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唇に嘘が滴る

唇に嘘が滴る


発行: イースト・プレス
レーベル: アズ・ノベルズ
価格:850pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆3
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解説

 父を殺した犯人を捜すため、男娼としてマフィアに飼われる道を選んだ香鳥。自らを抱かれる体に変えようと、闇のオーラを放つ謎の男・燈吾に無垢な身を委ねた。二年後、首領の愛人となった香鳥は、取り引き先企業の秘書として現れた燈吾と再会する。ストイックな秘書の仮面に潜めた闇の閃き。彼はいったい何者なのか――疑惑を抱えながらも、惹かれる想いに身を焦がす香鳥は……。燈吾の目的は? 敵か、それとも……?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

目次

 唇に嘘が滴る

抄録

 「男に抱かれる体にしてください」
 日の暮れたミラノの裏通り。路地から走り出た香鳥は日本人男性の前に立ちはだかり、唐突な言葉を発した。
 色素の薄い髪が夜風に嬲られ、緩くウェーブしながら柔らかい頬をくすぐる。
 極東系民族の特徴である切れ長の目元を持ちながらも、どことなくヨーロッパの血が入っていることを思わせるアッシュブラウンの瞳。形よくとおった鼻梁とわずかにあがった口角。左目尻の下の小さなホクロが愛くるしく、大学生になったばかりのその繊細な面立ちは、まだ大人になりきれない表情を残す。
 反して、清楚な桜色の唇から飛び出した、いかがわしい台詞。目の前に立つ男は耳を疑っているかもしれない。けれど、香鳥は今にも震え出しそうな両手を握りしめ、固い決意の瞳で彼を見あげる。
 手荒れのない華奢な指が育ちのよさを示しているのに、きめの細かい肌は青ざめ、きつく引き結んだ唇が悲壮な心持ちを告げていた。

 香鳥が母を病気で亡くしたのは、まだ日本に住んでいた三歳のとき。
 悲嘆に暮れた父は幼い一人息子を連れ、妻と出会った思い出の地ミラノに移り住んだ。そして、貿易関係の事業を起こしてからの十五年間、堅実な成功を遂げていた。
 イタリア人の血を半分受け継ぐ母はとても美しい人だったそうだが、その面影はすでに写真の中にしか存在せず、母方の親類とも一度も会ったことはない。
 それでも、父との二人暮らしは温かくて、なに不自由のない幸せな生活だった。大学卒業後はバイリンガルに加えて英語をも操れる技能を活かし、いずれ引き継ぐであろう会社を支えていくはずだった。
 ところが、数日前のこと。考えこむようすの多くなっていた父は、『スイスで暮らそう』と追いつめられるように言った晩、何者かに殺されてしまったのだ。
 遺体と面会した香鳥は、あまりの惨い姿に卒倒した。拳銃で頭を打ち抜かれたのが直接の死因だということだが、体中に私刑の傷が残っていて、銃弾を受けたときにはすでに息がなかったのではないかと思える凄惨な状態だった。
 悪夢としか思えない突然の出来事。どうしてこんなことになってしまったのか、温厚で働き者の父がなぜ殺されなければならなかったのか、理由がわからない。
 けれど、ただひとつ。警察の捜査における、マフィア絡みの事件に巻きこまれたのではないかという見解だけは頷けた。
 なぜなら──。

本の情報

形式

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