和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>兄弟
解説
人気俳優の弟、涼司の撮影に同行した高校教師の悠――実の兄弟でありながら、身体を繋げている二人。長い間、憎しみに縛られ傷つけあってきた彼らだが、互いの想いを知り、その関係は変わった。今ではどんな時でも共にあろうと決意した……溺れるままに……。だが、撮影現場である南の島のバカンスクラブで、偶然にも悠の昔の教え子だというモデルの青年、保科と再会し……。スリリングな色に濡れる背徳愛★
目次
兄弟 −夏−
二人同士
二人同士
抄録
涼司は焦れて口を歪ませる。
「アイツ、ただ他の写真はないのかだの、兄弟仲はいいのかだの聞いてくるだけで、自分と兄貴の関係言わなかったんだぜ」
「なんでだかは分からないけど……。ここで偶然一緒の場所にいることになっただけで、自分から僕と接触しようとは思ってなかったのかもしれないし」
僕の顔を訝(いぶか)しげに見つめる涼司。
「本当に……何もないんだな?」
「当たり前だろ。……変なふうに疑うなよ」
微(かす)かに走った動揺を、疑われたという不機嫌な表情で紛らわす。
保科との会話は、普通というには奇妙だった。あいつが僕を好ましいと思っているのか、それとも内心憎んでいるのか、それすらも判別できない。昔から捉えどころのない印象だったことは覚えているが、やはり年月が経ってもそれは変わらない。
けれど、どこかしっくりこない。保科の顔が歪む。あいつの存在が、僕の頭を混乱させる。
涼司の手の平が僕の頬を包み込む。怖いほど真剣な眼差しが、僕に注がれる。
「兄貴。……兄貴が浮気したら、俺マジで何するか分かんないから」
「う、浮気なんかするわけないだろ」
「……どうだか」
鼻で嗤(わら)う涼司。不意打ちのように唇を押しつけられる。少し乱暴なキスだ。深く食いつかれ、舌をきつく吸われる。閉じた目の裏側で濁った光が白く揺らめく。
「ん……、りょ、う……」
「……兄貴が心配なんだよ……すぐ逃げちまいそうで怖い……誰かにさらわれちまいそうで……」
涼司は、去年の冬に僕と繋がって以来、よく弱気な台詞をこぼすようになった。それまでは自信家のイメージがあった弟が、突然変貌したように思えた。ただ、僕は忘れていただけなんだ。涼司は幼い頃から僕に甘えてばかりだったということを。
「なあ、兄貴……約束しろよ、絶対……」
「……何言ってんだ。お前以外とこんなことするわけない……当たり前だろ」
荒い息の合間に呟く。身体が熱い。涼司と触れ合った部分が燃えている。
「僕は……お前以外、何もないんだから……今までも、これからも……」
「……そうだよな」
涼司は、ホッとしたような、幸せそうな顔で微笑んだ。
「兄貴には、俺だけなんだよな」
*この続きは製品版でお楽しみください。
「アイツ、ただ他の写真はないのかだの、兄弟仲はいいのかだの聞いてくるだけで、自分と兄貴の関係言わなかったんだぜ」
「なんでだかは分からないけど……。ここで偶然一緒の場所にいることになっただけで、自分から僕と接触しようとは思ってなかったのかもしれないし」
僕の顔を訝(いぶか)しげに見つめる涼司。
「本当に……何もないんだな?」
「当たり前だろ。……変なふうに疑うなよ」
微(かす)かに走った動揺を、疑われたという不機嫌な表情で紛らわす。
保科との会話は、普通というには奇妙だった。あいつが僕を好ましいと思っているのか、それとも内心憎んでいるのか、それすらも判別できない。昔から捉えどころのない印象だったことは覚えているが、やはり年月が経ってもそれは変わらない。
けれど、どこかしっくりこない。保科の顔が歪む。あいつの存在が、僕の頭を混乱させる。
涼司の手の平が僕の頬を包み込む。怖いほど真剣な眼差しが、僕に注がれる。
「兄貴。……兄貴が浮気したら、俺マジで何するか分かんないから」
「う、浮気なんかするわけないだろ」
「……どうだか」
鼻で嗤(わら)う涼司。不意打ちのように唇を押しつけられる。少し乱暴なキスだ。深く食いつかれ、舌をきつく吸われる。閉じた目の裏側で濁った光が白く揺らめく。
「ん……、りょ、う……」
「……兄貴が心配なんだよ……すぐ逃げちまいそうで怖い……誰かにさらわれちまいそうで……」
涼司は、去年の冬に僕と繋がって以来、よく弱気な台詞をこぼすようになった。それまでは自信家のイメージがあった弟が、突然変貌したように思えた。ただ、僕は忘れていただけなんだ。涼司は幼い頃から僕に甘えてばかりだったということを。
「なあ、兄貴……約束しろよ、絶対……」
「……何言ってんだ。お前以外とこんなことするわけない……当たり前だろ」
荒い息の合間に呟く。身体が熱い。涼司と触れ合った部分が燃えている。
「僕は……お前以外、何もないんだから……今までも、これからも……」
「……そうだよな」
涼司は、ホッとしたような、幸せそうな顔で微笑んだ。
「兄貴には、俺だけなんだよな」
*この続きは製品版でお楽しみください。
本の情報
形式
【XMDF形式】
XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアはここから無料でダウンロードできます。
詳しくはブンコビューアダウンロード初めての方へをご覧下さい。
対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。
【bookend形式】
この書籍は、商品の初回閲覧時に必要ソフト「bookend」(無料)を手動インストールする必要があります。
詳細はbookend形式のご利用方法をご覧下さい。
bookend形式の書籍をご覧いただくためにはAdobe Reader最新版(無料)が必要になります。Adobe Reader最新版はここから無料でダウンロードできます。
































