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十年目の花〜秘書はメガネの下で嘘をつく〜

十年目の花〜秘書はメガネの下で嘘をつく〜


発行: イースト・プレス
レーベル: アズ・ノベルズ シリーズ: 囚われの花嫁は秘蜜を奏でる
価格:850pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆3
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解説

 実の両親と弟を死に追いやられ、復讐を誓った久遠。復讐相手である山波建設の社長の秘書、そして愛人にもなったが、なかなか証拠が掴めないまま月日は流れ……やがて山波の命令により息子である英一の秘書になった久遠は、英一から不正証拠を引き出しはじめる。着実に進む復讐計画。何も知らない英一が自分を信頼し、想いを寄せてくることに戸惑い、それが次第に苦痛となりだす一方で、久遠は復讐を止めることができず……。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

目次

 十年目の花〜秘書はメガネの下で嘘をつく

抄録

 そっと薄目を開ければ、床に腰を下ろして久遠のベッドに寄りかかる英一の肩が見えた。その憂いを含んだ横顔は、重なる手を見つめている。
 「──久遠」
 英一の唇が動いて、風のようにかすかな声で自分を呼んだ。一瞬、泣きそうに眉を寄せてから、くっと唇を引き絞ってゆっくりとシーツに額を落とす。
 触れている両の手にじわじわと力が加わっていく。
 「……久遠」
 いつもこうだ。救いを求めるように英一は久遠の名をくり返しつぶやく。久遠の手を握りながら。
 その傾いたうなじの線を、久遠はしっかりと目をあけて見つめる。
 ──縋(すが)るな。
 苛立(だ)ちにも似た熱が久遠の心に湧き上がる。胸の木がざわざわと揺れる。
 なぜ、よりにもよって、俺に縋るのか。俺に懐くのか。復讐を果たそうとしているこの俺に。
 嫌味なくらい自信家で鼻持ちならないこの年下の男が、こんなに素を出す瞬間を久遠はほかで見たことがない。
 懐くならほかの人間に懐いてくれと、久遠は悲鳴のように思う。
 眠気はとうに消え去り、瞬きもしないで久遠は英一を見つめていた。
 「……久遠」
 英一がつぶやくたびに鳥肌が立ちそうになる。
 その軋(きし)むような声に、胸の中の葉がいっせいに身をうねらせる。
 冷静でいようと思うのにいられない。
 苦しくて、久遠はぎゅっと目を閉じた。

本の情報

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