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解説
★電子書籍だけ! 書下ろし番外編収録★出版社の経理課で働く忍。麗容の王子様のような容姿の彼は、世界的な人気を誇るフランス人絵本作家ミシェルのお世話係を命じられる……。来日したミシェルはワガママ、強引、やんちゃ放題な年下の青年だった! 振り回され弄ばれる忍はてんてこまい……イジワル? でもピュアラブな二人の恋は!?
※本作は紙書籍『Jeteime Juteime〜愛してる×2』を大幅に加筆・修正し、書き下ろし番外編を追加収録した作品です。
※本作は紙書籍『Jeteime Juteime〜愛してる×2』を大幅に加筆・修正し、書き下ろし番外編を追加収録した作品です。
目次
1章 Je t’aime×Je t’aime 〜愛してる×愛してる〜
2章 Nuit et jour 〜昼も夜も〜
特別番外編 Mille baisers 〜たくさんのキスをきみに〜
2章 Nuit et jour 〜昼も夜も〜
特別番外編 Mille baisers 〜たくさんのキスをきみに〜
抄録
「とぼけるな。約束のキスがまだだ」
「……ああ」
自らのプロフィールや姪の可愛さの力説で、懸案事項を忘れ果てていた。見れば、すっかりその気のミシェルとうっかり視線が絡んでしまって背筋に嫌な汗が流れた。
無意識に逃げを打とうとした身体がやんわりと阻まれる。覆いかぶさるようにして抱きすくめられて、身動きが取れなくなった。なんとも近い距離に動揺し、密着する彼の胸元を両手で押し返して呟く。
「やっぱり、やめ……」
「黙って」
「黙る前に確認させて。唇同士を軽く触れあわせるだけの軽いキスだからね。間違ってもそれ以上はしな……っんん」
注意事項を遮る形で吐息が塞がれた。
驚愕に瞠った眼差しの先にあるミシェルの双眸に映った己の姿が恥ずかしくて
瞼を伏せる。途端、なぜか勢いづいたくちづけに怯んだ隙をついて、唇が割られた。
「んっ!?」
忠告無視の舌挿入と舌絡めに、瞑っていた目を見開く。抗議しようと迂闊に口も開いて、さらに深く奪われてぎょっとなった。
「や、め……ミシェ……んふっ」
必死に振り切ろうとかぶりを振るが、ままならない。逆に、それまで以上に体
重をかけて押さえ込まれてしまった。
激しさを増したキスに、うろたえる。しかし、口内を甘く蹂躙するミシェルの舌技に鼻から抜ける甘い息が漏れた。彼のキスに心ならずも翻弄されている己が情けない。
「んぅ……んっん」
こんな嬌声ではなく、ぜひ悪態をつきたかった。生まれてきたことを五分に一回は後悔するくらいの罵詈雑言を吐きたいのに、二秒と唇を放してもらえずできない。その後も角度を変えては濃密なキスを繰り返されて、正直途中から理性が飛んだ。しばらく性的な接触がなかったところへの、このキスだ。悔しいが官能を煽られた。
ようやくキス責めから解放されたときには、忍はぐったりとなっていた。顔を離したミシェルに髪や頬、目尻を啄ばまれたり撫でられたりしていたが、払いのける気力すらない。
「シノブ」
「……なに?」
本来であれば、思いきり殴りつけている場面だ。できれば、今はいろんな意味
で彼の顔は見たくなかったが、さらなる追い打ち発言がなされる。
「まさかと思うが、その年で童貞か」
「は?」
「いや。いくらなんでも、そんなはずはないな。キスが下手だっただけか」
「……っ」
あまりに失礼千万な暴言に、うっすらと殺意が芽生えた。性的技巧にけちをつけられて聞き流せる男はそういないだろう。ただ、さほど数をこなしていない身では、指摘が的を射ている自覚もあって言い返せない。ミシェルが巧いのもたしかなのだ。
複雑な心境で彼を睨むにとどめていると、なおも放言がつづいた。
「経験値が低い年上もおもしろい」
「……決めつけないでくれるかな」
ソフトに否定したが、その声が自信なさげなのを見透かした彼に薄く笑われて目が据わった。
「……ああ」
自らのプロフィールや姪の可愛さの力説で、懸案事項を忘れ果てていた。見れば、すっかりその気のミシェルとうっかり視線が絡んでしまって背筋に嫌な汗が流れた。
無意識に逃げを打とうとした身体がやんわりと阻まれる。覆いかぶさるようにして抱きすくめられて、身動きが取れなくなった。なんとも近い距離に動揺し、密着する彼の胸元を両手で押し返して呟く。
「やっぱり、やめ……」
「黙って」
「黙る前に確認させて。唇同士を軽く触れあわせるだけの軽いキスだからね。間違ってもそれ以上はしな……っんん」
注意事項を遮る形で吐息が塞がれた。
驚愕に瞠った眼差しの先にあるミシェルの双眸に映った己の姿が恥ずかしくて
瞼を伏せる。途端、なぜか勢いづいたくちづけに怯んだ隙をついて、唇が割られた。
「んっ!?」
忠告無視の舌挿入と舌絡めに、瞑っていた目を見開く。抗議しようと迂闊に口も開いて、さらに深く奪われてぎょっとなった。
「や、め……ミシェ……んふっ」
必死に振り切ろうとかぶりを振るが、ままならない。逆に、それまで以上に体
重をかけて押さえ込まれてしまった。
激しさを増したキスに、うろたえる。しかし、口内を甘く蹂躙するミシェルの舌技に鼻から抜ける甘い息が漏れた。彼のキスに心ならずも翻弄されている己が情けない。
「んぅ……んっん」
こんな嬌声ではなく、ぜひ悪態をつきたかった。生まれてきたことを五分に一回は後悔するくらいの罵詈雑言を吐きたいのに、二秒と唇を放してもらえずできない。その後も角度を変えては濃密なキスを繰り返されて、正直途中から理性が飛んだ。しばらく性的な接触がなかったところへの、このキスだ。悔しいが官能を煽られた。
ようやくキス責めから解放されたときには、忍はぐったりとなっていた。顔を離したミシェルに髪や頬、目尻を啄ばまれたり撫でられたりしていたが、払いのける気力すらない。
「シノブ」
「……なに?」
本来であれば、思いきり殴りつけている場面だ。できれば、今はいろんな意味
で彼の顔は見たくなかったが、さらなる追い打ち発言がなされる。
「まさかと思うが、その年で童貞か」
「は?」
「いや。いくらなんでも、そんなはずはないな。キスが下手だっただけか」
「……っ」
あまりに失礼千万な暴言に、うっすらと殺意が芽生えた。性的技巧にけちをつけられて聞き流せる男はそういないだろう。ただ、さほど数をこなしていない身では、指摘が的を射ている自覚もあって言い返せない。ミシェルが巧いのもたしかなのだ。
複雑な心境で彼を睨むにとどめていると、なおも放言がつづいた。
「経験値が低い年上もおもしろい」
「……決めつけないでくれるかな」
ソフトに否定したが、その声が自信なさげなのを見透かした彼に薄く笑われて目が据わった。
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