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著者プロフィール
鹿能 リコ(かのう りこ)
北海道出身。東京都在住。9月23日生まれ。血液型O型。
北海道出身。東京都在住。9月23日生まれ。血液型O型。
解説
3年前、兄の友人・正治が家族旅行に同行した時から、肉体関係だけの相手としていいようにされてしまった昴。本心では嫌だったがずるずるとした関係が続いていた。しかし、突然正治が別れを言い出したことで、初めて自分の思いに向き合う昴。だが、最初の出会いのまずさが、しこりとなって……。
目次
第1話 14歳の栗の花
第2話 昂りの媚薬
第3話 期限付きの甘美な快楽
第4話 保健室での情事
第5話 あなたの心をください
第6話 口で、してほしい
第2話 昂りの媚薬
第3話 期限付きの甘美な快楽
第4話 保健室での情事
第5話 あなたの心をください
第6話 口で、してほしい
抄録
今から三年ほど前、俺が中学三年の夏休みのことだ。
我が家は毎年、家族全員で海辺の別荘に行くのを恒例にしていた。その旅行に、当時大学に入学したばかりの兄貴が同じテニスサークルの友人を連れてきたのだ。
「どうも、宮本正治です。家族水入らずのところ、お邪魔して申し訳ありません」
そうあいさつした正治は、今の俺とそうたいして違わない年だったが、ずいぶんと世なれた雰囲気が漂っていたように思う。
余裕と自信に満ちた挙措は、親父の経営する会社の重役連中と比べても見劣りしない。
気に食わないヤツだな。
そつのない笑顔と如才ない言葉に、瞬間的にそう思った。
しかし、そう感じたのは俺だけで、両親や妹の琴音も正治のことをすぐに気に入ったようであった。
特に琴音はまだ六年生だというのに、正治をかっこいいだの理想の王子様だの言い出して、いっぺんで夢中になっていた。
身内が言うのもなんだが、琴音はかなりの美少女だ。
それもあって琴音にまとわりつかれても正治は嫌な顔ひとつせず、にこやかに少女の熱い視線を受け止めていた。
俺はといえば、食事のときに顔を合わせるくらいで正治とは適当に距離を置いていた。
気に入らないというのもあったが、それ以上に正治と俺が交流を持つ機会がなかったのだ。
たとえばテニスのとき。正治の相手は兄貴か琴音がしていた。海に行けば水着の女がすぐに正治に群がる。そんな調子だ。
俺は、そもそも団体行動が苦手なタイプだったから、午前中海に行って泳いだ後はひとりで宿題をし、午後は読書か近くを適当に散歩、というふうにマイペースな日々を過ごしていたのだ。
そんなある日のことだった。
庭の木陰でラウンジベッドに寝転がり読書をしていた。そこへ、テニスウェア姿の正治が近づいてきた。
「昴くん、読書かい?」
「……はい」
声をかけられ、俺は渋々本から顔をあげた。
昼食の際、正治と兄貴、琴音の三人は別荘の裏にあるテニスコートでテニスをすると言っていた。俺も誘われたが、どうしてもこの本を読みたかったので断っていた。
「何か用ですか?」
「奎と琴音ちゃんが打ち合ってるから、あぶれた俺は休憩ってところかな」
「……そうですか」
夏の日差しを浴びながら、正治が人好きのする笑顔を浮かべた。そうしてラウンジベッドに腰を下ろす。
「これ、もらうよ」
正治が、木製のテーブルの上に置いてあったレモネードのグラスを指さす。
「どうぞ」
よほど喉が渇いていたのか、正治は一息にグラスを空にした。それでも足りないのかピッチャーに入ったレモネードを注ぎ足し、口をつける。
なんとなくその様子を見ていると、『飲む?』とグラスを掲げて正治が聞いてきた。
「いえ」
「……間接キスより直接キスする方がいいかな」
「え?」
何を言ってるんだ、と思ったときには正治の顔がすぐ近くまで迫っていた。
日差しが陰り、蝉の音が鬱陶しいほど大きく聞こえた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
我が家は毎年、家族全員で海辺の別荘に行くのを恒例にしていた。その旅行に、当時大学に入学したばかりの兄貴が同じテニスサークルの友人を連れてきたのだ。
「どうも、宮本正治です。家族水入らずのところ、お邪魔して申し訳ありません」
そうあいさつした正治は、今の俺とそうたいして違わない年だったが、ずいぶんと世なれた雰囲気が漂っていたように思う。
余裕と自信に満ちた挙措は、親父の経営する会社の重役連中と比べても見劣りしない。
気に食わないヤツだな。
そつのない笑顔と如才ない言葉に、瞬間的にそう思った。
しかし、そう感じたのは俺だけで、両親や妹の琴音も正治のことをすぐに気に入ったようであった。
特に琴音はまだ六年生だというのに、正治をかっこいいだの理想の王子様だの言い出して、いっぺんで夢中になっていた。
身内が言うのもなんだが、琴音はかなりの美少女だ。
それもあって琴音にまとわりつかれても正治は嫌な顔ひとつせず、にこやかに少女の熱い視線を受け止めていた。
俺はといえば、食事のときに顔を合わせるくらいで正治とは適当に距離を置いていた。
気に入らないというのもあったが、それ以上に正治と俺が交流を持つ機会がなかったのだ。
たとえばテニスのとき。正治の相手は兄貴か琴音がしていた。海に行けば水着の女がすぐに正治に群がる。そんな調子だ。
俺は、そもそも団体行動が苦手なタイプだったから、午前中海に行って泳いだ後はひとりで宿題をし、午後は読書か近くを適当に散歩、というふうにマイペースな日々を過ごしていたのだ。
そんなある日のことだった。
庭の木陰でラウンジベッドに寝転がり読書をしていた。そこへ、テニスウェア姿の正治が近づいてきた。
「昴くん、読書かい?」
「……はい」
声をかけられ、俺は渋々本から顔をあげた。
昼食の際、正治と兄貴、琴音の三人は別荘の裏にあるテニスコートでテニスをすると言っていた。俺も誘われたが、どうしてもこの本を読みたかったので断っていた。
「何か用ですか?」
「奎と琴音ちゃんが打ち合ってるから、あぶれた俺は休憩ってところかな」
「……そうですか」
夏の日差しを浴びながら、正治が人好きのする笑顔を浮かべた。そうしてラウンジベッドに腰を下ろす。
「これ、もらうよ」
正治が、木製のテーブルの上に置いてあったレモネードのグラスを指さす。
「どうぞ」
よほど喉が渇いていたのか、正治は一息にグラスを空にした。それでも足りないのかピッチャーに入ったレモネードを注ぎ足し、口をつける。
なんとなくその様子を見ていると、『飲む?』とグラスを掲げて正治が聞いてきた。
「いえ」
「……間接キスより直接キスする方がいいかな」
「え?」
何を言ってるんだ、と思ったときには正治の顔がすぐ近くまで迫っていた。
日差しが陰り、蝉の音が鬱陶しいほど大きく聞こえた。
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