和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>王子
解説
お人好しの新米編集者、悠里は帰り道、ひょんなことから金髪碧眼の美形……エドナンを拾ってしまう。下町の下宿屋。無一文だというエドナンと期間限定の奇妙な同居生活。留学生として日本に来たにしては、エドナンの生活感覚はゼロで……。そんな彼に悠里は次第に惹かれていく……。だが、ある日一台のリムジンが迎えに現れ……彼はなんと王子様! 国に帰ってしまうエドナンに悠里は……? 身分違い♪ ほろりギャップ愛☆
目次
王子様は庶民がお好き!
庶民は王子様にメロメロ
庶民は王子様にメロメロ
抄録
『あれは単なる同情で、ゆうが辛そうだから仕方なくやったんだ』
もしそう言われたら僕は潔くごめんと謝って、できるだけエドナンの負担にならないよう冗談ぽく、それでも助かったよと笑って言おう。
多少ぎこちなくなっても、それが残りわずかな日を気まずくならずに暮らす方法だと思うから。しかしエドナンの口からは、僕が予想もし得なかったことが紡がれた。
「俺はゆうが好きだ。たぶん初めて会った時から好きになっていた。だからずっと我慢してたんだ。だけど限界だった。どうしても抑えられなかった。悪かった、気持ち悪かったよな。本当はなにも言わずに去ろうとしたんだ……でも無理だった。好きになってしまった気持ちは抑えられなかった」
(うそ…今、なんて言った? 僕を好き…エドナンが…僕を……)
聞き間違いじゃないだろうか。
震えている、あのエドナンが……。
突然の告白に、僕は面食らう。
(ばか! なにやってんだよ。同じだろ、早く言えよ。自分もエドナンが好きなんだって。今日は本音でいくんだろ)
なにか言わなければ、そう思えば思うほど言葉が出てこない。ただ好きと言えばいいのに、それすらも声にならない。このままなにも言わないなんて、そんなのはいやだ。僕は勇気を振り絞って振り返った。
「……き、僕も、エド…が好き」
言った瞬間、顔が上げられなくなる。血液が全身を凄まじい速さで巡り、耳朶まで真っ赤になっているのが自分でもわかる。
「ゆう…本当に…」
確かめるように尋ねるエドナンに、僕は頷くことしかできない。
「嬉しい。こんな嬉しいことはないよ。キスしてもいいかな」
「ばか! いちいち訊くなって……恥ずかしいんだから」
「じゃあ、もう訊かないよ」
くすっと笑ったエドナンが指で俯く僕の顎を優しく持ち上げると、顔を近づけてくる。僕はぎゅと目を瞑りエドナンのキスを受け入れた。
上下の唇が交互に啄ばまれ、薄く開いた唇に唇が重ねられる。歯列を舌でなぞられ、ぞくぞくとした甘い疼きが腰の奥の方から沸き上がってくる。
「ゆう、もう少し口開いて。そう緊張しなくていいから、俺に身体を預けて」
*この続きは製品版でお楽しみください。
もしそう言われたら僕は潔くごめんと謝って、できるだけエドナンの負担にならないよう冗談ぽく、それでも助かったよと笑って言おう。
多少ぎこちなくなっても、それが残りわずかな日を気まずくならずに暮らす方法だと思うから。しかしエドナンの口からは、僕が予想もし得なかったことが紡がれた。
「俺はゆうが好きだ。たぶん初めて会った時から好きになっていた。だからずっと我慢してたんだ。だけど限界だった。どうしても抑えられなかった。悪かった、気持ち悪かったよな。本当はなにも言わずに去ろうとしたんだ……でも無理だった。好きになってしまった気持ちは抑えられなかった」
(うそ…今、なんて言った? 僕を好き…エドナンが…僕を……)
聞き間違いじゃないだろうか。
震えている、あのエドナンが……。
突然の告白に、僕は面食らう。
(ばか! なにやってんだよ。同じだろ、早く言えよ。自分もエドナンが好きなんだって。今日は本音でいくんだろ)
なにか言わなければ、そう思えば思うほど言葉が出てこない。ただ好きと言えばいいのに、それすらも声にならない。このままなにも言わないなんて、そんなのはいやだ。僕は勇気を振り絞って振り返った。
「……き、僕も、エド…が好き」
言った瞬間、顔が上げられなくなる。血液が全身を凄まじい速さで巡り、耳朶まで真っ赤になっているのが自分でもわかる。
「ゆう…本当に…」
確かめるように尋ねるエドナンに、僕は頷くことしかできない。
「嬉しい。こんな嬉しいことはないよ。キスしてもいいかな」
「ばか! いちいち訊くなって……恥ずかしいんだから」
「じゃあ、もう訊かないよ」
くすっと笑ったエドナンが指で俯く僕の顎を優しく持ち上げると、顔を近づけてくる。僕はぎゅと目を瞑りエドナンのキスを受け入れた。
上下の唇が交互に啄ばまれ、薄く開いた唇に唇が重ねられる。歯列を舌でなぞられ、ぞくぞくとした甘い疼きが腰の奥の方から沸き上がってくる。
「ゆう、もう少し口開いて。そう緊張しなくていいから、俺に身体を預けて」
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