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フェイクな恋の物語

フェイクな恋の物語


発行: キリック
レーベル: シフォンノベルズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★2
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著者プロフィール

 朝日奈 れん(あさひな れん)
 乙女座のAB型。仕事熱心(?)なあまり、近頃では街でカッコイイお兄さんを見かけると、つい「受け」か「攻め」かを脳内妄想してしまう。しかしその実態は、移動に1時間以上かかる場所にはまず行かない出不精者。前世はクラゲかマンボウだったに違いないと確信している非行動派人間です。

解説

 「おまえ、エッチしたくないか?」
 事故死した恋人・和也のあとを追おうとした響の前に、幽霊になった和也が現れた。予期せぬ再会に涙する響だが、和也の「供養のために」という頼みで、アパートの隣人でダサ眼鏡の研修医・阿須間の身体を借りてエッチすることに……! 和也が憑依して身だしなみに気を配れば阿須間は驚くほどイイ男ということが判明し、エッチは滞りなく終了。その日以来、エッチのために憑依されている事など知りもしない阿須間に負い目を感じながらも、ひょんなことから交流がはじまり、悲しみに暮れていた響は明るさを取り戻す──その様子を見守る和也に、ある密謀があることは気づかずに……。
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

目次

 行為によって汚れた体は、簡単にではあるが拭き清められていた。
 よほど時間が切迫していたのか、響の体を拭った濡れタオルは、そのままローテーブルの上に置きっぱなしにされている。
 ひょっとしたら、たしかに自分はこの場にいたのだという、和也からのサインなのかもしれない。
 響はテーブルの上のタオルを掴《つか》むと、バスルームへ向かった。
 体の下に敷いていたバスタオルは、すでに和也によって洗濯機の中に放り込まれていた。
 そこへタオルを追加しようとして、ふと目の端が異物を捉える。
 顔を振り向けてみれば、洗面台の横に眼鏡が鎮座《ちんざ》している。
「これって……」
 阿須間の眼鏡だった。
 霊体である和也には必要のないものだったのだろう。最初にシャワーを浴びたときに外して、そのまま忘れてしまったに違いない。
「やっぱ、僕が返しに行く……ってことだよなぁ」
 気は進まなかったけれど、そうするしかない。きっと今ごろ本人は困っているだろうし。
 響はさっさとシャワーを浴びて着替えを済ませると、しぶしぶ隣人のもとへ足を運んだ。


 玄関のチャイムを鳴らすと、室内からドシャンガタンという派手な音が聞こえてきた。
 たぶん何かをひっくり返した音、もしくは落とした音。というか、その両方。
 それからしばしの間を経て、ドアのロックを解除する音が小さく響いた。
「どなた……ですか?」
 薄く開いたドアの隙間から、阿須間が顔を覗かせる。
 その姿を見たとたん、思わず響は首を傾げてしまった。
 なんか、ヨレ度が増している気がする……。
 髪の毛はボサボサというより、嵐の中を歩いてきたみたいに振り乱れていた。
 和也がシャワーを浴びてちゃんと整えてやったと思っていたのだが、乾かす暇もなかったのだろうか。
「あの……」
 おずおずと阿須間に問いかけられ、響はここへ来た目的を思い出す。
「隣の峰島ですけど。えーと、これ……」
 手にしていた眼鏡を差し出してみせる。
 やや顔を近づけ気味にし、眉間に皺を寄せてそれを凝視した阿須間が驚きの声をあげる。
「あっ、俺の眼鏡!」
 そして心底ホッとしたような表情で眼鏡を受け取った。
「よかった。どこに置き忘れたかと、部屋中くまなく探しても見つからなくて。すごく困ってたんです」
 そりゃ見つからないだろうさと、響は内心で阿須間に同情する。
 ヨレ度が増していたのも、あちらこちらと必死に眼鏡を探しまくっていた成れの果てなのだろう。
「峰島さん、届けてくださって本当にありがとうございます!」
「い、いえ。べつに……」
 感謝感激の阿須間に対し、響の良心がちくりと痛む。
そもそも和也が憑依などしなければ、阿須間は無駄骨を折らずに済んだのだ。
 そして、たっぷりと愛を交し合ってしまった響もまた同罪。
「でも、いったいどこにあったんですか?てっきり家の中で失くしたと思ってたのに」
 そう思うのが普通だ。てか、普通はそれしかあり得ないだろう。
 不思議でたまらないといった表情の阿須間に、そりゃもうアナタの思いもつかない場所に置き忘れてましたよ、などと言えるはずもない。
「な、なんか、うちの玄関の前に落ちてて……で、その、ひょっとしてと思って」
 しどろもどろの言い訳に、阿須間がさらに首を傾げる。
「眼鏡を落としたら、気づくはずなんだけどなぁ。それに、たしか部屋に入ったときにはかけてたはず。それがどうして……」
 いや、いくら悩んでも答えは出てこないから。ハゲる前にやめといたほうが。
 そんな言葉をぐっと飲み込み、響は「さ、さあ……」とシラをきり通すしかない。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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