![]() |
|
初めての方へ|無料サンプル|サイトマップ|メールマガジン |
買い物かごを見る |
![]() |
![]() |
![]() |
|
||||||||||
|
|
|
和書>小説・ノンフィクション>文芸>古典文学
1「記紀《きき》」という本 「古事記」は西暦712(和銅5)年に、「日本書紀」はそれから8年後の720(養老4)年に完成したとされる、日本最古の書物、天皇の命令によってつくられた歴史書です。 この2書をあわせて「記紀」と呼び、日本古代の歴史・文学はここからはじまりました。 2「古事記」をつくった2人 本のない時代、歴史も説話も口伝えでした。代々語部《かたりべ》であった稗田阿礼《ひえだのあれ》が暗誦するのを、太安万侶《おおのやすまろ》が記録しました。すべて漢字ですが、一部は文通りの漢文、他は日本の語り言葉を漢字の音でつづっています。 3「古事記」に、何が書かれているか? 上巻は、宇宙のはじめ・神々の世界のはじまり。中巻は全国平定や戦《いくさ》をめぐる話。下巻は天皇の系図や人間の物語(民話のはじまり)が現れます。そして全編を通じて、神と人との交りの姿が、美しく、いきいきと想像される、たくさんの歌謡が見られます。 「古事記」は、文学的にすぐれた作品です。 5平明な口語で読めるんです! 小説家・文芸評論家・フランス文学者と、いくつもの顔をもった福永武彦は、日本古典も深く味読した文学者でした。 「日本書紀」と、この「古事記」の2書は、平明で、もっとも良質な現代口語。すらすら読めて、記紀の世界の核心部に入って行けます。
古事記序 古事記上巻 一 宇宙の初め 二 神世七代 三 伊邪那岐命と伊邪那美命 四 黄泉国 五 禊《みそぎはらい》 六 ‘うけい’の勝負 七 天石屋戸 八 須佐之男命の追放・穀種 九 八俣《やまた》の大蛇《おろち》 一〇 八雲たつ 一一 大国主神と兎 一二 大国主神の受難 一三 根国《ねのこく》での冒険 一四 沼河姫の歌 一五 須勢理姫の歌 一六 海から来る神 一七 高天原の使たち 一八 大国主神の国譲り 一九 朝日のただ射す国 二〇 木花之佐久夜姫 二一 海幸山幸・綿津見《わたつみ》の宮 二二 豊玉姫の歌 古事記中巻 二三 〔神武〕東への道 二四 〔同〕征旅の歌 二五 〔同〕七乙女 二六 〔同〕狭井河《さいがわ》の歌 二七 〔綏靖〕系図 二八 〔安寧〕系図 二九 〔懿徳〕系図 三〇 〔孝昭〕系図 三一 〔孝安〕系図 三二 〔孝霊〕系図 三三 〔孝元〕系図 三四 〔開化〕系図 三五 〔崇神〕系図 三六 〔同〕三輪山の神 三七 〔同〕四道将軍 三八 〔垂仁〕系図 三九 〔同〕佐保姫の死 四〇 〔同〕物言わぬ御子 四一 〔同〕丹波の姉妹 四二 〔同〕時じくの木の実 四三 〔景行〕系図 四四 〔同〕倭建、熊曾を伐つ 四五 〔同〕倭建、出雲を伐つ 四六 〔同〕倭建、東国を伐つ 四七 〔同〕望郷歌 四八 〔同〕白鳥 四九 〔成務〕系図 五〇 〔仲哀〕系図 五一 〔同〕大后、新羅を伐つ 五二 〔同〕喪の船 五三 〔同〕気比の大神 五四 〔同〕酒楽《さかくら》の歌 五五 〔応神〕系図 五六 〔同〕葛野の歌・蟹の歌 五七 〔同〕髪長姫 五八 〔同〕剣の歌・酒の歌 五九 〔同〕大山守命の乱 六〇 〔同〕天の日矛 六一 〔同〕春の神と秋の神 古事記下巻 六二 〔仁徳〕系図 六三 〔同〕嫉み深い大后と黒姫 六四 〔同〕嫉み深い大后と八田若郎女 六五 〔同〕女鳥王 六六 〔同〕雁の卵 六七 〔同〕枯野の歌 六八 〔履中〕墨江中王の乱 六九 〔反正〕系図 七〇 〔允恭〕系図 七一 〔同〕軽の兄妹 七二 〔安康〕目弱王の復讐 七三 〔同〕馬飼牛飼 七四 〔雄略〕白い犬 七五 〔同〕赤猪子の歌 七六 〔同〕吉野の少女・蜻蛉の歌 七七 〔同〕葛城山 七八 〔同〕袁杼姫の歌・天語歌 七九 〔清寧〕二人の少年の舞 八〇 〔同〕歌垣 八一 〔顕宗〕父君の仇 八二 〔仁賢〕系図 八三 〔武烈〕系図 八四 〔継体〕系図 八五 〔安閑〕系図 八六 〔宣化〕系図 八七 〔欽明〕系図 八八 〔敏達〕系図 八九 〔用明〕系図 九〇 〔崇峻〕系図 九一 〔推古〕系図 歌謡略注 記紀歌謡
四 黄泉国《よもつくに》 最愛の妻に先立たれたイザナギノ命は、ひとり悲嘆のうちに暮らしていたが、時が経《た》つにつれても、その悲しみは少しも薄らぐことがなかった。妻のイザナミはこの世を旅立って、今は黄泉国《よもつくに》にいるはずだった。イザナギノ命は、もう一目、妻に会ってみたい気持をとどめることができずに、ついにそのあとを訪ねて、この世のものならぬ地下の世界へと降って行った。 黄泉国《よもつくに》、別名は、暗黒の夜を思わせる夜見之国《よみのくに》、また別名は、地下の国を意味する根堅洲国《ねのかたすくに》、あるいは根国《ねのこく》、これは死者の世界である。 この国は、生きた者の来ることをかたく禁じて、その御殿は、冷たい石の扉がしっかりと現世との間を鎖していた。しかし夫のイザナギノ命が、はるばるとここまで訪ねて来たのを知って、妻なる女神は、扉のところまで迎えに出た。そこでイザナギは、扉ごしに、次のような優しい言葉で呼びかけた。 「いとしい我が妻よ。私がお前と一緒に作った国は、ただ形を作ったというばかりで、まだ本当に完成しているわけではない。私にはまだお前の助けが必要なのだ。どうか私と一緒に、もう一度戻って来てはくれないだろうか。」 こう呼びかけるのを聞いて、イザナミノ命は次のように答えた。 「もっと早く来て下さらなかったことが、悔やまれてなりません。もう遅すぎるのでございます。私はこの黄泉国《よもつくに》で、不浄な火と水とで炊《た》いた食物を口にしてしまいました。私の身体はもう穢れています。それでも、いとしい背の君が、こうして私をお迎えにわざわざおいでになったというのは、本当に嬉しくて、ありがたいことなのでございますから、私としましては、飛び立っても帰りたい気持ちになりました。しばらくの間、この国の神々に相談して、帰ってよいかどうかうかがってみましょう。ただお断わりしておきますけれど、その間は私の姿を御覧にならないで下さいまし。」 このように言って、御殿の中に戻って行ってしまった。イザナギは扉のところに佇んで、言われた通りに待っていたが、時が刻々に過ぎて行くのに、愛する女神の姿はふたたび現われない。あまりに待つ間が長いので、ついに待ちかねて、禁を破って中にはいる気になった。あたりは暗黒である。イザナギは角髪《みずら》に結《ゆ》ったその髪の、左側に垂れた部分に挿していた爪櫛《つまぐし》を手に取った。櫛の歯の一番端にある大きな歯を一本折り取ると、そこに火をつけて、あたりを照らし見ながらそろそろと御殿の中へと進んだ、乏しい光に照らされて、やがてイザナミの姿がようやく眼に映ったが、なんという有様だろう、それはもはやかつて知っていた妻の姿とは全く違っていた。身体中に小さな蛆《うじ》がたかってくねくねと動き、しかもその身体のいたるところから膿《うみ》がどろどろと流れ出している。それに加えるに、女神の頭には大雷(オホイカヅチ)がいるし、その胸には火雷(ホノイカヅチ)がいるし、その腹には黒雷(クロイカヅチ)がいるし、陰処《ほと》には拆雷(サクイカヅチ)がいるし、左手には若雷(ワキイカヅチ)がいるし、右手には土雷(ツチイカヅチ)がいるし、左足には鳴雷(ナルイカヅチ)がいるし、右足には伏雷(フシイカヅチ)がいるし、つごう八柱の雷神(イカヅチガミ)が、おどろしくも女神の腐れ果てた身体から生れ出ていた。 イザナギノ命はこの有様を見て、恐怖に凍りついたようになり、今までの張りつめた気持ちもすっかりゆるんで、恐れおののきながら一目散にそこを逃げ出した。イザナミノ命は夫が自分を捨てて逃げ帰って行くのを見ると、 「あなたというかたは、私の恥ずかしい有様を御覧になりましたね。」 こう口惜しげに叫び、さっそく、黄泉国《よもつくに》の醜い女神たちの群に命じて、そのあとを追いかけさせた。
【Keyring PDF形式】
※注意 同一の書籍でもファイル形式が異なるものは別商品として取り扱っております。
デジタル初版:2004年3月25日
ジャンル:和書>小説・ノンフィクション>文芸>古典文学 翻訳: 福永武彦 発行: BBC文庫
和書>小説・ノンフィクション>文芸>古典文学 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
|
|
|
運営:株式会社パピレス Copyright(C) PAPYLESS All Rights Reserved. |
| 会社案内|著作権について |
|
このサービスは、@nifty ID または @niftyユーザー名をお持ちの方がご利用いただけます。 お持ちでない方は、@niftyユーザー名を登録することにより、ご利用いただけます。 |
| 特定商取引に関する表記|個人情報保護ポリシー Copyright(C)NIFTY 2007 All Rights Reserved. |