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スイーツ文庫 空

スイーツ文庫 空


発行: マリクロ
レーベル: スイーツ文庫
価格:300pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 高月 ひお(たかつき ひお)
 岐阜県出身。どこまでも平凡な人生を送っている平凡な人……なので、そうした人々を主人公にちょっぴり夢見る恋物語を書きたく執筆を始め、日々妄想中。
 執筆暦は友達相手にノートに書いたこともカウントすると、はや二十年? と年数だけは長い。少女漫画のような展開の恋愛小説を好んで書くが、自分で見る分には時代劇が大好物。時代小説、古典文学も大好き。児童書、絵本も好き。人情味のあるギャグ漫画やコントも好き。お酒はもっと好き! 著書に『初恋ガーデン』

解説

 ――空が、降ってきたかと思った――。
 高校二年生の瀬春は、少し内気な少女。家に帰りたくない時や友達付き合いに疲れた時は、ぼんやりと川原で空を眺めては心を癒していた。だがある秋の日、彼女の上に、空が切り取られて落ちてきた――? と思ったらそれは一枚の空の絵で、描いていたのは同級生の大柄な少年・蒼だった! 彼も瀬春と同じように人と話すのが苦手でこうしていると言い、二人は徐々に心を通わせていくが……。

抄録

 大人になっても、繊細な心を癒して絵を描き続ける蒼《あおい》。それを横で見ている自分。
 奇妙な光景であるが、それはそれで素敵だな、と瀬春《せはる》はいつの間にかそんな夢を見るようになっていた。
 だが、ガラスの宝箱に入った日々にも、遂に小さな亀裂が入ってしまった。
 十二月になり冬至が近付けば、いよいよ放課後にあの場所で会うこともなくなり、瀬春はしばらく蒼の顔を見ることが出来ず寂しく思っていた。そんなある日の休み時間のことだ。
 手洗いに行った瀬春が教室に戻る折、廊下で視線を感じると同時に、ひそひそ声を聞いた気がして振り向いた。蒼のクラスの四組の前で話したことのない女子が、何故か瀬春の方を見ていた。眼が合うとばつが悪そうに逸らされる。
 ――嫌な予感がした。こんなことは中学時代にも経験がある。
 いじめという範疇ではない、クラスの全員から無視されるわけでもないが、自分に関するひそひそ話。
 隠しておきたい恥ずかしい失敗や秘密、人と違う部分、そうしたものは誰にでもある。それを他人を「異質」と見なすことで自分を保ちたい子供たちが、暇に任せて仲間内の話題として共有する。彼らが次のターゲットを探すまで、ただ待つしかない苦しい時間の幕開け――まさか、それだろうか?
 高校に入学してからはそうしたことも少しは減ったが、自分がその対象になるのはもう嫌だ。
 気のせいであって欲しい。瀬春は嫌な予感に胸を騒がせつつ、教室へと戻った。原因は何だろうと気に掛かり、次の授業が身に入らない。
 考えても考えても、いじめにまで発展するような「落ち度」は思いつかない。となると、女子が好きそうな噂はひとつしかない。四組の女子ということを考えても……。
 ――まさか。
「ね、ねえ。私の噂って何か聞いてる?」
 態度が変わらないことを祈りながら、心を許せる女友達に尋ねた。しかし瀬春と同じように大人しく、文化系の部で活動もあまりしていないという彼女たちには、知らないと首を振られた。
 だが今年のクラスの女子は優しい子が多い。いつも行動を一緒にしているわけではないが、剣道部に所属している女子が掃除の時間、瀬春の元へとやってくると少し心配そうに囁いた。
「瀬春ちゃんが、柔道部の坂本くんと……って噂聞いたけど」
「そ、そんなわけ、ない!」
 瀬春は咄嗟に首を振った。誰かにあの光景を見られていたのか。そしてそのように誤解された――。やはり、と目の前が一瞬暗くなった。頷いてはいけない。直感的にそう思った。
 目立たない瀬春に、浮いた噂のない蒼。だからこそ、尚更意外に思われてしまったようだ。そうした噂が立っても堂々としている生徒も居る。何言ってるんだと気にせず笑い飛ばせばいい。しかし瀬春にはそれが出来なかった。
 出来ることは、友達への精一杯の否定だけ。こんな話になっていると知られれば、あの優しい絵を描く少年にどう思われるか。それを考えると恐かった。
 蒼にしてみれば、そのような色恋沙汰は困るのではないか。あの孤独で美しい空間を汚されたように思ってしまうのではないか。それは瀬春を助けてくれた彼にはさせたくない感情で、そして瀬春自身も彼に拒絶されたくなかった。
 瀬春もまた、自身の淡い気持ちを踏みにじられたような気分になった。確かに土日も二人で居たのだ。誰かの目に留まれば、そう見られるだろう。一応二人は、男と女なのだから。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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