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著者プロフィール
水島 忍(みずしま しのぶ)
2月3日生まれ。水瓶座。O型。福岡県出身。
パピヨン(犬)の小悪魔っぷりに参ってます。イタズラっ子で甘えん坊で気まぐれ。時々、小首を左右に二度かしげて愛らしさをアピール。もう可愛くてたまらない!
2月3日生まれ。水瓶座。O型。福岡県出身。
パピヨン(犬)の小悪魔っぷりに参ってます。イタズラっ子で甘えん坊で気まぐれ。時々、小首を左右に二度かしげて愛らしさをアピール。もう可愛くてたまらない!
解説
修学旅行の肝試しで女の幽霊に取り憑かれた谷村宗太は、幽霊に身体を乗っ取られ、クラスメイトの諏訪崇史にキスしてしまう。諏訪は頭も顔もいいモテ男だが、宗太にだけはいつもイジワル。だから当然反発されるだろうと思いきや、なぜか諏訪はそのキスを受け入れた! さらに諏訪は、その後も宗太にラブな猛攻をしかけてきて……!? 幽霊が媒介する、高校生同士のピュアラブストーリー。
目次
憑いてる純愛
あとがき
あとがき
抄録
諏訪は制服をジャージに着替えるでもなく、もちろん布団で寝るでもなく、まだじっと宗太の顔を見つめている。
あまり見られていると、照れてくる。少し熱を出しただけで、それほどの重病人というわけでもないのに、横で付き添ってもらうのは変だと思ったのだ。
「いや、だからさ……さっさと寝ろよ。具合、悪いんだろう?」
諏訪は小さな溜息をついた。
「おまえ、昨夜も突然倒れたし、実は身体がどこか悪いなんてことは……」
「ないない! こんなの、ただの風邪だ」
倒れた理由ははっきりしている。幽霊に腕を掴まれたのだ。失神してもおかしくはなかった。
「それならいいが……」
諏訪は疑うような眼差しを向ける。百歩譲って、宗太の身体に重大な病気が隠されていたとしても、諏訪には関係ないだろうと思うのだが。
どうして諏訪がそんなに宗太の体調にこだわるのか、さっぱり判らなかった。
「ひょっとして……おまえ、心配性?」
「そうかもしれない」
宗太はちょっと笑った。
「でも、別にオレの心配なんかしなくていいさ」
諏訪とは仲が悪いのだから、それが当たり前だ。
そう思いながらも、ふと宗太は前に同じようなことがあったのを思い出した。あれは子供の頃のことだ。諏訪と同じ名前の崇史が、熱を出した宗太を見舞ってくれたことがある。あのときも目を開けたら、崇史が心配そうに宗太の顔を覗き込んでいて……。
宗太は思わずクスッと笑った。
それを見ていた諏訪の眉がピクリと動いた。
「何がおかしいんだ?」
「あ、いや……思い出し笑いだ。前に言っただろ? おまえと同じ名前で、おまえと顔が似てる奴。そいつが今のおまえみたいに、病気で休んだオレを見舞いに来てくれたことがあるんだよ」
それを聞いた諏訪は、いつものようにシニカルな笑みを口元に浮かべた。
「そんな話はどうでもいい。俺には関係ないからな」
それこそいつもの諏訪だった。だが、また前と同じように自分にだけ心を閉ざすのかと思ったら、宗太は急に悲しくなった。今日の諏訪は宗太に対して少し優しいと感じていた反動もある。
だいたい、どうして宗太にだけ諏訪は意地悪をするのだろう。宗太が弄りやすかったとしても、一人だけ態度を変えられるのは嫌だった。
何故なら、諏訪は崇史に似ていたから。崇史と同じ名前で、宗太の記憶をいつも刺激する存在だから、彼が自分にだけ意地悪なのは余計に悲しいのだ。
「オレにとっては……大事な思い出なんだよっ」
宗太は起き上がると、諏訪の胸倉を掴んでいた。
胸が痛い。傷ついているからだ。
ズキンと胸が痛んだかと思うと、その格好のまま、突然、身体が凍りついたように動かなくなった。
え……ちょっと待てよ。
これは現実だよな? 夢じゃないよな?
そう思うのに、身体が自分の自由にならない。動かそうとしても、重くて動かせなかった。
いや、オレはまだ夢を見ているのかも……?
夢の中なら判る。自分の自由にはならないから。
不意に、身体が何かに操られているかのように、スッと勝手に動いた。宗太がしようと思っていない動きだ。身体が前へと傾いていく。
宗太の目線の先には諏訪の顔がある。このまま身体が前に傾いたら、顔と顔がくっついてしまう。だが、宗太にはそれを止めることもできなければ、諏訪に何か言うこともできない。
う、嘘……。
せめて諏訪が退いてくれればいいのに、ただ驚いたように目を見開いているだけだった。スローモーションのように、宗太はそれを見ていたが、やがて顔がくっついてしまった。
いや、正確に言うと、唇が重なっていた。
その瞬間、身体の自由が戻る。宗太は凄い勢いで身体を離した。
顔が急に熱くなる。諏訪は驚いた顔をして固まっていた。
「い……今のは……」
どう言い訳すればいいのだろう。宗太はパニックになっていて、何も言い訳が思いつかなかった。
だから、真っ赤な顔をしたまま布団の中に潜り込んだ。
オレはなんてことをしたんだ……!
男にキスなんて。
しかも、諏訪にキスなんて。
絶対、あり得ないことなのに、やってしまった。
身体が勝手に動いたのが悪いと言いたいが、そんな言い訳を諏訪が信じるとは思えなかった。いや、言い訳ではなく、真実なのだが。
頭の中がぐるぐると回っている。これはきっと熱のせいだ。そうに違いない。下がったとはいえ、まだ影響が残っていたのだ。
*この続きは製品版でお楽しみください。
あまり見られていると、照れてくる。少し熱を出しただけで、それほどの重病人というわけでもないのに、横で付き添ってもらうのは変だと思ったのだ。
「いや、だからさ……さっさと寝ろよ。具合、悪いんだろう?」
諏訪は小さな溜息をついた。
「おまえ、昨夜も突然倒れたし、実は身体がどこか悪いなんてことは……」
「ないない! こんなの、ただの風邪だ」
倒れた理由ははっきりしている。幽霊に腕を掴まれたのだ。失神してもおかしくはなかった。
「それならいいが……」
諏訪は疑うような眼差しを向ける。百歩譲って、宗太の身体に重大な病気が隠されていたとしても、諏訪には関係ないだろうと思うのだが。
どうして諏訪がそんなに宗太の体調にこだわるのか、さっぱり判らなかった。
「ひょっとして……おまえ、心配性?」
「そうかもしれない」
宗太はちょっと笑った。
「でも、別にオレの心配なんかしなくていいさ」
諏訪とは仲が悪いのだから、それが当たり前だ。
そう思いながらも、ふと宗太は前に同じようなことがあったのを思い出した。あれは子供の頃のことだ。諏訪と同じ名前の崇史が、熱を出した宗太を見舞ってくれたことがある。あのときも目を開けたら、崇史が心配そうに宗太の顔を覗き込んでいて……。
宗太は思わずクスッと笑った。
それを見ていた諏訪の眉がピクリと動いた。
「何がおかしいんだ?」
「あ、いや……思い出し笑いだ。前に言っただろ? おまえと同じ名前で、おまえと顔が似てる奴。そいつが今のおまえみたいに、病気で休んだオレを見舞いに来てくれたことがあるんだよ」
それを聞いた諏訪は、いつものようにシニカルな笑みを口元に浮かべた。
「そんな話はどうでもいい。俺には関係ないからな」
それこそいつもの諏訪だった。だが、また前と同じように自分にだけ心を閉ざすのかと思ったら、宗太は急に悲しくなった。今日の諏訪は宗太に対して少し優しいと感じていた反動もある。
だいたい、どうして宗太にだけ諏訪は意地悪をするのだろう。宗太が弄りやすかったとしても、一人だけ態度を変えられるのは嫌だった。
何故なら、諏訪は崇史に似ていたから。崇史と同じ名前で、宗太の記憶をいつも刺激する存在だから、彼が自分にだけ意地悪なのは余計に悲しいのだ。
「オレにとっては……大事な思い出なんだよっ」
宗太は起き上がると、諏訪の胸倉を掴んでいた。
胸が痛い。傷ついているからだ。
ズキンと胸が痛んだかと思うと、その格好のまま、突然、身体が凍りついたように動かなくなった。
え……ちょっと待てよ。
これは現実だよな? 夢じゃないよな?
そう思うのに、身体が自分の自由にならない。動かそうとしても、重くて動かせなかった。
いや、オレはまだ夢を見ているのかも……?
夢の中なら判る。自分の自由にはならないから。
不意に、身体が何かに操られているかのように、スッと勝手に動いた。宗太がしようと思っていない動きだ。身体が前へと傾いていく。
宗太の目線の先には諏訪の顔がある。このまま身体が前に傾いたら、顔と顔がくっついてしまう。だが、宗太にはそれを止めることもできなければ、諏訪に何か言うこともできない。
う、嘘……。
せめて諏訪が退いてくれればいいのに、ただ驚いたように目を見開いているだけだった。スローモーションのように、宗太はそれを見ていたが、やがて顔がくっついてしまった。
いや、正確に言うと、唇が重なっていた。
その瞬間、身体の自由が戻る。宗太は凄い勢いで身体を離した。
顔が急に熱くなる。諏訪は驚いた顔をして固まっていた。
「い……今のは……」
どう言い訳すればいいのだろう。宗太はパニックになっていて、何も言い訳が思いつかなかった。
だから、真っ赤な顔をしたまま布団の中に潜り込んだ。
オレはなんてことをしたんだ……!
男にキスなんて。
しかも、諏訪にキスなんて。
絶対、あり得ないことなのに、やってしまった。
身体が勝手に動いたのが悪いと言いたいが、そんな言い訳を諏訪が信じるとは思えなかった。いや、言い訳ではなく、真実なのだが。
頭の中がぐるぐると回っている。これはきっと熱のせいだ。そうに違いない。下がったとはいえ、まだ影響が残っていたのだ。
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