猫好きで、鎌倉の山奥の自宅は、本物の猫のほか、猫グッズであふれかえっている。主な著訳書に「ペンローズのねじれた四次元」、「ゼロから学ぶ量子力学」(以上、講談社)、「知の創造」、「虚数の眼」(以上、徳間書店)、「Dの虚像」(角川書店)などがある。

解説

 「現代の最先端を担う量子力学や相対性理論なんて難しいものがわかるはずがない」と最初からあきらめていませんか。本書では中学生の知識でわかるようにこの2つの理論を解説しています。「相対性理論や量子力学がどのように世の中を変えたのか、そして変えつつあるのか」がバリバリわかるはずです。あなたの世界観がこの1冊で変わってしまうかもしれません。

目次

プロローグ 現代物理を理解するのはまず、アタマのリセットが必要
第1章 色即是空の物理学
第2章 相対性理論はこんなに簡単! 原子力から重力そして宇宙論へ
第3章 量子力学がなかったらケイタイはもちろんこの世さえ存在しない?
エピローグ それでも物理学は進化する

抄録

   ◎タイムマシンにお願い◎


 人生に失敗はつきもの。誰でも、「あのとき、ああしていれば」とか、「あのときあんなことさえしなければ」と悔やむことがある。
 もちろん、この本は人生論の本ではないから、「後悔するより、前向きプラス思考でいこう」とか、「失敗をバネにして成功をつかみ取ろう」などとヤボなことはいわない。
 そのかわり、本当に過去に戻ってやり直すことができるかどうか、物理学的に検討してみようというのだ。
 「それって、タイムマシンの話?」
 そう、読者といっしょに時間旅行しに行くのだ。
 非常に初歩的な問題で失礼だが、読者のみなさんは、
 「光より速いものは存在しない」
 ということはご存じと思う。
 光の速さは秒速約30万キロメートル。1秒のうちに地球を7周半してしまうほどの速さだ。たしかに、これより速く飛ぶのはたいへんそうである。
 しかし、光の速度といえど有限なのだから、将来、光より速いロケットだってできるのではないか? 要は秒速30万キロメートルより速く飛べればいいのだ。どうってことないだろう。
 前もってお断りしておくが、これから先は、あくまで「もしも」の話なので、念のため。
 それで、もしも、遠い未来に光速より速く飛ぶロケットができたとする。さっそく、太郎はこのロケットに乗って宇宙に飛び出していった。ロケットはスピードをどんどん上げ、やがて光速と同じ速度になり、ついには光速を超えた!
 するとどうなるだろうか?
 人間の視覚は、モノに当たって反射してきた光を見る仕組みになっている。発射するときロケットに反射した光が、ロケットと同じ進路を進んでいったとする。最初は光のほうが先に進んでいくが、やがて、ロケットが光に追いつき、追い越したとする。
 太郎がいま追い越した光を見ようとして振り向いたとすると、そこには発射したときのロケットの姿が見えるだろう。もっと速く飛んでいくと、ロケットが発射される以前の光景も見えるようになる。
 つまり、太郎は光速より速く飛ぶことによって、「過去」へタイムトラベルしていることになるのだ。
 さて、以上の話は、理屈のうえではできそうな気がする。しかし、もちろん、これは不可能なのだ。
 これがフィクションであったなら、何でもありかもしれないが、いちおうは物理学の本だから、ここは声を大にして申し上げておく。
 「どんなに速いものでも、光より速く飛べるものはない!」
 残念ながら、この方法では、タイムトラベルは実現不可能なのだ。
 そして、「光より速く飛べるものはない」というのが、これから説明しようとしている「相対性理論」の絶対条件なのである。


  ◎そもそも「相対性」とは何ぞや?◎


 なぜ、最初にタイムマシンの話などしたかというと、「光の速度」について話したかったからである。
 相対性理論とは、
 「光に近い速さで動いているもの」
 のための物理学だからだ。
 もう少し付け加えるならば、相対性理論とは、「光に近い速さで動いているものに対して、ニュートン力学をどのように修正して使ったらよいのか」
 を明らかにした理論である。
 これは、かなり大ざっぱな定義のしかただが、煎《せん》じ詰めれば、相対性理論は、
 「ニュートン力学などの既存の物理学を、光に近い速さのもの向けに修正した理論」
 なのである。
 大天才アインシュタインとて、何もないところから魔法のように相対性理論をつむぎ出したのではない。ニュートン力学や電磁力学など、既存の物理学を土台にして新しい理論を築いたのだ。
 ついでにもうひとついっておくと、アインシュタイン以前にも相対性理論はあった。
 それは、「ガリレオの相対性理論」である。
 この本では2度目の登場だが、あの「それでも地球は回っている」のガリレオ・ガリレイである。

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