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著者プロフィール
蕪木 和夫(かぶらぎ かずお)
1952年、栃木県生まれ。故梶原一騎に強い影響を受け、マンガ原作者を志す。1975年「ダブルエース」で週刊少年キング(少年画報社)よりデビュー。その後、少年ジャンプ、週刊漫画Times、週刊少年サンデー、漫画ゴラクなどに主に野球を題材とした作品を発表。現在は著作活動を中心に活躍する。著書に『男たちのコーヒーブレイク』(南雲堂)、『マンガ界のウラの裏がわかる本』(ぴいぷる社)、『3番、90番、33番 やっぱりDAISUKI長嶋茂雄』(オーエス出版)、コミックスでは『江川卓物語』(竹書房)、『土俵の狼・千代の富士物語』(南雲堂)がある。
1952年、栃木県生まれ。故梶原一騎に強い影響を受け、マンガ原作者を志す。1975年「ダブルエース」で週刊少年キング(少年画報社)よりデビュー。その後、少年ジャンプ、週刊漫画Times、週刊少年サンデー、漫画ゴラクなどに主に野球を題材とした作品を発表。現在は著作活動を中心に活躍する。著書に『男たちのコーヒーブレイク』(南雲堂)、『マンガ界のウラの裏がわかる本』(ぴいぷる社)、『3番、90番、33番 やっぱりDAISUKI長嶋茂雄』(オーエス出版)、コミックスでは『江川卓物語』(竹書房)、『土俵の狼・千代の富士物語』(南雲堂)がある。
解説
自信作のタイトルは「片想いにララバイ」。
明日、わたしはこれを『週刊少女プリンセス』編集部に持ち込むことに決めた。もしかしたら、この作品がわたしの人生を変えてくれるかもしれない……!
――マンガ家になることを夢見、やがてそれを実現していく少女を描いた「紙のウェディングドレス」ほか、三話を収録。マンガ家と原作者、編集者などマンガ界のすべてがわかる。
明日、わたしはこれを『週刊少女プリンセス』編集部に持ち込むことに決めた。もしかしたら、この作品がわたしの人生を変えてくれるかもしれない……!
――マンガ家になることを夢見、やがてそれを実現していく少女を描いた「紙のウェディングドレス」ほか、三話を収録。マンガ家と原作者、編集者などマンガ界のすべてがわかる。
目次
第一話 紙のウェディングドレス
〔少女マンガ家物語〕
第二話 虚像
〔マンガ原作者の物語〕
第三話 ハナつまみの天下盗り
〔マンガ出版高度成長記〕
第四話 三八歳定年説
〔ベテランマンガ家物語〕
あとがき
〔少女マンガ家物語〕
第二話 虚像
〔マンガ原作者の物語〕
第三話 ハナつまみの天下盗り
〔マンガ出版高度成長記〕
第四話 三八歳定年説
〔ベテランマンガ家物語〕
あとがき
抄録
「肥沼さん。あんた、辞めるなら即、辞めたほうがいいわよ」
「でも……」
「知ってるわ。止められたんでしょ。デビューの時が来ればちゃんとバックアップしてあげるっていわれたのね」
うなずくわたしを島野さんは微笑(わら)った。
「それはあなたを縛りつけておくための口実よ。そんな言葉にだまされちゃダメ。このあいだもわたしの部屋で話したと思うけど、弟子は先生の手足として消耗させられ、やがては才能が枯渇(こかつ)するまで食われていくのよ。とくに女のマンガ家は弟子を育成させた例って少ないでしょ」
いわれてみればそのとおり。男のマンガ家には数え切れないほどの師弟関係が存在するらしいが、女のマンガ家はそれが少ない。
そして、赤池マリ子門下からも唯(ただ)の一人も巣立っていった実績はないという。
「みんな、いつの日か夢を破られ、紙の上でかすかにその夢のつづきを紡(つむ)ぐようになってしまうのよ。わたしもそうだけど、ここにいるコって大半は結婚することもあきらめてるのよ」
「だって、まだみんな」
「若いっていうの? 二〇代後半のコばっかりよ。それに同性の目から見てもあのコたちって女としての魅力に欠けるわよ。ろくに料理もできないし、ボタンひとつ満足につけられないコだっているのよ。マンガっていうのは紙の上に描く映画なのよね。デビューもはたせず、結婚の夢もかなわぬ女たちはこの紙の中でウェディングドレスを着るの」
そういって島野さんは哀しそうに笑った。わたしは島野育代に背中を押されたと思った。それから三日後、わたしは赤池プロを正式に退社した。
「でも……」
「知ってるわ。止められたんでしょ。デビューの時が来ればちゃんとバックアップしてあげるっていわれたのね」
うなずくわたしを島野さんは微笑(わら)った。
「それはあなたを縛りつけておくための口実よ。そんな言葉にだまされちゃダメ。このあいだもわたしの部屋で話したと思うけど、弟子は先生の手足として消耗させられ、やがては才能が枯渇(こかつ)するまで食われていくのよ。とくに女のマンガ家は弟子を育成させた例って少ないでしょ」
いわれてみればそのとおり。男のマンガ家には数え切れないほどの師弟関係が存在するらしいが、女のマンガ家はそれが少ない。
そして、赤池マリ子門下からも唯(ただ)の一人も巣立っていった実績はないという。
「みんな、いつの日か夢を破られ、紙の上でかすかにその夢のつづきを紡(つむ)ぐようになってしまうのよ。わたしもそうだけど、ここにいるコって大半は結婚することもあきらめてるのよ」
「だって、まだみんな」
「若いっていうの? 二〇代後半のコばっかりよ。それに同性の目から見てもあのコたちって女としての魅力に欠けるわよ。ろくに料理もできないし、ボタンひとつ満足につけられないコだっているのよ。マンガっていうのは紙の上に描く映画なのよね。デビューもはたせず、結婚の夢もかなわぬ女たちはこの紙の中でウェディングドレスを着るの」
そういって島野さんは哀しそうに笑った。わたしは島野育代に背中を押されたと思った。それから三日後、わたしは赤池プロを正式に退社した。
本の情報
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