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著者プロフィール
桜井 哉々子(さくらい かやこ)
生まれてこのかた東日本にしか住んだことのない生粋の東日本人です。出身地方言で話せますが、創作にはほとんど利用できないのが残念……。燃料は着るものと甘いものと犬! 本と音楽は日常生活の必須アイテムです。一人ドライブがわりと好き。
生まれてこのかた東日本にしか住んだことのない生粋の東日本人です。出身地方言で話せますが、創作にはほとんど利用できないのが残念……。燃料は着るものと甘いものと犬! 本と音楽は日常生活の必須アイテムです。一人ドライブがわりと好き。
解説
編集者の春雪は、自宅にいたところを複数の男達に拉致され、瀬戸内海のある島へと連れていかれる。島と因縁があるという春雪には、古い風習に従い、そこで引き合わされた島の中心的存在で事業家の守嶋兄弟と九十九日間ともに暮らしたのち、どちらと結婚するかを決めてもらうという。一方的な話に春雪は反発するも、島のために男との結婚も厭わないと言い切る守嶋兄弟に持ち前の編集者魂が疼いてしまい、取材がてらしばらく成り行きにまかせることに――クールでとっつきにくい兄の一隆に、人懐こい弟の隆次。タイプは違うが堅い絆で結ばれ、島の繁栄のため奮闘する二人の姿に春雪は次第に惹かれていく。そんな折り、春雪に愛を伝えてきたのは……。
目次
しきたりの婚礼――巫女嫁の婿えらび――
抄録
「春雪。訊きたいことがある」
「なに?」
振り向くと、一隆はなぜか厳しい視線で俺を見ていた。
俺は目をまたたいた。一体なんだ?俺、なにかしたか?
「仕事のこと?」
「いや、違う」
じゃ、プライベートか。……なんだ?
「春雪。おまえは──もう隆次とは寝たのか?」
「!?」
予想外の言葉に、目を見開いて大急ぎで否定した。
「なんで!?まさか!」
「そうか……。ならば、キスはしたか?」
「えっ?……いやっ……、それは──」
「したんだな。──なるほど、隆次の言っていたことは本当だったか」
「か、一隆……」
隆次の奴、そんなこと一隆に報告したのか!?
でもあれは、隙をつかれてのキスで……そもそも合意のうえじゃないし──一隆が多分想像しているような状況じゃなくて……。
それなのに、なんだよ……?
なんでそんな目で俺のこと見るんだよ?
「春雪」
「──」
俺は悪いことなんかしてない。
「春雪、目を閉じろ。隆次のしたことなら、俺もさせてもらう。あいつに水をあけられたままでいるつもりはない」
「え……?」
それってどういうこと……?
それって……。
混乱する俺との距離をぐいと縮め、一隆は少し乱暴に俺の腕をつかんだ。
あ、と思う間もなく、抱きしめられ、唇が重ねられた。
思わず目を閉じた。
半端な体温。
背中にまわされた腕に力がこもる。
唇を吸われる。
感触が気持ちよくて、応えるように口を開けてしまった。そこから 舌が入り込んできた。
首の後ろがゾクッとした。
身を引こうとしても、がっちり捉まえられていて叶わない。
なのにキスは気持ちがいい。
ほとんど無意識のうちに、舌に舌を絡めていた。
身長差のせいで、顔が上を向く。
口の中に溜まった唾液を嚥下した。
腕はゆるめられず、口づけはなお深くなる。
俺と一隆は、互いの口唇をむさぼるように、自分たちの行為に夢中になった。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「なに?」
振り向くと、一隆はなぜか厳しい視線で俺を見ていた。
俺は目をまたたいた。一体なんだ?俺、なにかしたか?
「仕事のこと?」
「いや、違う」
じゃ、プライベートか。……なんだ?
「春雪。おまえは──もう隆次とは寝たのか?」
「!?」
予想外の言葉に、目を見開いて大急ぎで否定した。
「なんで!?まさか!」
「そうか……。ならば、キスはしたか?」
「えっ?……いやっ……、それは──」
「したんだな。──なるほど、隆次の言っていたことは本当だったか」
「か、一隆……」
隆次の奴、そんなこと一隆に報告したのか!?
でもあれは、隙をつかれてのキスで……そもそも合意のうえじゃないし──一隆が多分想像しているような状況じゃなくて……。
それなのに、なんだよ……?
なんでそんな目で俺のこと見るんだよ?
「春雪」
「──」
俺は悪いことなんかしてない。
「春雪、目を閉じろ。隆次のしたことなら、俺もさせてもらう。あいつに水をあけられたままでいるつもりはない」
「え……?」
それってどういうこと……?
それって……。
混乱する俺との距離をぐいと縮め、一隆は少し乱暴に俺の腕をつかんだ。
あ、と思う間もなく、抱きしめられ、唇が重ねられた。
思わず目を閉じた。
半端な体温。
背中にまわされた腕に力がこもる。
唇を吸われる。
感触が気持ちよくて、応えるように口を開けてしまった。そこから 舌が入り込んできた。
首の後ろがゾクッとした。
身を引こうとしても、がっちり捉まえられていて叶わない。
なのにキスは気持ちがいい。
ほとんど無意識のうちに、舌に舌を絡めていた。
身長差のせいで、顔が上を向く。
口の中に溜まった唾液を嚥下した。
腕はゆるめられず、口づけはなお深くなる。
俺と一隆は、互いの口唇をむさぼるように、自分たちの行為に夢中になった。
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