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著者プロフィール
火崎 勇(ひざき ゆう)
出身地 東京/星座 やぎ座/血液型 B型/趣味 原稿を書くこと……?/誕生日 1月5日
出身地 東京/星座 やぎ座/血液型 B型/趣味 原稿を書くこと……?/誕生日 1月5日
解説
「キス一つじゃ済まないぞ」
ワイルドな美貌に、長身で、社長でもある魅力的な男、有田貴秋。友人の弟である自分を口説き続ける彼の真意がはかれない槇野三波は、どう答えていいのかわからない。有田の会社に就職を決めて、彼に接しているうち、三波の心は揺れ始め……「わからないなら教えてやる。言葉じゃなくて態度で。俺がお前をどう思ってるかをな」そう言っていきなりキスをされた三波……? 前作「優しくない波」で微妙な関係だった2人の恋の行方が、いけない展開へ!
ワイルドな美貌に、長身で、社長でもある魅力的な男、有田貴秋。友人の弟である自分を口説き続ける彼の真意がはかれない槇野三波は、どう答えていいのかわからない。有田の会社に就職を決めて、彼に接しているうち、三波の心は揺れ始め……「わからないなら教えてやる。言葉じゃなくて態度で。俺がお前をどう思ってるかをな」そう言っていきなりキスをされた三波……? 前作「優しくない波」で微妙な関係だった2人の恋の行方が、いけない展開へ!
抄録
キスをするのは、実は初めてではなかった。
学生時代何となく付き合っていた女の子としたことがあった。
けれどこんなのは初めてだった。
両手でこめかみを押さえ付けられ、吸い上げるように蹂躙される唇。
濡れた舌先が苦もなく唇をこじ開け、内側に侵入する。
まるでそこだけ別の生き物のように激しく、乱暴に中を掻き回し、それだけでは物足りないというように何もない場所を丁寧に拭う。
「ん…」
これがセックスに繋がる口づけだというのが、感覚でわかってしまうキス。
彼が自分より随分と背が高いのを上から押さえ付けられて知った。
体格がよく、筋力もあるのだと、逃れられないことが教えた。
長く濃厚に触れ、執拗に犯す。
ようやく身体が離れた時、名残るように糸を引く自分の唾液に赤面した。
「弟にするキスじゃねえな」
自嘲気味な言葉。
何か言ってやりたかったが、息が苦しくて、力が入らなくて、汚い壁にもたれて立っているのがやっとだ。
「覚えとけ。俺がお前に手取り足取りしてやってるのは、お前が見込みのあるガキだからだ。そう、お前はまだ俺にとってはガキだ。自分の悩みに自分で答えを出せない子供だ。だから俺は待ってる。お前が自分で答えを出して、俺を受け入れるなり振るなりするのを。その時まではまだもう少し紳士でいてやるよ」
今の振る舞いのどこに紳士的な要素があるのか、と言いかけて止めた。
今声を出したら、この溶けるような状態を相手に気取られると思ったから。もっとも、声など出さなくても彼にはわかっていたのかもしれないが。
「人の示す態度が、一つの理由からとは限らないんだぜ。俺にとってのお前は確かに槙野の弟って面もある。だがそれだけじゃない。もう少し考えな」
やっと普段の顔に戻って笑みを見せてはくれたが、だからといって今日はもうほっとなんかできなかった。
「だが、その全ての面を合わせたお前が、好きなんだよ」
有田はポケットから財布を出すと、中から万札を一枚取り出して、動けないでいる三波のジャケットのポケットへ押し込んだ。
「こいつはタクシー代とメシ代だ。俺はこれで帰るし、お前はそのまんまじゃ帰れそうもないからな」
大きな手がもう一度頭に触れたが、髪を撫でることもせず、すぐに引っ込む。
「明日もちゃんと仕事に来いよ、お互いもうオトナなんだから」
その態度をどう解釈していいのかわからなくて、やっぱり投げ付ける言葉が見つからない。
負けている。
それだけはわかった。
自分だって色々考えはしたが、それよりももっと有田の方が前を行っている。
「ばかっ!」
向けられた背中に、ようやくそれだけ言うと、三波はずるずるとその場にしゃがみこんだ。
恋愛は、わからない。
有田のこともわからない。
けれど一番わからないのは、今のキスをまだ熱いと思っている自分の気持ちだった。
*この続きは製品版でお楽しみください。
学生時代何となく付き合っていた女の子としたことがあった。
けれどこんなのは初めてだった。
両手でこめかみを押さえ付けられ、吸い上げるように蹂躙される唇。
濡れた舌先が苦もなく唇をこじ開け、内側に侵入する。
まるでそこだけ別の生き物のように激しく、乱暴に中を掻き回し、それだけでは物足りないというように何もない場所を丁寧に拭う。
「ん…」
これがセックスに繋がる口づけだというのが、感覚でわかってしまうキス。
彼が自分より随分と背が高いのを上から押さえ付けられて知った。
体格がよく、筋力もあるのだと、逃れられないことが教えた。
長く濃厚に触れ、執拗に犯す。
ようやく身体が離れた時、名残るように糸を引く自分の唾液に赤面した。
「弟にするキスじゃねえな」
自嘲気味な言葉。
何か言ってやりたかったが、息が苦しくて、力が入らなくて、汚い壁にもたれて立っているのがやっとだ。
「覚えとけ。俺がお前に手取り足取りしてやってるのは、お前が見込みのあるガキだからだ。そう、お前はまだ俺にとってはガキだ。自分の悩みに自分で答えを出せない子供だ。だから俺は待ってる。お前が自分で答えを出して、俺を受け入れるなり振るなりするのを。その時まではまだもう少し紳士でいてやるよ」
今の振る舞いのどこに紳士的な要素があるのか、と言いかけて止めた。
今声を出したら、この溶けるような状態を相手に気取られると思ったから。もっとも、声など出さなくても彼にはわかっていたのかもしれないが。
「人の示す態度が、一つの理由からとは限らないんだぜ。俺にとってのお前は確かに槙野の弟って面もある。だがそれだけじゃない。もう少し考えな」
やっと普段の顔に戻って笑みを見せてはくれたが、だからといって今日はもうほっとなんかできなかった。
「だが、その全ての面を合わせたお前が、好きなんだよ」
有田はポケットから財布を出すと、中から万札を一枚取り出して、動けないでいる三波のジャケットのポケットへ押し込んだ。
「こいつはタクシー代とメシ代だ。俺はこれで帰るし、お前はそのまんまじゃ帰れそうもないからな」
大きな手がもう一度頭に触れたが、髪を撫でることもせず、すぐに引っ込む。
「明日もちゃんと仕事に来いよ、お互いもうオトナなんだから」
その態度をどう解釈していいのかわからなくて、やっぱり投げ付ける言葉が見つからない。
負けている。
それだけはわかった。
自分だって色々考えはしたが、それよりももっと有田の方が前を行っている。
「ばかっ!」
向けられた背中に、ようやくそれだけ言うと、三波はずるずるとその場にしゃがみこんだ。
恋愛は、わからない。
有田のこともわからない。
けれど一番わからないのは、今のキスをまだ熱いと思っている自分の気持ちだった。
*この続きは製品版でお楽しみください。
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