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社会人大学院へ行こう

社会人大学院へ行こう

著: 山内祐平中原淳社会人大学院研究会
発行: 日本放送出版協会
価格:420円(税込)
10ポイント還元
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対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール

 山内 祐平(やまうち ゆうへい)
 1967年愛媛県生まれ。東京大学大学院情報学環助教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了後、茨城大学人文学部助教授を経て、現職。専門は、情報技術を利用した学習環境のデザインおよび情報やメディアのリテラシーに関する研究。


 中原 淳(なかはら じゅん)
 1975年北海道生まれ。文部科学省メディア教育開発センター研究開発部助手。東京大学教育学部、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程をへて現職。東京大学情報学環のeラーニングサイト「iii online」など、各種のインターネットを活用した学習システムを設計・開発。近年は、大学、大学院や企業における「オトナたちの学び」を対象として、その学習環境デザインのあり方を模索。


 社会人大学院研究会(しゃかいじんだいがくけんきゅうかい)
 情報技術を利用して教育現場を改善したり、新しい学習環境を創造することを専門とする教育工学の研究者、および関連する民間の企業人などによる研究会。2002年4月に結成。2001年に立ち上げた、インターネットを活用した社会人大学院生のためのネット大学院のプロジェクトチームを母体としている。活動の主な目的として、(1)社会人大学院生の学習や生活の実態を明らかにすること、(2)今後の社会人大学院のあり方を模索すること、をかかげ、定期的に討議を重ね活動している。

解説

 働きながら大学院へ通いたいけれど、費用は? 時間は? 修了後の進路は……? 本書はそんな悩みを持つ人のための水先案内。仕事や家庭との両立に奮闘する社会人大学院生たちの生の声を通して、大学院で学ぶ意味を考える。大学院情報の入手方法はじめ役立つコラムも満載。

目次

社会人大学院へ行こう/目次


●社会人大学院へのいざない


第1章 社会人大学院の今
 ……文・中原 淳+渡辺利雅
 ■社会人大学院とは
 ■変貌する企業と個人の価値
 ■大学院志望の理由
 ■社会人大学院の門をたたく
 ■受験しやすく、通いやすく、学びやすい
 ■入試の負担の軽減
 ■厚生労働省教育訓練給付制度
 ■サテライトキャンパス
 ■通信制大学院
 ■バーチャル・ユニバーシティ
 ■授業開講時間のフレキシブル化
 ■座学を超えて
 ■今後の展開


第2章 社会人大学院に生きる
 ……聞き手・文・社会人大学院研究会
 ▼会社の組織図が小さく感じる(大友克彦さん 35歳)
 ▼すべては問題意識から始まる(川口克已さん 37歳)
 ▼MBAコースでビジネスのネタが生まれる理由(修行憲一さん 35歳)
 ▼それでもカウンセラーをめざすなら(守屋明子さん 31歳)
 ▼母であり妻である以上の自分を探して(大出由貴子さん 33歳)
 ▼一冊の本が研究者への扉を開く(松岡宏明さん 38歳)
 ▼華やかな女子アナから貧乏大学院生としての再出発(小川明子さん 30歳)


第3章 大学院で学ぶ意味
 ……文・山内祐平
 ▼大学院で学ぶための工夫 ―社会人大学院生活を成功させるコツ
  ■自分に合った大学院を選ぶ
  ■学際性と専門性
  ■研究志向と教育志向
  ■よい指導教官を選ぶ
  ■年齢
  ■専門分野
  ■ともに学ぶ仲間をつくる
  ■研究の方法を学ぶ
  ■時間との戦い
  ■金をあなどるな


 ▼大学院で学ぶ意味
  ■葛藤の解消
  ■経験と理論の戦い
  ■結晶としての普遍的な力
  ■開かれた物語としての人生
  ■自分を信じること


あとがき


●社会人大学院研究会メンバー紹介


【コラム】
 ■社会人大学院の入学試験について
 ■MBAプログラムを開設する大学院が日本で増加中
 ■MBAが取れる大学院リスト
 ■社会人大学院生間のネットワーク拡大中
 ■臨床心理士をめざすには?
 ■修士号や博士号の取れる通信制大学院の全リスト
 ■研究者になるためには?
 ■日本の女性研究者数は少ない


【巻末付録】
 ■大学院をめざす人のための社会人入試情報入手のヒント
 ■情報収集のためのお役立ちサイト紹介

抄録

社会人大学院へのいざない


「先日、大学時代の親友だった○○に会ったら、実は、今、ガッコウに通ってるんだって言うのです。えっ、ガッコウ!?って聞き返したら、社会人大学院だよって。最近、職場から歩いてすぐの駅前ビルに教室ができて、実務に直結したことを学べるということらしいのですね。大学時代はバイトと遊びに明け暮れたけれど、今度という今度は、キチンと学んでみたい。もしかしたら、自分にふさわしい仕事やチャンスに出会えるかもしれない。それが無理でも、学ぶってことは意外とオモシロイって言うのです」


 あなたの周りで、こんなエピソードを最近耳にしたことはないだろうか。
 大学院は、大学の上位に位置する教育機関として、これまで研究者(学者)の養成を主に行ってきた。一般に大学院には修士課程と博士課程という二つのコースがある。修士課程は二年間、博士課程は三年間。それぞれ修士論文、博士論文を執筆して卒業となる。大学を卒業したばかりの二二歳の若者が大学院修士課程に入学した場合、駆け出しの研究者として大学院博士課程を出る頃には早くて二七歳になる。大学院は、これまでそのような研究者をめざす学生たちの集う場であった。一部の例外を除いて、そこは一般の社会人が集うような場でもなかったし、実務に直結したことが学べる場でもなかった。
 その大学院が、今、変わろうとしている。
 駅前のビルに教室を開き、実務に直結する授業を、夜間や週末など、社会人にとって都合のよい時間に開講しようとしている。二二歳から二七歳までの研究者になりたい大学生のみならず、フツウの企業で働く社会人に対してウェルカムコールを送っている。それが、社会人大学院である。昨今の社会人大学院は、社会で働くさまざまな人々を魅了しようとやっきになっている。そういえば、社会人を対象とした大学院生募集の雑誌広告や、電車の中吊り広告も頻繁に目にするようになった。
 しかし、そうしたブームの陰で意外に知られていないものがある。それは、社会人大学院に通う社会人たちの学生生活の実態である。
 私たちは、社会人大学院という存在については知っている。しかし、社会人大学院で実際に学んでいる人たちの生活や、その学びの実態についてあまりよく知らないのではないだろうか。


 社会人たちはなぜ大学院に通い始めたのだろう。
 彼らはどんな科目をどのように学んでいるのだろう。
 彼らは学業と仕事と家庭をどのように両立しているのだろう。
 社会人大学院に通うとどのようなメリットがあるのだろう。


 これらのエピソードは、社会人大学院に興味をもった人々が最も知りたいと思う事柄であろう。自分が社会人大学院に通い始めたのだとしたら、どんな生活が待っているのだろう、どんな学習ができるのだろう。こうしたことが気にならないワケがない。
 しかし、実際のところ不幸なことに、こうした事柄に関する社会人の生の声や、その実態は多くの人々の耳に届いていない。
 編者らは教育工学の研究者である。情報通信技術を利用して教育現場を改善したり、新しい学習環境を創造することを専門にしている。
 今からちょうど一年前、編者らは、インターネットを活用した社会人大学院生のためのネット大学院を立ち上げるプロジェクトに取り組み始めた。
 幸いにして、筆者らの開発したネット大学院は、多くの社会人に好意的に評価された。そして、そうした出来事をきっかけに、編者らは、社会人の大学院における学びや生活の実態に興味をもち、知りたいと思うようになった。そして同時に、世の中でも、社会人大学院生についてあまり知られていないことが分かると、それを伝えたくなってきた。
 そこで編者らは仲間の研究者、関連する民間企業の方々に働きかけ、二〇〇二年四月「社会人大学院研究会」を立ち上げた。
 社会人大学院研究会の目的は、
(1)社会人大学院生の学習や生活の実態を明らかにすること、
(2)今後の社会人大学院のあり方を模索すること、
 とされ、定期的に会合をもち、活動を開始し始めた。本書は、主に(1)に関して取り組んだ成果である。
 本書の目的は、大学院に行く準備をしている社会人、大学院で学ぶ社会人、大学院で学んだ社会人へのインタビュー調査をもとに、彼らの生活や学習の様子を明らかにすることである。
 社会人たちが感じた、学ぶ喜び、充実感。彼らが苦闘したゼミでの発表や論文執筆、学業と仕事との両立に関するエピソードは、これから大学院に行こうとしている社会人にとって、貴重な先達の声になるだろう。社会人たちが経験した数々のエピソードは、これから大学院に行こうとしている社会人を奮い立たせ、時に叱咤激励するかもしれない。
 この本を手にとって、今、この前書きをお読みになっている方は、少なからず社会人大学院に興味をもっている方だと思われる。ぜひ、今こそ、社会人大学院生たちの声に耳を傾けてみよう。そこからは、どんな素敵な「学びのエピソード」が聞こえてくるだろうか。
 本書が、これから大学院に進学しようとする社会人にとっての「水先案内人」になることを願ってやまない。


  二〇〇三年二月 社会人大学院研究会一同


*この続きは製品版でお楽しみください。

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