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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・スペシャル・エディション

悪女入門 愛を知らない男たち

悪女入門 愛を知らない男たち


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション愛を知らない男たち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・マレリー(Susan Mallery)
 USAトゥデイ紙や大型書店などのベストセラーリストの常連で、ユーモアと情感あれるロマンスで根強いファンを獲得。その作品数は百作以上にもおよぶ。雨の多さばかりが大げさな話題となり、締め切り前になるとお世話になる大量のコーヒーでも有名な土地ワシントン州に居を構える。最近は刊行される作品が着実に売り上げを伸ばし、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストにも登場。多くの読者から支持を得る人気作家となっている。

解説

 ■「悪女になるには魅力がなさすぎるよ」彼の目はそう告げていた。

 ■もう、いい子でいるのは卒業するわ! 牧師の娘として厳格に育てられたヘイリーは、自由を求めて家を出た。お酒も飲みたいし、悪いことだってしてみたい。そして、バージンを捨てることができれば……。そのチャンスを探しにヘイリーは怪しげなバーに入ったが、すぐに悪い男たちにからまれてしまう。窮地を救ってくれたのは、連邦保安官のケビンという男性だった。酔ってまともに歩けない彼女をモーテルまで送ってくれる。紳士的に振る舞う彼に感激し、ヘイリーは思わず言った。「ここであなたが誘惑しても、かまわないわ」

抄録

 かまわない、だって?
 ケビンはヘイリーの言葉を聞いたとたんに欲望の波に襲われたが、なんとか受け流そうとした。思いがけず彼女に引かれている気持にまともに反応するわけにはいかない。こんな状況ではだめだ。ヘイリーは酔っ払い、ひとりぼっちで見知らぬ土地にいる。それにきっとバージンだ。ありがたいが、今夜はやめておこう。
 神が今夜の出来事を見守っていると警告するかのように、稲妻が夜空を切り裂いた。それを念頭に置いて、ケビンは押しつけられたヘイリーのからだや、かきたてられる感情を無視しようとした。
「ピンクのモーテルと言ったかい?」ケビンはハイウェイの両側に立ち並ぶモーテルに目を走らせた。
「そうよ。フラミンゴがいるわ」ヘイリーはまばたきしてケビンを見た。「鳥が好きなの」
「教えてくれてうれしいよ」
 ケビンは、ヘイリーの説明にあてはまる二階建ての建物を見つけた。コンクリートに固定されたプラスチックのフラミンゴにはげんなりした。このモーテルは夜でもこれほどひどい外観なのだから、昼間はどう見えたのだろう? もちろん、“蓼食う虫も好きずき”とは言うけれど。
 少なくともハイウェイは横断しないですんだ。モーテルはわずか二百メートル先の沿道にあった。
「さあ、行こう」ケビンはヘイリーのからだを支えた。
 二度目の稲妻が夜空を照らした。
「見て!」ヘイリーは天を指さした。「稲妻って最高よね? 雨が降ればいいと思わない?」
「そうだな」
 確かに冷水でも浴びれば、ぼくの頭も冷えるだろう。つけこんでもかまわないと言う酔った女性など、トラブル以外のなにものでもない。ヘイリーのブロンドの髪に頬をくすぐられながら、ケビンは自分にそう言い聞かせなければならなかった。
 ケビンはヘイリーを連れてモーテルへ向かった。「部屋の番号はわかるかい?」
「あなたはわたしの質問に答えていないわ」ヘイリーは答える代わりに言った。
「どの質問だい?」
 ケビンは誤ってヘイリーの顔に目をやってしまった──はしばみ色がかったブルーの瞳や、カーブを描く口の端に。彼女の訳知り顔の表情を見て、彼の血は燃えあがり、頭にはさまざまな可能性がよぎった。
「絶対にだめだ」ケビンはヘイリーにではなく、むしろ自分に向かってつぶやいた。彼女とそんなことをするつもりはない。
 ヘイリーはケビンを押しやって、自力で立とうとした。彼女は成功したかに見えた。両足でしっかりと地面を踏みしめると、前後にからだが揺れてよろめいたものの、腕を両脇につきだしてバランスをとった。
「わたしのなにが原因なの?」ヘイリーは尋ねた。「どうして男性はわたしにつけこもうとしないの?わたしの見た目が悪いから? ひどいスタイルだから?」
 今、こんな話をする必要があるのか? ケビンは夜空に──厚く垂れこめた雲や雨が降りだしそうな兆候に目を向けた。遠くでまた稲妻が光る。
「三十秒後にはずぶ濡れになるぞ」彼は言った。
 ヘイリーはケビンをにらんだ。「本気できいているのよ。わたしのどこが悪いの?」
「どこも悪くなんかないよ」
「それなら、あなたはどうして……」
 一瞬、ケビンはヘイリーが“セックス”と言うのではないかと思ったが、彼女はすんでのところで踏みとどまり、口を閉じて意味深長な目で彼を見つめた。
 ケビンはヘイリーの腰をつかんで引き寄せた。「歩くんだ」彼は命令した。
 ヘイリーは歩き始めた。
「ねえ、教えて。わたしのどこが悪いの?」
「さっきも言ったように、なにも悪くない。きみのせいじゃないんだ」いっそのこと、ヘイリーに真実を告げたらどうだ?「牧師の娘だということが原因なのさ。誰も神の顔につばを吐くようなまねはしたくないからね」
 その言葉を反芻しながら、ヘイリーはケビンとバーの駐車場を横切り、モーテルの駐車場に入った。
「それなら禁断のフルートはどうなるの?」
 男性器《フルート》と言われて、一瞬、ケビンは戸惑った。「果実《フルーツ》のことを言っているのかい?」
 勢いよくうなずいたせいで、ヘイリーは倒れそうになった。「頭がくらくらする」カーニバルに来た子供のように興奮した声で言った。「空も回っているわ」
「それは最高だね」
「わたしだって果実になれるわよ」
「ああ、それがきみの望みなら」
「わたしに果実になってほしくないの? わたしには魅力がないの?」
 ケビンは、ヘイリーが会話を続けられることに感心した。言語能力は落ちていないものの、残念ながら運動能力は急速に低下しているようだ。モーテルへと歩き続けるには、次第にのしかかってくる彼女の体重を支えなければならなかった。
「部屋の番号は?」ケビンは言った。
「イブと林檎に起こったことを考えてみて。あれがわたしかもしれないのよ。わたしは林檎になれるわ」
「きみはすももにだってなれるだろう。さあ、歩いて」
「すもも? すももになりたい人などいないわ」
 ふたりはモーテルに到着した。ケビンは立ちどまると言った。


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