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和書>小説・ノンフィクションボーイズラブ小説兄弟

兄弟―夏―

兄弟―夏―

著: 丸木文華
発行: イースト・プレス
レーベル: アズ・ノベルズ シリーズ: 『兄弟』
価格:893円(税込)
10ポイント還元
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対応端末:パソコン ソニー“Reader”
みんなの評価 ★★★★☆17
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解説

 人気俳優の弟、涼司の撮影に同行した高校教師の悠――実の兄弟でありながら、身体を繋げている二人。長い間、憎しみに縛られ傷つけあってきた彼らだが、互いの想いを知り、その関係は変わった。今ではどんな時でも共にあろうと決意した……溺れるままに……。だが、撮影現場である南の島のバカンスクラブで、偶然にも悠の昔の教え子だというモデルの青年、保科と再会し……。スリリングな色に濡れる背徳愛★

目次

兄弟 −夏−
二人同士

抄録

 涼司は焦れて口を歪ませる。
「アイツ、ただ他の写真はないのかだの、兄弟仲はいいのかだの聞いてくるだけで、自分と兄貴の関係言わなかったんだぜ」
「なんでだかは分からないけど……。ここで偶然一緒の場所にいることになっただけで、自分から僕と接触しようとは思ってなかったのかもしれないし」
 僕の顔を訝(いぶか)しげに見つめる涼司。
「本当に……何もないんだな?」
「当たり前だろ。……変なふうに疑うなよ」
 微(かす)かに走った動揺を、疑われたという不機嫌な表情で紛らわす。
 保科との会話は、普通というには奇妙だった。あいつが僕を好ましいと思っているのか、それとも内心憎んでいるのか、それすらも判別できない。昔から捉えどころのない印象だったことは覚えているが、やはり年月が経ってもそれは変わらない。
 けれど、どこかしっくりこない。保科の顔が歪む。あいつの存在が、僕の頭を混乱させる。
 涼司の手の平が僕の頬を包み込む。怖いほど真剣な眼差しが、僕に注がれる。
「兄貴。……兄貴が浮気したら、俺マジで何するか分かんないから」
「う、浮気なんかするわけないだろ」
「……どうだか」
 鼻で嗤(わら)う涼司。不意打ちのように唇を押しつけられる。少し乱暴なキスだ。深く食いつかれ、舌をきつく吸われる。閉じた目の裏側で濁った光が白く揺らめく。
「ん……、りょ、う……」
「……兄貴が心配なんだよ……すぐ逃げちまいそうで怖い……誰かにさらわれちまいそうで……」
 涼司は、去年の冬に僕と繋がって以来、よく弱気な台詞をこぼすようになった。それまでは自信家のイメージがあった弟が、突然変貌したように思えた。ただ、僕は忘れていただけなんだ。涼司は幼い頃から僕に甘えてばかりだったということを。
「なあ、兄貴……約束しろよ、絶対……」
「……何言ってんだ。お前以外とこんなことするわけない……当たり前だろ」
 荒い息の合間に呟く。身体が熱い。涼司と触れ合った部分が燃えている。
「僕は……お前以外、何もないんだから……今までも、これからも……」
「……そうだよな」
 涼司は、ホッとしたような、幸せそうな顔で微笑んだ。
「兄貴には、俺だけなんだよな」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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