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解説
禁忌滴る官能の折檻! 明治の末。幼少の頃に実父を失い、以来、父の同期生だった紀田財閥二代目の清一に育てられてきた徹雄。可憐な美貌、そして類稀な画の才能を開花させた徹雄は十七歳を目前にしたある日、生まれて初めて自分の意思……画家を志したいということを義父、清一に告げる。だが、それは息子に執着する清一の怒りに触れ、獰猛な獣と化した義父に抱かれて! 娼婦のような日々が続き、やがて……。
目次
義父〜梅花日記〜
梅花の章
潮の章
梅花の章
潮の章
抄録
ふいに、清一の徹雄を抱く腕に力がこもる。
「お前が現れた。最初は、唯一友人と呼べる男を救ってやれなかった罪悪感もあって、お前を一人前に育ててやろうと思った。その頃には俺が紀田の後継ぎになることは確定していたが、俺は正直財閥などどうでもよかった。だが、お前と過ごしているうちに、俺には守るものができたと実感したんだ。お前は幼く、無邪気で、何も持っていなかった。ただ、俺だけを頼りにして息をしている無垢な存在だった。俺は、こいつのために誰よりも強く、誰よりも権力を持った男になろうと決めた。……お前が、俺にとっての、初めての家族だった」
「……お父さん……」
「──しかしお前は、俺を裏切ったな。俺のもとを離れてどこかへ行こうとした」
そのとき初めて、徹雄は父の怒りの根源を知ったように思った。
清一は、徹雄が画家になると言ったから激怒したのではなかったのだ。何になるにせよ、自分のもとを離れて独立する、という意志を徹雄が持ったことが許せなかったのだ。
それはあまりにも危うい依存だった。父が息子を自分の所有物だと思い込み、独立することを許せなかった。
だが、清一の生い立ちを聞いていると、それも仕方がない気がした。普通の家で育たなかったために、家族というものの距離感が分からないのだ。息子という存在を偏愛し、執着し、自分の一部だと考えてきたに違いない。そんな存在が初めて自分に逆らったとき、崩壊は始まったのだ。
しかし、それを回避するためには、徹雄はただ父に従う人形でなければならなかった。そんなことは不可能だ。徹雄は改めて、この状況が不可避なものだったことを感じた。
「しかし、俺は今の状況にも満足しているぞ……お前のこの極上の体を知らずに、どこの馬の骨とも知れない女にやっていたかもしれんと思うと、ぞっとする」
*この続きは製品版でお楽しみください。
「お前が現れた。最初は、唯一友人と呼べる男を救ってやれなかった罪悪感もあって、お前を一人前に育ててやろうと思った。その頃には俺が紀田の後継ぎになることは確定していたが、俺は正直財閥などどうでもよかった。だが、お前と過ごしているうちに、俺には守るものができたと実感したんだ。お前は幼く、無邪気で、何も持っていなかった。ただ、俺だけを頼りにして息をしている無垢な存在だった。俺は、こいつのために誰よりも強く、誰よりも権力を持った男になろうと決めた。……お前が、俺にとっての、初めての家族だった」
「……お父さん……」
「──しかしお前は、俺を裏切ったな。俺のもとを離れてどこかへ行こうとした」
そのとき初めて、徹雄は父の怒りの根源を知ったように思った。
清一は、徹雄が画家になると言ったから激怒したのではなかったのだ。何になるにせよ、自分のもとを離れて独立する、という意志を徹雄が持ったことが許せなかったのだ。
それはあまりにも危うい依存だった。父が息子を自分の所有物だと思い込み、独立することを許せなかった。
だが、清一の生い立ちを聞いていると、それも仕方がない気がした。普通の家で育たなかったために、家族というものの距離感が分からないのだ。息子という存在を偏愛し、執着し、自分の一部だと考えてきたに違いない。そんな存在が初めて自分に逆らったとき、崩壊は始まったのだ。
しかし、それを回避するためには、徹雄はただ父に従う人形でなければならなかった。そんなことは不可能だ。徹雄は改めて、この状況が不可避なものだったことを感じた。
「しかし、俺は今の状況にも満足しているぞ……お前のこの極上の体を知らずに、どこの馬の骨とも知れない女にやっていたかもしれんと思うと、ぞっとする」
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