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著者プロフィール
剛 しいら(ごう しいら)
東京都出身。千葉県在住。6月9日生まれ。血液型A型。
東京都出身。千葉県在住。6月9日生まれ。血液型A型。
解説
19世紀の終わり、父の死により候爵となり、膨大な資産を受け継いだアーネストの元にある日、かつての同級生・ダニエルが訪ねてくる。なんと彼はアーネストの父の愛人だと名乗り、ダイヤモンド採掘の出資を求めに来たのだ。ダニエルの周りを惹きつけるが、どこか危険な雰囲気に警戒するアーネストだが、自分の事も欲しいというダニエルに幾度もキスを許してしまい……。
※ 本文にイラストは含まれていません。
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目次
煌めきは貴族を陥れる
あとがき
あとがき
抄録
「だから何だ。人間の欲望ってやつは、単純に年齢で判断出来るものじゃない。侯爵は長年の夢を叶えたがっていた。体に多少の無理をしても、楽しみたかったんだろう」
ダニエルはそこで出て行こうとした。
アーネストは狼狽える。本当に父がそんな愚かなことをしていたとしたら大事だ。ダニエルのこの自信たっぷりの様子からしたら、あるいは何か証拠となるようなものを握っているのかもしれない。
「二十歳でインドに渡り、六年掛けて、苦労して掘り出した最初の一粒だ。侯爵に見せたかったよ。それを手に入れるのに、俺は何度も命を失いそうになったが……」
ダニエルは立ち止まり、さりげなく上着のポケットに手を入れる。ダイヤモンドはまだテーブルの上だと気が付いて、アーネストは思わず叫んでしまった。
「忘れ物だ」
「それが偽物かどうか、鑑定に回すといい。こっちには共同事業者として、侯爵のサイン入り書類がある。場合によっては、訴訟も覚悟してくれ」
淡々と言われて、アーネストは内心大いに慌てた。何だかダニエルの話が本当なのではないかと思えてきたのだ。
「その書類を見せて欲しい」
「嫌だね。俺はゲスト扱いもされていない、追い出したい客なんだろ? 侯爵が生きていれば、愛人というより、共同事業者として、きちんとした扱いをしてくれただろうにな」
「その……どういうことなのか、詳しく聞きたい。よければ、部屋を提供する。もう一度、最初から詳しく説明してくれないだろうか」
「ああ……いいとも」
そこでダニエルは、にやっと笑ってアーネストに近づいてきて、握手の手を差し伸べた。
「やっと話が通じる状態になったな」
「……まだ金の話には応じられないかもしれない。それでもよければアッカーソン卿……。インドで、何度も命を失いそうになった話でも聞かせてくれ。ただし、他の弟妹や使用人の前で、父の話はしないで欲しい」
「もちろんだ。俺も侯爵にはよくしてもらった。彼の大切な息子であるアーネストを、苦しめるようなことは決してしないと約束するよ」
ダニエルはアーネストの手を握ってきた。けれど握手の手はそのまま強く引き寄せられ、アーネストはダニエルにしっかりと抱き締められていた。
「! ……離したまえ。紳士的な行為ではない」
「親愛の情を示しただけだ。だが……そんなところも侯爵にそっくりだな。ハグだけで狼狽えるなんて」
ぱっとダニエルは、アーネストを抱き締めていた腕を大きく開く。
そして笑った。アーネストを見て笑ったのだ。
これは屈辱だ。屈辱以外の何ものでもない。
*この続きは製品版でお楽しみください。
ダニエルはそこで出て行こうとした。
アーネストは狼狽える。本当に父がそんな愚かなことをしていたとしたら大事だ。ダニエルのこの自信たっぷりの様子からしたら、あるいは何か証拠となるようなものを握っているのかもしれない。
「二十歳でインドに渡り、六年掛けて、苦労して掘り出した最初の一粒だ。侯爵に見せたかったよ。それを手に入れるのに、俺は何度も命を失いそうになったが……」
ダニエルは立ち止まり、さりげなく上着のポケットに手を入れる。ダイヤモンドはまだテーブルの上だと気が付いて、アーネストは思わず叫んでしまった。
「忘れ物だ」
「それが偽物かどうか、鑑定に回すといい。こっちには共同事業者として、侯爵のサイン入り書類がある。場合によっては、訴訟も覚悟してくれ」
淡々と言われて、アーネストは内心大いに慌てた。何だかダニエルの話が本当なのではないかと思えてきたのだ。
「その書類を見せて欲しい」
「嫌だね。俺はゲスト扱いもされていない、追い出したい客なんだろ? 侯爵が生きていれば、愛人というより、共同事業者として、きちんとした扱いをしてくれただろうにな」
「その……どういうことなのか、詳しく聞きたい。よければ、部屋を提供する。もう一度、最初から詳しく説明してくれないだろうか」
「ああ……いいとも」
そこでダニエルは、にやっと笑ってアーネストに近づいてきて、握手の手を差し伸べた。
「やっと話が通じる状態になったな」
「……まだ金の話には応じられないかもしれない。それでもよければアッカーソン卿……。インドで、何度も命を失いそうになった話でも聞かせてくれ。ただし、他の弟妹や使用人の前で、父の話はしないで欲しい」
「もちろんだ。俺も侯爵にはよくしてもらった。彼の大切な息子であるアーネストを、苦しめるようなことは決してしないと約束するよ」
ダニエルはアーネストの手を握ってきた。けれど握手の手はそのまま強く引き寄せられ、アーネストはダニエルにしっかりと抱き締められていた。
「! ……離したまえ。紳士的な行為ではない」
「親愛の情を示しただけだ。だが……そんなところも侯爵にそっくりだな。ハグだけで狼狽えるなんて」
ぱっとダニエルは、アーネストを抱き締めていた腕を大きく開く。
そして笑った。アーネストを見て笑ったのだ。
これは屈辱だ。屈辱以外の何ものでもない。
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