マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションライトノベルSF

都市戦記 妖魔アルディーン

都市戦記 妖魔アルディーン

著: 井上ほのか
発行: 講談社
レーベル: 講談社X文庫ティーンズハート シリーズ: 妖魔アルディーン
価格:494円(税込)
10ポイント還元
形式:XMDF形式⇒詳細 
対応端末:パソコン ソニー“Reader”
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 井上 ほのか(いのうえ ほのか)
 1964年1月25日生。東京生まれ。水がめ座。血液型O型。国学院大学文・史学科卒業。
 「アイドルは名探偵」でデビュー。著書に、「少年探偵セディ・エロル」シリーズ、SFアクション「都市戦記・妖魔アルディーン」、「ルーン・エンジェルス・シリーズ」などがある。
 趣味は散歩と大工仕事。少林寺拳法2段。
 ホームページ「INOUE BOX」 http://www.catnet.ne.jp/inouebox/

解説

 妖魔アルディーン――凶悪な犯罪都市、ネオ・ナリタの人々ですら、この名を聞けば恐怖に震える。とり憑かれた者は、我を失い、血に飢えた殺人鬼と化し、破滅するという。
 連邦暦211年。アカデミアのIQ250の天才少年・涼は、この魔都で明るく生きる真夜子と出会う。そして、闇から街を支配する“悪”の存在を知ったある日、彼のなかにアルディーンの声を聞く。危険きわまりない妖魔に選ばれた涼の冒険が、いまはじまった!

目次

プロローグ 都市伝説“闇の皇子(こうし)”
第一章   アカデミアの天才児
第二章   闇の皇子・アルディーンの復活
第三章   ナイトハンド登場――二人の黒衣の影
第四章   美しい沙羅
第五章   七賢人都市――最後の決戦
エピローグ 闇の皇子の冒険
あとがき

抄録

 ――ダメだ、見ちゃいけない! 見たら誘われる……。
 血だまりの床をけって、涼がかなたへ飛びすさった。
 むせるような匂いと血の感触で、めまいがする。着地はしたものの、そこで膝をついて動けなくなってしまった。
 ようやく自由になったと思った先へ、まだ生きている者たちが追ってくるのだ……。
 「……嫌だ、来るなあッ!!」
 “あの方のおっしゃるとおりになった”。床に手をついて、ブルブルふるえているのを、満足げに見ながら、
 「どうした……もう動けないのかね? 遠慮することはない、よく見たまえ!
 ほしければまだいくらでもある。アルディーン……ともに邪教の使徒ではないのか? 七賢人はいつでも君を歓迎するぞ」
 “彼が血の誘惑に屈して、我等の教団に入るなら、生け捕りにして連れてこい。その前にのっとられて正気を失うようなら、ほうっておけ……旧市街に放してやれ”
 あとは警察と自警団が始末してくれる。
 デュークの片腕がしゃべっているあいだも、涼は必死の力をふりしぼって、死のうとする男たちの手を“押さえ”ていた。しかし、その力にも限界がある。
 またも何人かの喉から血しぶきがあがった。
 血が細い流れになって、涼のいるほうまでゆっくり広がってきた。膝がひたされて暖かい。
 ――もうダメだ……瞳の色が勝手に変化していく。
 赤く変わっていくのが自分でもわかった。
 はっきりと、殺したさに身体がふるえるのがよくわかった。
 ――ダメだ、気が遠くなる……苦しいんだ。もう自分を抑えきれない。どうしよう、このままでは僕はアルディーンに負けてしまう……。
 涼がついに倒れかかったそのとき、ホールの通風口から異変が起こった。
 いきなり、ごう炎が吹きこんできたのだ。
 壁ぎわにいた者たちが、火だるまになって転げまわった。
 「なんだ、どうしたんだッ!?」
 ホールのスピーカーから憎しみに満ちた男の声が響きわたった。
 「死ね……死ね、貴様たち、みんな死んでしまえ!!」
 ――ナイトハンドだ。
 ……その声を夢のように聞きながら、涼は火の海になったホールをつっきって窓を目指すと、体当たりでガラスを割り、後先かまわず外に飛びだした。
 8階から落下していく途中で、何度か建物の鉄材に当たり、そのたびに骨がくだける痛みがはしった。
 地面に激突した涼の耳に、しばらくしてから生き残りの七賢人たちの声が聞こえてきた。
 「捜せッ! 奴らを生かして帰すな!!」
 完全に逆上している声音に“捕まれば殺される”と思った。だがもう動けはしない。
 ――死にたくない……だけど、アルディーンの魔性に支配されるよりは、ここで殺されたほうがいいのだろう。
 目の前に黒こげのピストルが落ちていた。涼はふるえる手でそれをとった。
 ――せめてアカデミアの生徒として、誇りをもって死にたい。
 これほど弱っているいまなら、銃で死ねると感じる……“アカデミアの誇り”。もし学長が、これまでのことを知ったら、はたして誇りに思ってくれただろうか。
 「……さようなら、真夜子。ごめんね」
 引き金を引こうとした手を何かが強く打った。続けて誰かの手で身体をかつぎあげられ、あまりの痛さに涼は気を失った。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアはここから無料でダウンロードできます。
詳しくはブンコビューアダウンロード初めての方へをご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。