和書>小説・ノンフィクション>ボーイズラブ小説>極道・刑事
解説
一度火がつくと止まらない闘犬の亮平。唯一信頼していたボス・高良の遺言により堅気になろうと決心したが、かつての敵につぎつぎと狙われる日々。そこに救いの手を差し伸べてきたのが、高良の兄弟分だったという代門の息子、秋矩。自称オタクでニートで引き篭もり、見てくれは華奢であたりの弱いイケメンの彼が亮平を救ったのは、高良から万一の時を託されていたというのだが、なにやら特別な契りを結ばなければならないことになって……。
抄録
何を言われても、亮平は目の前の男をボスだと認められない。これ以上、話すこともなかった。
秋矩が困った様子で深いため息を零す。
「じゃあ……心以外ならくれる?」
つまり、体を張れということだろう。望むところだ。
「ああ。別に惜しい命じゃない」
即答する亮平に、少し苛立ったように彼が髪をわしわしと掻いた。そして、ふと思い立った様子で顔を上げ、じっと目を見つめる。
「その言葉の信用に足る証が欲しい。高良のおじさんの遺言通り、僕に従うという意志を示すことはできる?」
彼の言葉は少し難しすぎて、何を求められているのか、さっぱり分からなかった。けれど、ごちゃごちゃした理屈は性に合わない。
「わかった。どうすればいい?」
「服脱いで全裸になって」
「なっ、何言って」
「もちろん、下着もだよ。体ならもらっていいんだよね?」
からかっているのだろうか。だが、その目はひたすら真っ直ぐに、自分へと向けられている。そこにあるのは、怒りとも悲しみともつかない重苦しい闇。
「今から僕が何をしても抵抗しないなら、たとえ忠誠を誓ってくれなくても、君の言葉を信じることにする」
こんな馬鹿げた話は聞いたことがない。すぐさまこの男を殴り倒して、ここから出ていってやると頭では考えるのに、彼の目に射竦められて声が出ない。足も動かない。
オタクでニートの世間知らずな若造だと、心のどこかで見下していた部分が多少なりともあったはずだ。けれど今の秋矩に凡庸さはない。真剣な眼差しには、少しでも隙を見せるとばっさりと斬りつけられそうな迫力があるのだ。
(こいつ……なんなんだ?)
*この続きは製品版でお楽しみください。
秋矩が困った様子で深いため息を零す。
「じゃあ……心以外ならくれる?」
つまり、体を張れということだろう。望むところだ。
「ああ。別に惜しい命じゃない」
即答する亮平に、少し苛立ったように彼が髪をわしわしと掻いた。そして、ふと思い立った様子で顔を上げ、じっと目を見つめる。
「その言葉の信用に足る証が欲しい。高良のおじさんの遺言通り、僕に従うという意志を示すことはできる?」
彼の言葉は少し難しすぎて、何を求められているのか、さっぱり分からなかった。けれど、ごちゃごちゃした理屈は性に合わない。
「わかった。どうすればいい?」
「服脱いで全裸になって」
「なっ、何言って」
「もちろん、下着もだよ。体ならもらっていいんだよね?」
からかっているのだろうか。だが、その目はひたすら真っ直ぐに、自分へと向けられている。そこにあるのは、怒りとも悲しみともつかない重苦しい闇。
「今から僕が何をしても抵抗しないなら、たとえ忠誠を誓ってくれなくても、君の言葉を信じることにする」
こんな馬鹿げた話は聞いたことがない。すぐさまこの男を殴り倒して、ここから出ていってやると頭では考えるのに、彼の目に射竦められて声が出ない。足も動かない。
オタクでニートの世間知らずな若造だと、心のどこかで見下していた部分が多少なりともあったはずだ。けれど今の秋矩に凡庸さはない。真剣な眼差しには、少しでも隙を見せるとばっさりと斬りつけられそうな迫力があるのだ。
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