和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>三角関係
著者プロフィール
南原 兼(なんばら けん)
1月1日生まれ。B型。おにきゅん帝国出身・帝都在住。
最近はアロマにハマって、集めたエッセンシャルオイルとキャリアオイルを調合して自分レシピを作成中。ぷち魔法使い気分♪
1月1日生まれ。B型。おにきゅん帝国出身・帝都在住。
最近はアロマにハマって、集めたエッセンシャルオイルとキャリアオイルを調合して自分レシピを作成中。ぷち魔法使い気分♪
解説
高校二年の夏休み。物理学フェチの百合原歩が同居することになったのは、従兄弟の美形三つ子。高飛車だけど頼れる秀才の梢、スポーツ万能でワイルドな葉、料理上手な優しい幹。神話のエロスのように毎夜歩のベッドに忍びこんでくるのは誰? 愛とか恋とか興味ないのに麗しの王子三人に心乱されて。危険な従兄弟たちとのドキドキ家庭内四角関係・あふれそうな想いの答えは?
目次
PRINCIPLE★1〔従兄弟は危険な超絶美形★〕
PRINCIPLE★2〔ミステリアスな館と住人★〕
PRINCIPLE★3〔真夜中のエロス★〕
PRINCIPLE★4〔学園の王子様★〕
PRINCIPLE★5〔本命は誰だ?★〕
PRINCIPLE★6〔エウレカ(わかった)!★〕
あとがき
PRINCIPLE★2〔ミステリアスな館と住人★〕
PRINCIPLE★3〔真夜中のエロス★〕
PRINCIPLE★4〔学園の王子様★〕
PRINCIPLE★5〔本命は誰だ?★〕
PRINCIPLE★6〔エウレカ(わかった)!★〕
あとがき
抄録
「もう少しだから、がんばって」
励ましてくれる幹の甘い美声も、どこか遠くに聞こえる。
それから、いったいどれだけの距離を登ったのか、ふいに幹が立ちどまった。
「着いたよ」
瀟洒な装飾の施された鉄の門を押し開けながら、幹が耳元でささやく。
「え? ここ、どこ?」
「きみの親戚の家」
「地図、見せたっけ?」
ぼんやりしていた頭が急にはっきりして、背中を冷や汗が伝い落ちた。
「見てないけど、ここに間違いないと思うよ。百合原歩(ゆりはらあゆむ)くん」
「どうして? ……俺、名前しか教えてないのに」
「わかるよ。だって、これから一緒に暮らす従兄弟だもん」
にっこり笑って答える幹を見上げ、歩は瞳を見開く。
「うそ……」
「ほんと」
じりっとあとずさる歩の上腕をしっかりと握って引き戻しながら、幹がうなずく。
「僕は百合原幹(ゆりはらみき)。あらためて、よろしくね」
「う……」
(こいつが、俺の従兄弟?)
優しくて面倒見のいい爽やか美少年という予想が、どうやらビンゴだったようだ。
幹が猫を被っているのでなければの話だが。
(それにしても、なんで俺、従兄弟の名前くらい、事前に訊いておかなかったかな?)
そういう気にならなかったわけではないのだが、『行けばわかるし』と思っていたのは事実だ。
なにもかも面倒で、煩わしいことは考えたくなかったからとはいえ。
(写真の一枚くらいは、もらっておくべきだったかも)
そうすれば、公園でひと目見ただけで、幹が従兄弟だとわかったのに。
「いつ、わかった?」
歩は、探るように幹に訊く。
自分が相手のことを全然知らないのに、向こうにいろいろ知られていたら、それはそれで不公平な気がして。
「名前、聞いたとき。写真の一枚でも見せてもらってたら、もっと早くにわかったのに」
幹は悔しそうに肩をすくめる。
「昨日、無理にでも補講休んで、きみのお姉さんの結婚式に行けばよかった。ご招待していただいてたんだけど」
「いや、学校あったんなら、仕方ないよ。うち、両親いないから、伯父さんが父親代わりになってくれて嬉しかったって、姉もすごく感謝してたし」
「そうそう。父さんときたら、きみの写メ送ってくれないんだもんな。可愛い可愛いって一人だけで楽しんで。せめて携帯の番号知ってたら、駅まで迎えに行ったのに」
「あ、うん。ありがと」
幹も同様にこちらのことをほとんど知らなかったのがわかって、歩は内心ホッとしながら、礼を云った。
「てか、ごめん。荷物まで持たせて」
幹にデイパックを持たせたままだったことに、いまさらながらに気づき、歩はあわてて詫びる。
「平気だよ。こう見えても、僕、結構力持ちだし。なんなら、きみも抱っこして部屋まで運んであげようか?」
「は?」
とっさにあとずさる歩にじりっと迫りながら、幹は王子様のようなキラキラの微笑みを浮かべた。
「ね、花嫁さんみたいに、お姫様抱っこで」
*この続きは製品版でお楽しみください。
励ましてくれる幹の甘い美声も、どこか遠くに聞こえる。
それから、いったいどれだけの距離を登ったのか、ふいに幹が立ちどまった。
「着いたよ」
瀟洒な装飾の施された鉄の門を押し開けながら、幹が耳元でささやく。
「え? ここ、どこ?」
「きみの親戚の家」
「地図、見せたっけ?」
ぼんやりしていた頭が急にはっきりして、背中を冷や汗が伝い落ちた。
「見てないけど、ここに間違いないと思うよ。百合原歩(ゆりはらあゆむ)くん」
「どうして? ……俺、名前しか教えてないのに」
「わかるよ。だって、これから一緒に暮らす従兄弟だもん」
にっこり笑って答える幹を見上げ、歩は瞳を見開く。
「うそ……」
「ほんと」
じりっとあとずさる歩の上腕をしっかりと握って引き戻しながら、幹がうなずく。
「僕は百合原幹(ゆりはらみき)。あらためて、よろしくね」
「う……」
(こいつが、俺の従兄弟?)
優しくて面倒見のいい爽やか美少年という予想が、どうやらビンゴだったようだ。
幹が猫を被っているのでなければの話だが。
(それにしても、なんで俺、従兄弟の名前くらい、事前に訊いておかなかったかな?)
そういう気にならなかったわけではないのだが、『行けばわかるし』と思っていたのは事実だ。
なにもかも面倒で、煩わしいことは考えたくなかったからとはいえ。
(写真の一枚くらいは、もらっておくべきだったかも)
そうすれば、公園でひと目見ただけで、幹が従兄弟だとわかったのに。
「いつ、わかった?」
歩は、探るように幹に訊く。
自分が相手のことを全然知らないのに、向こうにいろいろ知られていたら、それはそれで不公平な気がして。
「名前、聞いたとき。写真の一枚でも見せてもらってたら、もっと早くにわかったのに」
幹は悔しそうに肩をすくめる。
「昨日、無理にでも補講休んで、きみのお姉さんの結婚式に行けばよかった。ご招待していただいてたんだけど」
「いや、学校あったんなら、仕方ないよ。うち、両親いないから、伯父さんが父親代わりになってくれて嬉しかったって、姉もすごく感謝してたし」
「そうそう。父さんときたら、きみの写メ送ってくれないんだもんな。可愛い可愛いって一人だけで楽しんで。せめて携帯の番号知ってたら、駅まで迎えに行ったのに」
「あ、うん。ありがと」
幹も同様にこちらのことをほとんど知らなかったのがわかって、歩は内心ホッとしながら、礼を云った。
「てか、ごめん。荷物まで持たせて」
幹にデイパックを持たせたままだったことに、いまさらながらに気づき、歩はあわてて詫びる。
「平気だよ。こう見えても、僕、結構力持ちだし。なんなら、きみも抱っこして部屋まで運んであげようか?」
「は?」
とっさにあとずさる歩にじりっと迫りながら、幹は王子様のようなキラキラの微笑みを浮かべた。
「ね、花嫁さんみたいに、お姫様抱っこで」
*この続きは製品版でお楽しみください。
本の情報
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