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プティまり文庫 あなたしか見えなくて

プティまり文庫 あなたしか見えなくて


発行: マリクロ
レーベル: プティまり文庫
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★19
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著者プロフィール

 藤野 さり(ふじの さり)
 京都府生まれ、広島県育ち。執筆歴は6年ほど。切なく甘い恋物語を、子育ての合間に綴っています。好きな本のジャンルは、ミステリー、海外ロマンス、時代小説。夫と、まだ幼い二人の子供と京都府在住。
 著書に『聖夜のシンデレラ』『結婚できないかもしれない女 崖っぷちアラサー美人社長』『あなたしか見えなくて』。

解説

 勤め先の御曹司である聡文《さとふみ》と、密かに交際している葵衣《あおい》。しかし、運転手の娘である彼女との結婚を、彼の父親が許すはずがない……。愛に迷う葵衣の前に、ハンサムだが傲慢で、悪い噂の絶えない一樹《いつき》が現れて言い放った。「恋人を助けたかったら、俺と結婚しろ」強引な彼の態度に、猛烈に反発する葵衣だったが……。二人の男性の間で揺れる、切ない恋心。真実は、そして本心はどこにあるの? ドラマチックな展開の和製ロマンス小説!!

抄録

「気が付いたか?」
 心配そうな顔をした一樹《かずき》。
「ど、どうして、私はここに」
 広めのベッドの上に、葵衣《あおい》は横たわっていた。身体には、羽毛布団が掛けられている。
「湯当たりだ。あまりにも風呂から出てこないから覗いたら、ぐったりとして倒れていた。最初、死んでいるのかと思ったぞ」
「……湯当たり」
「今夜は、このまま休め。俺は他の部屋で寝るから、大丈夫だ」
 ――それでは、あまりにも厚かましすぎる。そう思った葵衣は、振り切るように半身を起こした。その拍子に、身体に掛けていた薄い羽根布団がパサリとずれた。
「!」
 一樹が慌てて目を逸らした。
「や、やだ」
 葵衣は裸だった。
「なぜ、私は、裸で」
「横になっている人間に服を着せるのは難しかった。だから、仕方がないだろ」
 葵衣は羽根布団を掴むと、首まで引き上げた。
「あ、貴方見たのね。私の裸を」
「風呂場で倒れるほうが悪い。それに、じっくり見たわけでは」
「スケベ! いやらしい」
「あのなあ」
「どうしよう。貴方に見られたなんて、私、どうしたら」
 葵衣はパニックになった。
「別に、そんなに困ることじゃないだろ」
 一樹は平然と言った。
「結婚すれば、嫌というほど――」
「結婚なんてしないわ!」
 葵衣は叫んだ。
「大嫌いな貴方となんか、私は絶対に結婚しない」
 一樹は冷静な眼差しで、彼女を見返した。暗い瞳がぎらつき、精悍な顔に笑みが広がった。
「大嫌いでも、キスの相性は良かった。そうだろ?」
「!」
 葵衣は一瞬動揺したが、すぐに顎を上げた。毅然とした態度を取らなければダメだ。ここで弱腰になったら、負けてしまう。
 しかし、次に彼が取った行動に、上辺だけの強がりは簡単に吹き飛ばされてしまった。一樹は片膝を乗せてベッドに上がると、葵衣の身体から布団を剥いでしまった。
「やっ」
 ひんやりした空気に肌をさらされ、一気に鳥肌が立った。
 葵衣は恐ろしさに目を閉じ、両手で顔を覆った。力では到底適わないし、裸という状況も不利だ。無防備で、とても怖かった。全身がガタガタと震える。
 一樹はそんな彼女の肩に手を置くと、囁いた。
「乱暴にはしない。大丈夫だから、こっちを見て」
 初めて耳にする一樹の優しい声。葵衣は目を開け、彼の真意をうかがうように手を下ろした。
 その好機を逃さず、一樹は彼女の頬に両手を添えて持ち上げた。
「やっ……」
 キスというより、ついばむように軽く唇を噛まれた。
 一回、二回、三回目は少し長く押し当てて。それを何度も繰り返される。
 驚いていた葵衣も、しだいにそのリズムに慣れ、力を抜いた。唇の感触、熱い息、頬にある手の温もり。眩暈を感じて、再び目を閉じた。
 やがて唇の重なっている時間だけが長くなり、一樹は葵衣の細い身体を抱きしめた。豊かな胸のふくらみが、彼の厚い胸に押しつぶされた。シャツに擦れた敏感な先端部分が、痛みにも似た衝撃を走らせる。
 葵衣が喘ぐように口を開けると、その隙間から一樹は舌を滑り込ませた。彼女の舌を探り当て、舌と歯で捕まえる。逃げようとしても、もっと深く追いかけられるだけ。
 一樹は葵衣の髪の毛に指を突っ込み、じっくりと、彼女を味わった。蜜のように甘い口の中を。
 キスの音だけが部屋を満たす。
「……止めて、お願い」
 額や頬に唇が移ると、葵衣が弱々しい声を上げた。
「無理だ」
 一樹はくぐもった声で答えた。
「この状況で、今更引き返せない」
「でも――」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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