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和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>恋愛
津原 やすみ(つはら やすみ) 1964年広島県広島市生まれ。89年春、津原やすみ名義で少女小説作家としてデビュー。以来八年間に三十余作を発表するが、96年暮れに少女小説から引退。97年秋、津原泰水名義で怪奇幻想小説『妖都』(講談社)を発表。綾辻行人、小野不由美、井上雅彦、菊地秀行の各氏に絶賛され、“本格ホラーの超新星”として脚光を浴びる。その後、アンソロジー《異形コレクション》(廣済堂)などに短篇を発表。現在、幻想長篇『ペニス』を小説推理(双葉社)に連載中。 99年6月に連作短篇集『蘆屋家の崩壊』(集英社)を、近日中に怪奇小説『夜想曲』(角川ホラー文庫)、近未来小説『ハウンド』(講談社)を上梓予定。
あたし、百武千晶。同居人のホシオは、名目上はイトコだけど本当はエイリアンなの。そんなあたしとホシオが通う高校に、新しい事務員がやってきた。その人はなんと、ホシオのかつての恋人であり『星からきたボーイフレンド』の悪役でもあった、小泉今日子だったの……。 これは、クリスマスの1週間前、ホシオがかつての恋人に再会した朝から、クリスマスイブの夜までの、あたしたちの物語です。
プロローグ 1 月曜の朝 2 月曜の昼 3 月曜の夜まで 4 火曜を飛ばして水曜の夕方、そして悪夢の木曜 5 悪夢の木曜は続く 6 金曜の放課後から土曜の放課後まで 7 日曜、すなわちクリスマスイブ エピローグ あとがき
「どうしちゃったの? 千晶」 マキは、大きな目をさらに大きくして、あたしの顔をじっと見つめた。 「なんだかボーッとしちゃってる。千晶じゃないみたい」 「そう? じゃ、きっと疲れてるのよ。今日はいろいろあったから。それに最近、悩みが急激に増えちゃって」 「新たなる、恋のライバル出現?」 図星。 あたし、驚いてマキにつめ寄った。 「なんで、そんなことだと思うの?」 素早く手を伸ばして、ギュッとその鼻をつまみ上げる。 「ただなんとなく……放してよぉ」 懸命に頭をのけぞらせる、マキ。 「なんで、そのテの悩みだと思うのよ?」 「早く放して!」 マキは鞄を投げ捨て、両手であたしの指を鼻から引きはがすと、 「ただなんとなくよぉ」 とくり返した。 「大発見。マキの声って、鼻つまんでもほとんど変わらないんだわ」 「ほっといて」 と、鞄を拾い上げる。 「ね……ところでホシオくんは?」 あたし、体を強ばらせた。 マキ、やっぱり何か知ってる。 「帰っちゃったわ。買い物があるとか言って」 「買い物? どんな?」 「さあ……深くは追求しなかった。あんまり言いたくなさそうだったし」 「ふむふむ」 マキは思わせぶりに、大きく何度もうなずいた。 「何か心あたりがあるの?」 「ううん、別に……今日もまた、千晶が部長だなと思って」 あたしたちは、並んで部室(第1理科準備室)の戸を開けた。 部室は空っぽだったけど、これはいつものこと。 ノンビリ始まってサッサと終わるのが、取り柄のクラブだし、顧問の正岡先生はきっと、いつものように学校の近所をほっつき歩いてるんだろう。 「嘘なの」 実験テーブルに鞄を置いて、マキがポツリとつぶやいた。 「え?」 と、部室の天井を見上げる。 「嘘って何が?」 「もう!」 マキは拳骨(げんこつ)で、ダンッとテーブルをたたいた。 「死ぬまで教えない」 「冗談よ、冗談。笑って許して、教えてちょうだい。何が嘘なの?」 マキは口を尖らせて、上目づかいにあたしを見ながら、 「見ちゃったの」 「何を?」 「ホシオくん」 「あたしなんて、1日16時間くらい見てるわよ」 「そうじゃなくて……つまり、車に乗るとこ」 「無免許運転!?」 「ううん、助手席。さっき駐車場で、事務の小泉さんの車に」 「小泉さん……って小泉今日子!? あの、ケバくて図々しくて大ボケの小泉今日子!?」 「うん。ケバくて図々しくて大ボケで、顔とスタイルが抜群にいい、小泉今日子さん」 あたし、口をパクパク。 何か言おうとしてたんだけど、うまく声が出なかったの。 「ご……ごめん、余計なこと言っちゃって。でも、はっきり見たわけじゃないから。たぶん、あたしの見間違いだから……気にしないで」 ホシオが、小泉今日子の車に!? ホシオガ、コイズミキョウコノクルマニ!? ホ、シ、オ、ガ、コ、イ、ズ、ミ、キョ、ウ、コ、ノ、ク、ル、マ、ニ、!?
【XMDF形式】
※注意 同一の書籍でもファイル形式が異なるものは別商品として取り扱っております。
紙書籍初版:1990年1月5日 デジタル初版:1999年10月8日
ジャンル:和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>恋愛 ジャンル:和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>女の子向け ジャンル:和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>SF 著: 津原やすみ 発行: 講談社 シリーズ: あたしのエイリアン レーベル: 講談社X文庫、 ティーンズハート
和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>恋愛 |
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