和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>花嫁
解説
『お前は私に絶対の忠誠を誓うか?』世界有数の名門世尊寺家の「お館さま」の相続人&伴侶候補として招かれた幹。だが訪れた大邸宅に現れた「お館さま」は、幹の実家を窮地に追いやった男だった。犯しがたい威厳、圧倒的な存在感。高貴と傲慢を併せ持ったお館さまは幹に告げる。「今夜、呼ぶ」と……! 華やかな大邸宅での相続人選び、月下のバラ園でひめやかなキス。そして邸宅の奥深く、秘密の扉からお館さまの寝室へ――。究極のシンデレララブ!
※ 本文にイラストは含まれておりません。
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抄録
「男同士なのに、どうしてこんな……」
唇が離れた瞬間に飛び出した、根本的な疑問。
「少なくともお前は、私の配偶者候補だ。それを忘れてもらっては困る」
耳元で囁くような言葉――とともに、耳朶を舌でくすぐられ、ぞくんと体が震える。
まさか、これは「金」の配偶者候補としての審査とか……そういうもの? それを男の僕が受けさせられている……? まさか!
思わず彼の体を押しのけようと腕を突っ張ったけれど、やわらかなシャツの下の厚い胸板はびくともしない。それどころか、ますます強く引き寄せられて、彼が僕の髪に顔を埋める。
「……この香りがわかるか」
僕の全身を包む、ほのかな花の香り。バスルームで使われたオイルもボディシャンプーもみなこの香りだった。気がつくと彼自身も、同じ香りに包まれている。さっきもこの香りに僕は、どこかで覚えがあると――あ!
「東葉ホテル……の……!」
「そうだ」
東葉ホテルのスイートルーム用のアメニティ。父がこだわりぬいて、気に入った香りを探し続け、イタリアの小さな店に辿りつき、苦労して調達したものだ。
その店のたった一人の調香師だけが作り出せる香りは、特別な種類の早咲きのバラのつぼみからしか取れないエッセンスに、人工の香料など一切使わず数種類のハーブで調整した、決して邪魔にならず、それでいて気持ちをやわらげる特別な香り。
僕もとてもいい香りだとは思ったけれど、自分でうちのホテルのスイートに泊まったことなんてないから……でもどうしてそれを……?
混乱しているうちにまた唇を塞がれた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
唇が離れた瞬間に飛び出した、根本的な疑問。
「少なくともお前は、私の配偶者候補だ。それを忘れてもらっては困る」
耳元で囁くような言葉――とともに、耳朶を舌でくすぐられ、ぞくんと体が震える。
まさか、これは「金」の配偶者候補としての審査とか……そういうもの? それを男の僕が受けさせられている……? まさか!
思わず彼の体を押しのけようと腕を突っ張ったけれど、やわらかなシャツの下の厚い胸板はびくともしない。それどころか、ますます強く引き寄せられて、彼が僕の髪に顔を埋める。
「……この香りがわかるか」
僕の全身を包む、ほのかな花の香り。バスルームで使われたオイルもボディシャンプーもみなこの香りだった。気がつくと彼自身も、同じ香りに包まれている。さっきもこの香りに僕は、どこかで覚えがあると――あ!
「東葉ホテル……の……!」
「そうだ」
東葉ホテルのスイートルーム用のアメニティ。父がこだわりぬいて、気に入った香りを探し続け、イタリアの小さな店に辿りつき、苦労して調達したものだ。
その店のたった一人の調香師だけが作り出せる香りは、特別な種類の早咲きのバラのつぼみからしか取れないエッセンスに、人工の香料など一切使わず数種類のハーブで調整した、決して邪魔にならず、それでいて気持ちをやわらげる特別な香り。
僕もとてもいい香りだとは思ったけれど、自分でうちのホテルのスイートに泊まったことなんてないから……でもどうしてそれを……?
混乱しているうちにまた唇を塞がれた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
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