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極道は湯けむりの中で恋をする

極道は湯けむりの中で恋をする


発行: キリック
レーベル: シフォンノベルズ
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆13
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著者プロフィール

 朝日奈 れん(あさひな れん)
 乙女座のAB型。

解説

 美しい容貌と氷の如く眼を持つ鵜城組の頭脳・鵜城芳文は、ヤクザの家に生まれながら家業を嫌厭し、青年実業家として順調な道を歩んでいた。組長である父が折れ、ついに組を抜けることが許された芳文は、置き土産として傾きかけた銭湯の土地買収を任される。そのシゴトは、芳文にとって実に容易いはずだった。……番台の青年・陸人に一目惚れするまでは。しかも、ベッドの相手には不自由したことのない芳文だったが、これまで本気で人を好きになったことがなく、その感情が恋であると気づいていなくて!?
 銭湯ではじまるコワモテ純情(?)系ヤクザのファースト・ラブ☆
※こちらの作品にはイラストが収録されていません。

抄録

「入浴、したいのだが」
銭湯に来てやることといえば、本来はそれしかなかろう。
けれど見るからに高級なオーダースーツに身を包んだ男と、昭和を彷彿とさせるレトロな福の湯とでは、いかにも不釣合い。
番台の上の陸人が、面食らったふうな表情を見せる。
だがそれ以上に驚いたのは、芳史自身だった。この期に及んで、なぜ銭湯に浸からねばならないのか──。
「あ、はい。ええっと、大人は四五十円になります」
一瞬早く気を取り直した陸人が、料金の説明に入る。
「タオルや石鹸は別売りになりますが、かまわないでしょうか」
ブリーフケースしか持っていない芳史に、そう言葉を継ぐ。
「ああ、もらおう」
ほとんど条件反射的に答えてしまう。
「シャンプーやリンス、カミソリはどうします?」
「つけてくれ。いや、カミソリは要らない」
何をやっているんだ俺はと首を傾げたい気持ちとは裏腹に、着々と入浴セットを買い揃えていく。
「そうしますと、全部で八三十円になります」
合計金額まで話が進み、芳史は仕方がないと観念する。どうした気の迷いか知らないが、入浴すると言い出したのは自分だ。
スーツのポケットから財布を取り出し……。
「支払いはこれで頼む」
いつもの癖でブラックカードを提示する。
目の前の青年の顔が引き攣り、これはいったい何の嫌がらせですか状態になっていることには気づかずに。
「あの……申しわけないんですが。うち、カードは取り扱っていないもので。できましたら現金で払っていただけると、ありがたいんですけど……」
困惑ぎみの言葉に、ようやくそれが場違いだったと悟らされる。
「ああ、悪い。ではこれで」
そして見事に、新たな墓穴を掘った。
芳史が差し出したのは、折り目ひとつないまっさらな一万円札。
「あの、重ね重ねで大変申しわけないんですけど。できれば小銭か千円札で……」
陸人の困惑が、さらに深まる。
近所の常連ばかりが通う福の湯で万札を出す客はいない。だからつり銭として用意してあるのは硬貨のみ。それでも、千円札で支払う客が多い日ならばどうにかなっただろう。
だがあいにく、この日はレジに千円紙幣は五枚しか入っていなかった。
となれば、九千百七十円の釣りから五千円を差し引いた、残り四千百七十円分は硬貨での返金となってしまう。
いや、それはいくらなんでもちょっとね……。
ここは正直に事情を話して謝り、納得してもらうか、もしくはお引き取り願うしかない。
陸人の説明に、今度は芳史のほうが困惑する番だった。
支払いは常にカード、二十枚ほど財布に入れてある一万円札は念のためであり、ここ何年も小銭を持った記憶などないのだ。
(待てよ)
車を運転させてきた舎弟の内村なら、持っているに違いないと思いつく。
「車に戻ればあるはずだ。取りに行ってくるから、少し待っててくれ」
それは、普段の芳史からは想像もつかない譲歩のセリフだった。
つり銭が足りないなら、今すぐコンビニでもなんでも行って両替して来やがれ。
冷淡にそう命じてしかるべき場面なのだ。
にもかかわらず、なぜだかそんな気持ちは湧いてこなかった。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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