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プティまり文庫 恋はたくらみのキスから

プティまり文庫 恋はたくらみのキスから


発行: マリクロ
レーベル: プティまり文庫
価格:200pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★2
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著者プロフィール

 藤野 さり(ふじの さり)
 京都府生まれ、広島県育ち。
 執筆歴は6年ほど。切なく甘い恋物語を、子育ての合間に綴っています。好きな本のジャンルは、ミステリー、海外ロマンス、時代小説。夫と、まだ幼い二人の子供と京都府在住。
 著書『聖夜のシンデレラ』『結婚できないかもしれない女 崖っぷちアラサー美人社長』『優しくなれるまで』『あなたしか見えなくて』『切ないハネムーン』

解説

 ★『恋はたくらみのキスから』
 地味なOL・内田穂乃香は、遊び人!? 市原修也に突然キスされて、びっくり! その現場を婚約者に目撃されて!! 落ち込んだ彼女をなぐさめてくれたのは、キスした張本人の修也……反発しながらも次第に彼に惹かれていくが、彼には他の女の影が……。素直になれない二人の、キスから始まった恋の行方は?
 ★『一週間だけの婚約者』
 彼にとって私は一体なんなの? 優しくない社内恋愛の相手・憲次との関係に悩む郁子。ある日、彼が事故に遭い病院に運ばれて、駆けつけた郁子は、担当医に思わず「私が婚約者です」と宣言した! 嘘のリミットは一週間……

 ハラハラドキドキ☆読ませる好短編です。

目次

 『恋はたくらみのキスから』
 『一週間だけの婚約者』
 あとがき

抄録

 仕事が終わり、更衣室で私服に着替えていると、携帯にメールが届いた。ラーメンを食べに行かないか、という市原からの誘いだった。
 穂乃香は返事を短く打ち返した。
 約束した繁華街の時計台の下には、彼が先に来て待っていた。トレンチコート姿で、タバコを口にくわえている。
 「……知らなかったわ、あなたがタバコを吸うなんて」
 穂乃香が不安そうに言いながら近づくと、市原はにやにやした。
 「はずれ。これは、タバコチョコレートさ。駄菓子屋で見つけて、懐かしくてね」
 彼が白い包み紙をめくると、ミルク味のチョコレートが現れた。ほっとした穂乃香は、彼の腕を小突いた。
 「もう、ふざけるのが好きなんだから! 驚いちゃったじゃない」
 弾けるように笑うと、市原も頬をゆるめた。
 「さ、ラーメンを食べに行こうか」
 「あ、あの、市原さん」
 「ん?」
 「ええと、油っこいものばかり食べていると、体によくないと思うの。だから、たまにはヘルシーな家庭料理を……」
 穂乃香がそこまで喋ったとき、胸ポケットに入れてあった市原の携帯電話が鳴り出した。
 「ちょっと、ごめん」
 彼は先にそう断ってから、横を向いて電話に出た。
 低い声で話しているので内容はさっぱりわからなかったが、相手が女性であることは何となくわかった。彼は深刻そうな顔になった。
 「……悪いけど、ラーメンを食べに行くのは中止だ。急ぎの用が出来てしまった」
 通話を切った市原は、すまなそうに穂乃香を見た。
 「ううん。いいの、気にしないで。大切な用事なら仕方ないものね」
 「ああ」
 彼は気もそぞろな様子で返事をすると、あっさりと彼女に背を向けて、人ごみの中へと消えてしまった。さよならとも、またな、とも約束せず。
 「……はあ」
 穂乃香はがっかりした。
 さっきの電話は、きっと本命からの呼び出しだ。じゃなきゃ、あんなにすっ飛んでいく?
 私は単なる暇つぶしだったのよ。
 穂乃香はしょんぼりと、来た道を引き返した。飲食店の並ぶ賑やかな通りに出たとき、彼女は、見覚えのある人物に気が付いた。

 「……片桐さん」
 彼は女性と一緒だった。すらりと背が高く、華やかな顔立ちの美女と。
 片桐は鼻の下を伸ばして、彼女と仲睦まじく腕を組み、その耳元に何かを囁いていた。

 穂乃香の堪忍袋の緒が切れた。
 バカにされ、無視されて、しかもこの仕打ち……。彼女はそっと近づくと、背後から声を掛けた。
 「あの、お財布が落ちましたよ」
 無防備に振り返った片桐の股間に、穂乃香は強烈なキックをお見舞いした。サッカー選手でも震え上がりそうな、見事な一発だった。
 「!」
 あまりの衝撃に、彼は声もなくうずくまった。真っ青な額に、玉の汗が浮かぶ。穂乃香は勝ち誇ったように、腰に手を当てて彼を見下ろした。
 「きゃあ片桐さん、大丈夫?」
 連れの女性が、金きり声を上げた。
 穂乃香は……度肝を抜かれた。
 「ちょっとあなた、何てことをするのよ」
 「お……男?」
 「失礼ね、私は女よ」
 確かに見た目は女性だった。でも声は……男性?

 ――婚約者の浮気相手は、ニューハーフだった。

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