和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>兄弟
あなたのそばにいるだけで
著: 森本あき発行: フロンティアワークス
レーベル: ダリア文庫e シリーズ: あなたのそばにシリーズ
価格:630円(税込)
10ポイント還元
形式:
⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
⇒詳細 みんなの評価 ★★★★☆(4)
◆レビューを書く
著者プロフィール
森本 あき(もりもと あき)
山口県出身。東京都在住。9月26日生まれ。血液型O型。
山口県出身。東京都在住。9月26日生まれ。血液型O型。
解説
高校3年生の理英は、父親の再婚でクラスメイトの順之と義理の兄弟になる。文武両道で人当たりも良い順之と友達になりたかった理英は、これで順之と仲良くなれると喜ぶ。しかし、何故か順之は理英にだけ冷たくて……。そんなある日、両親が新婚旅行に行くため、二人っきりで一週間を過ごすことになるが!? シリーズ第1弾!! ピュアLOVEストーリー☆
※ 本文にイラストは含まれていません。
※ 本文にイラストは含まれていません。
目次
あなたのそばにいるだけで
あなたがそばにいるだけで
順之の策略
あとがき
あなたがそばにいるだけで
順之の策略
あとがき
抄録
「仲良く、する気なんかないから」
「分かってるよ」
理英はうなずいた。そんなの、最初から分かってる。あんなことされて、仲良くしてもらえるなんて、思うはずがない。
「でも、仲良しごっこはするんだろ? だったら、俺もそれに参加して、何が悪い?」
初めて言葉を失った順之を見て、もっと嬉しくなってもいいはずなのに。
やっぱり、胸が痛い。最近は、胸が痛いことが多くて困ってしまう。
「きみには、興味がない、と言った」
「俺は、おまえに興味がある」
理英は言い切る。
「あの学校で、おまえに興味がないやつなんていない。俺は、仲良くしたかった。友達になりたかった。でも、おまえがいやだって言うのなら、それでいい。でも、仲良しごっこは、俺もつきあう。かつみさんも父さんも、困らせたくない」
「友達?」
いつものように、冷静な声。
「そんなもの、なりたくないよ」
「だから、いいって言ってる」
「じゃあ、こうしよう」
順之はにっこりと笑った。みんなに向ける温かい笑顔ではなく、凍りつきそうな、冷たいそれに、思わず理英はあとずさる。
「家族でいるときには、ぼくはきみに優しくする。精いっぱい、ね。きみも、友達みたいにしてくれていい。そうだ。名前で呼び合うことにしよう。さっき、きみが言ったみたいに。だけど、それ以外のときは、なるべく顔を合わせないように、合わせたとしても、お互いいないかのようにふるまうっていうのは、どうだろうか」
どうして、そこまでしなければならないのか。
そんなに、自分のことがいやなのか。
そう思ったけれど、言葉には出さなかった。ここで言ったところで、肯定されるに決まっている。
「それで、かまわない」
「それじゃあ、そういうことで」
あっさりと、もう理英に興味なんかない様子で、順之は踵を返した。その背に、理英は声をかける。
「今日、何で俺のこと見てたの?」
「今日?」
いぶかしげな様子の順之に、理英は続ける。
「休み時間。目が合っただろ」
「ああ、あれね」
順之はしばらく考えて、それから振り返った。
「男に、かわいい、とか騒がれていい気になってるのが、本当に自分の兄になったのかと思ったら、なげかわしくて、つい見てしまっただけだ」
「いい気になったことなんて、ない」
「だったら、どうして、いつもあの連中が周りにいるんだ? きみが本当はいやがってない証拠だろ?」
「別にいやじゃない。どうせ、あれ、冗談だし」
「へえ、そう思ってるのか」
順之はバカにしたように理英を見下ろした。
「だったら、そのうち、痛い目にあって分かるんだろうね。連中が、本気だってこと」
「痛い目、って?」
「知らないわけないだろ? 男だってね、犯されることは、あるんだよ」
はっきりと区切りながらそう言うと、順之は理英の顎に手をかけた。
「きみはこれだけ小さいんだから、力だって弱い。ぼくの手だって、振り払えないだろ?」
きっと、いやがらせなのだ。ああやって、自分たちが騒いでいるのが気に入らないから。
いや、そうじゃなくて。
自分の存在が、気に入らないから。
こうやって、わざわざ不安をあおるようなことをするのだ。
あいつらは、毎週のようにナンパに行き、コンパをし、そこでひっかけた女の子たちとさんざん遊んでいる。学校にいる間は女の子がいないから、自分をからかっているだけなのだ。
けれど、そう言ったところで、また何か言うに決まっている。
理英は黙って、順之の手を外そうとした。そんなに力を込めていないようなのに、全然外れない。笑いながら、順之の顔が近づいてきた。
「ほら、こうやって顎を捕らえたら、キスするのだって簡単なんだよ」
横を向こうにも、手を外そうにも、どっちもできない。
「外してみなよ。じゃないと、キスするよ」
「する気なんか、ないくせにっ…」
息が苦しい。喉なんか、押さえられてないのに。
「する気ない、って、どうして分かる?」
言った途端、口を塞がれていた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「分かってるよ」
理英はうなずいた。そんなの、最初から分かってる。あんなことされて、仲良くしてもらえるなんて、思うはずがない。
「でも、仲良しごっこはするんだろ? だったら、俺もそれに参加して、何が悪い?」
初めて言葉を失った順之を見て、もっと嬉しくなってもいいはずなのに。
やっぱり、胸が痛い。最近は、胸が痛いことが多くて困ってしまう。
「きみには、興味がない、と言った」
「俺は、おまえに興味がある」
理英は言い切る。
「あの学校で、おまえに興味がないやつなんていない。俺は、仲良くしたかった。友達になりたかった。でも、おまえがいやだって言うのなら、それでいい。でも、仲良しごっこは、俺もつきあう。かつみさんも父さんも、困らせたくない」
「友達?」
いつものように、冷静な声。
「そんなもの、なりたくないよ」
「だから、いいって言ってる」
「じゃあ、こうしよう」
順之はにっこりと笑った。みんなに向ける温かい笑顔ではなく、凍りつきそうな、冷たいそれに、思わず理英はあとずさる。
「家族でいるときには、ぼくはきみに優しくする。精いっぱい、ね。きみも、友達みたいにしてくれていい。そうだ。名前で呼び合うことにしよう。さっき、きみが言ったみたいに。だけど、それ以外のときは、なるべく顔を合わせないように、合わせたとしても、お互いいないかのようにふるまうっていうのは、どうだろうか」
どうして、そこまでしなければならないのか。
そんなに、自分のことがいやなのか。
そう思ったけれど、言葉には出さなかった。ここで言ったところで、肯定されるに決まっている。
「それで、かまわない」
「それじゃあ、そういうことで」
あっさりと、もう理英に興味なんかない様子で、順之は踵を返した。その背に、理英は声をかける。
「今日、何で俺のこと見てたの?」
「今日?」
いぶかしげな様子の順之に、理英は続ける。
「休み時間。目が合っただろ」
「ああ、あれね」
順之はしばらく考えて、それから振り返った。
「男に、かわいい、とか騒がれていい気になってるのが、本当に自分の兄になったのかと思ったら、なげかわしくて、つい見てしまっただけだ」
「いい気になったことなんて、ない」
「だったら、どうして、いつもあの連中が周りにいるんだ? きみが本当はいやがってない証拠だろ?」
「別にいやじゃない。どうせ、あれ、冗談だし」
「へえ、そう思ってるのか」
順之はバカにしたように理英を見下ろした。
「だったら、そのうち、痛い目にあって分かるんだろうね。連中が、本気だってこと」
「痛い目、って?」
「知らないわけないだろ? 男だってね、犯されることは、あるんだよ」
はっきりと区切りながらそう言うと、順之は理英の顎に手をかけた。
「きみはこれだけ小さいんだから、力だって弱い。ぼくの手だって、振り払えないだろ?」
きっと、いやがらせなのだ。ああやって、自分たちが騒いでいるのが気に入らないから。
いや、そうじゃなくて。
自分の存在が、気に入らないから。
こうやって、わざわざ不安をあおるようなことをするのだ。
あいつらは、毎週のようにナンパに行き、コンパをし、そこでひっかけた女の子たちとさんざん遊んでいる。学校にいる間は女の子がいないから、自分をからかっているだけなのだ。
けれど、そう言ったところで、また何か言うに決まっている。
理英は黙って、順之の手を外そうとした。そんなに力を込めていないようなのに、全然外れない。笑いながら、順之の顔が近づいてきた。
「ほら、こうやって顎を捕らえたら、キスするのだって簡単なんだよ」
横を向こうにも、手を外そうにも、どっちもできない。
「外してみなよ。じゃないと、キスするよ」
「する気なんか、ないくせにっ…」
息が苦しい。喉なんか、押さえられてないのに。
「する気ない、って、どうして分かる?」
言った途端、口を塞がれていた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
本の情報
形式
【XMDF形式】
XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアはここから無料でダウンロードできます。
詳しくはブンコビューアダウンロード初めての方へをご覧下さい。
対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。
































