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オトメ文庫 アブナイ★いたずら

オトメ文庫 アブナイ★いたずら


発行: マリクロ
レーベル: オトメ文庫
価格:200pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 神崎セロリ(かんざきせろり)
 野菜のセロリは嫌いな人も多いけれど匂いが個性的。いつも凛とした新鮮なイメージが好きでペンネームも「セロリ」にしました。出身は埼玉県川越市。今は横浜。好きなのはコミックを読むこと。羽海野チカさんの『3月のライオン』が大好き。あとは「カエルグッズ集め」と「お風呂・岩盤浴」と「スイーツ」が大好き。女子同士で会う時には「スパでだらだら、おしゃべり」するのが至福の時です。著書:『危険な先輩』『ブラジャーの上からキス #1』『年下の女の子♪』『わたしはペット』『仲直りの公園H』

解説

 万桜《まお》と陽菜乃《ひなの》は平和な女子カップル。ある日、万桜はいたずら心で陽菜乃のペアリングをこっそり隠してしまう。でも、気づく様子のない陽菜乃に万桜はがっかり。そのうち陽菜乃の様子がおかしくなって……いつもの週末、彼女の指には、あるはずのないリングが。一体どういうこと!? 陽菜乃の二股相手、トラジも絡んで事態は思わぬ方向に。万桜と陽菜乃は、お互いの本当の気持ちにたどりつけるの? ミステリータッチのラブストーリー。

抄録

 ★もう一つの指輪(六月二三日 水曜日 PM八時〇〇分)

 トラジの部屋――。
 「取りに来たんだから、早く返してよ」
 陽菜乃がトラジに詰め寄ると、トラジは首をすくめて言った。
 「勝手に忘れていったんだろ。そんな風に言うなら返さない。お前が来るから、早く帰ってきてやったんだし」
 ここでごねられるのも、うっとうしい。陽菜乃は態度を少し軟化することにした。
 「そうね。ごめんなさい。あれ、大切な指輪なの」
 そこにある、というようにトラジはめんどくさそうに、指をさした。テレビの上に確かに指輪があった。
 よかった。
 これで万桜に、もう嘘をつかないで済む。即行出ていこうとする陽菜乃に、トラジが歩みよる。
 「すぐ出て行くのかよ。つれないヤツだな」
 トラジが手首をつかむ。何も言わずに、トラジの手を振り払って、陽菜乃は、トラジの部屋からでた。トラジの部屋にいたのは、ほんの数分だけだった。

 指輪は私の指に戻った。これで晴れ晴れとした気分で万桜に逢える。そうだ。今日は万桜のところに行こう。万桜の好きなチーズケーキでも買って。陽菜乃は、重荷をおろしたような気分になった。早く、早く万桜に逢いたい。もう、嘘はやめよう。トラジのことも、みんな、みんな封印して、万桜と仲良くしていこう。自分の記憶を封印して、なかったことにしていこう。重かった気持ちが、軽くなっていく。万桜の部屋に早くつきたい。駅のホームで電車を待つ数分ですら、惜しい気がした。


 「万桜、ほら、万桜の好きなケーキよぉ」
 ケーキの箱をテーブルの上においた陽菜乃の手にはピンキーリングが光る。ルビーの赤い石のリング。
 (なんで、指輪があるの?)
 万桜は、陽菜乃が洗面台に行っている隙に、チェストの中を見る。確かに陽菜乃の指輪がある。
 (そしたら、あの指輪は何?)
 何がなんだか分らない。陽菜乃は嘘をついている。何か隠している。それは確信ともいえる。小さな疑惑じゃない。わたしたち、恋人同士だと思っていたけど間違いなのかもしれない。
 「どうしたの?」陽菜乃が、心配そうな顔をする。
 「ううん、なんか疲れちゃっただけよ」と答える。「最近、少し仕事が忙しいの」とつけくわえる。
 今まで一緒にいて、「なんでも話そうね」と話してきた。その気持ちに嘘はない。
 やっぱり、このまま黙っていられない。このままにしても、陽菜乃と仲良くしていける自信はない。
 「陽菜乃。そのピンキーリングだけど……」
 ピンキーリングという言葉を聞いて、陽菜乃が少し眉をひそめた。万桜はチェストから、ピンキーリングを取り出して、陽菜乃の前においた。「これ、陽菜乃の指輪なんだけど」
 万桜はリングを手に持つと、裏を陽菜乃に見せる。裏には、万桜と陽菜乃のイニシャルが彫ってある。

 「陽菜乃。その今している指輪は何なの?」
 さっきまでのウキウキした気分が、沼にはまったように沈んでいく。なんで、万桜の家に、私のピンキーリングがあるの。どうやら、万桜の家にあったものが本物らしい。じゃあ、トラジの家から取り返してきたこの指輪は? 慌てていたので、じっくりは見ていなかった。裏にイニシャルがあるのかも分からない。
 「なんで二つあるの?」陽菜乃は、放心したように、心に浮かんだままを口にした。
 「私が持っていた指輪は、先週の月曜日の朝、陽菜乃が寝ている時に指から外したの。ちょっとしたいたずらで。で、聞きたいのは、今、陽菜乃がしている指輪のことなんだけど。それ何?」万桜は陽菜乃をまっすぐ見つめた。
 「分かんない」
 「その指輪って、いつからしてたの?」
 「分かんない……」
 陽菜乃の声がだんだん小さくなる。

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