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濡れ色の顔面騎乗

濡れ色の顔面騎乗

著: 佐々屋箱 画: 石川五郎
発行: イースト・プレス
レーベル: イーストeノベルズ
価格:525円(税込)
10ポイント還元
形式:bookend形式⇒詳細
対応端末:パソコン 
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解説

 婚約者の命を奪った老政商・野々村修造の後妻となり復讐の機会を窺う真佐子。老い先短い彼の遺産を目当てに近づくキャリアウーマン幹子。老醜を晒すだけとなった修造は、力を求めて集まる野心家の男たちに美貌の二人を抱かせ、それを眺める日々を送る。その歪んだ宴が女たちに倒錯の悦びを見出させ、噴き上がる官能の業火が陰謀めぐらす男たちを包み地獄へ堕としていく……。

目次

第一章 顔面騎乗
第二章 ヒールの痕跡
第三章 交合の残滓
第四章 獰猛な贅肉
第五章 舐める便器
第六章 喘ぎの摩擦

抄録

「え、これを?」
 とまどう幹子に、野々村修造は、老いた柔和な眼を一段と細めた。
 穿くには、あまりにも極端すぎるビキニのパンティだった。さながら、細い紐のようにしか見えない。
「よく似合うと思うが……」
 錆びた声だ。
「でも、ちょっとすごいわねえ」
 そう言いながらも、幹子は光沢のあるシルクのナイティを肩から滑らせていた。
 老いた眼の保養に裸身を見せる。それも、週に一度だけの、二十四時間。その肌に触れたりはしない、ただそばにいてくれるだけでいい……そんな約束のもとに、湘南の大磯を訪れる村瀬幹子だった。たまに東京の成城になることもある。
 そのいずれも、どこか近隣を拒んでいるような森閑とした邸宅だ。
 ただの隠居とは思えない。
 深夜か早朝に警備を暗示させる者を従えた大型のセダンが野々村邸の重厚な門を滑り込むことがある。
 修造が何者なのか? その生計基盤はどこにあるのか? 幹子にはわからない。
 ただ最近になってわかったことは、楚々とした気品のある真佐子という名の後妻がいるということだ。
 それにもかかわらず、もう十ヵ月近くなる幹子の訪問を、いまなお求めつづける。
 しかし、幹子にしても、謎の八十翁と三十数歳という美貌の後妻に関心がなくはない。
 それは仕事柄なのか性格なのか、幹子自身、よくわからない。
 さして売れるとはいえない翻訳の仕事、たまに声のかかるコンパニオンとか雑誌のモデル、〈いつもビートルズ〉という十五分間番組のFMのDJ……そんなフリーをしている、したがりやさんなのだ。ちょっと見学が多すぎる多忙症、あるいは、もうすでに歩みかけている結婚しない女のコース、その二十七というあぶない境界線上の年齢ゆえからかもしれない。
 結果、最高の効率時間収入になる翁の柔和な眼に、幹子は今日も裸身で応えようとしていた。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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