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月の光に抱かれて 魔法のスカート

月の光に抱かれて 魔法のスカート


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・テンプテーション魔法のスカート
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆1
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著者プロフィール

 カーラ・サマーズ(Cara Summers)
 六歳のときマザー・テレサになりたいと思い、八歳のとき私立探偵になりたいと思った。中学生のとき科学に興味が移り、高校生のとき演劇に目覚めた。そして大学時代はブロードウェイでコメディーの舞台女優になるのを夢見ていたという。1994年、北米ハーレクインよりデビュー。以後、順調に著作活動を続け、四作目でGolden Leaf Award受賞の栄誉に輝く。執筆活動のほかに、シラキュース大学のコミュニティ・カレッジで作文の講師を勤めている。ニューヨーク在住。

解説

 ■月光の下で織られた魔法のスカート。はけば、たちまち男心を虜にするという。

 ■友人の結婚式でブーケの代わりにスカートが落ちてきたとき、チェルシーはびっくり仰天した。でもスカートにまつわる伝説を聞いて、すぐに大喜びした。なんという幸運かしら。今まで男運に見放された人生を送ってきたけれど、これで解決ね。彼女は早速、スカートをはいてレストランに出かけた。すると、どうだろう、みるみるうちに男たちが寄ってくる。その驚くべき効果を見て、頭にひとつの考えが浮かんだ。スカートをねたに記事を書き、雑誌社に売り込もう。そうすれば夢みてきたコラムニストの職が得られるかもしれない。そのとき、スカートが銀色の砂を撒いたようにきらきらと輝き、編集部で執筆に追われる自分の姿が幻のように目に映った。ただし男も映っていた。冷たいブルーの瞳の、見知らぬ男が。

 ■恋人よりもキャリアが優先のチェルシーのお話。ファンタジーあふれる作品に仕上がりました。

抄録

 チェルシーは裾を上げて、指で生地をはさんでこすった。「ダリルはこの素材に魅力を感じたの。彼は服飾デザイナーで、こんな素材は見たことがないんですって。ほら、触ってみて」彼女は裾を持ちあげて、ザックが指でつまむのを待った。彼が従うと、チェルシーの香りが漂った。すてきで……エキゾチックな香り。月の光に照らされた、島々の果てしなく続く白い砂浜が思い浮かぶ。
「もっとも、ダリルがこれまでこんなスカートを見たことがないのは無理もないの。友人のトーリーがあまり知られていない、ある小さな島で買ったものだから」
 チェルシーが話しつづける中、ザックは薄いシルクのような素材に親指と人さし指で触れていた。波が打ち寄せる砂浜に、チェルシーを下にして横たわると……。頭からイメージを振り払おうとするが、なかなか集中できない。白くなめらかな肌が、すぐそばにあるのだ。
 たぶん、マウイ島で見かけたエキゾチックな花を思い出したのだ──それともプエルトリコの熱帯雨林だったか。思い出せない。白くなめらかな肌が、すぐそばにあるせいで……。
“もう二度と離れられなくなる……”
 その言葉が頭に浮かんだとたん、ザックはかぶりを振った。いったい叔母の言葉がどこから聞こえたんだ? 彼はふたたびかぶりを振ったが、チェルシーの香りを振り払うことはできなかった。
「このスカートの素材は、特別な植物の繊維で紡がれたものなの。その繊維は月の光のキスを受けたとされていて、磁石のように男性を引きつけるんですって」
 ザックはスカートの裾を放し、もう一度かぶりを振った。香りが弱くなった。彼は視線を移動させてチェルシーを見つめた。「いったいぜんたい君はなにを話しているんだ? スカートになにか魔力があると言いたいのか?」
「魔力じゃないわ。ううん、そこまでは言わない」チェルシーは指にはめた指輪をまわしはじめた。「認めるべきよ、このスカートが男性に影響を及ぼしているのはたしかだって。予約で満杯なのに、ピエールがテーブルを勧めるようなタイプの女に見えるかしら、私が? それに、あなたが電話番号をききたがるようなタイプでも全然ないわ。電話番号をきいてほしかったってわけじゃないのよ。そんなことは思ってない」
 チェルシーは顎を上げて、深く息を吸いこんだ。
「私の電話番号の話はよけいだわ……なんの関係もないことよ……」片手を振った拍子に指輪が床に落ち、机の下に転がった。それを拾おうとして、ザックとチェルシーが同時にひざまずき、手を伸ばしたので、彼の手が彼女の手に重なった。「ごめんなさい。緊張すると、いつもべらべらおしゃべりしはじめるの。黙れと言ってくれてかまわないわ」
「黙るんだ」ザックは視線をチェルシーの唇にやった。わずかしか離れていないその唇は、半開きになっている。そしてぬれている。少し動けば、味わえるだろう。警告のベルが、頭のどこかで鳴った。僕は行動する前によく見極めるタイプだが、バーで初めて彼女を見て以来、ずっと考え、思ってきた……。
 ただ一度だけ。一度だけだ。ひざまずいたまま、近寄ってチェルシーの唇に唇を重ねながら、ザックはそう自分に言い聞かせた。とてつもなく甘い。それが最初に体を駆けめぐった感覚だ。だが、最初の甘いほとばしりのあとに現れた刺激的な味わいが、もっと試せと訴える。相変わらず慎重なザックは、体を離して彼女の目がゆっくり開くのを見つめた。それは深く濃いグリーンで、誘うように魅惑的だ。欲望が激しくわきあがり、強く求める思いが抑えられない。キスなんかするべきじゃなかった。もう一度キスせずにはいられない。
 チェルシーが身を離そうとしていないにもかかわらず、ザックはあいたほうの手を彼女の首の後ろにまわし、ふたたび唇を重ねた。今度は刺激的な味わいの下に、激しい欲望が現れた。その猛り狂う思いを受けとめる。向こうも思いは同じらしい。
 熱く激しい思いが高まる中、ザックはたしかに感じた。カーペットが足の下で動くのを。雷がコンクリートとガラスのビルの外で鳴るのを。そして、チェルシー・ブロックウェイは、一度味わっただけではとてもじゅうぶんでないことを。

 チェルシーが覚えているのは、ただ唇に押しつけられたザックの唇の力強さだけだった。最初のかすかなキスで、やめるべきだった。大胆な行動をとればつねに痛い目に遭うものだが、今回はとてつもない代償を払うはめになるだろう。キスが深くなるにつれ、舌で感じる味にとろけ、さまざまな思いが頭を駆けめぐる。これこそ、エデンの園にある禁断の果実の味に違いない。これこそ、楽園が失われた理由に違いない。体もちぎれんばかりの喜びに、溺れそうだ。首の後ろの、指の一本一本が強くくいこむ感触、とてつもなく熱い唇、舌の味わい。あまりに多くに包みこまれて、なにがなんだかわからない。でも、試す時間が欲しい。試して一つ一つを感じ分け、覚えておきたい……。


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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