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著者プロフィール
小松左京(こまつさきょう)
1931年1月28日、大阪生まれ。京都大学文学部卒。経済誌記者、町工場の工場長、漫才の台本作家など経て、「地には平和を」でデビュー。以後、「日本アパッチ族」「復活の日」「継ぐのは誰か?」「果しなき流れの果に」など話題作を次々と発表、日本SF界の中心的存在となる。日本推理作家賞を受賞した「日本沈没」は空前のベストセラーとなった。前記の長編にくわえて、短編集、ショートショート、評論、エッセイ、ルポルタージュなど幅広い分野で活躍している。
1931年1月28日、大阪生まれ。京都大学文学部卒。経済誌記者、町工場の工場長、漫才の台本作家など経て、「地には平和を」でデビュー。以後、「日本アパッチ族」「復活の日」「継ぐのは誰か?」「果しなき流れの果に」など話題作を次々と発表、日本SF界の中心的存在となる。日本推理作家賞を受賞した「日本沈没」は空前のベストセラーとなった。前記の長編にくわえて、短編集、ショートショート、評論、エッセイ、ルポルタージュなど幅広い分野で活躍している。
解説
もし、君たちの家の中や身のまわりで、いろんな品物が次から次へと消えはじめたら――。
達夫の新品の腕時計がなくなった。妹の良子の場合は、朝まだ暗いうちに、何かグニャグニャした毛むくじゃらの手がふわっとさわって、悲鳴をあげて大騒ぎになった。その時彼女の腕時計も消えていた。
それからしばらくして、あちこちの家でテレビが故障しはじめた! 何かとんでもない事件の前ぶれ……?
ひそかにしのびよる“見えないものの影”の正体は……。著者会心の怪奇ジュニアSFの最高傑作。
達夫の新品の腕時計がなくなった。妹の良子の場合は、朝まだ暗いうちに、何かグニャグニャした毛むくじゃらの手がふわっとさわって、悲鳴をあげて大騒ぎになった。その時彼女の腕時計も消えていた。
それからしばらくして、あちこちの家でテレビが故障しはじめた! 何かとんでもない事件の前ぶれ……?
ひそかにしのびよる“見えないものの影”の正体は……。著者会心の怪奇ジュニアSFの最高傑作。
目次
消える品物
ささやかな始まり
学校で、そして家で
良子の場合
拡大する事件
次の段階
奇妙なけもの
単なる収集狂か?
すでに戦闘開始
ネジまわしをもつネズミ
もっとたいせつな戦い
できることからやろう
陸のピラニア
小さなものの巨大な反乱
小康(しょうこう)状態
大先生登場
そして、ついに……
このまま死ぬのか?
先手はうたれていた
「指令」したのはだれか?
見えないものの影
ささやかな始まり
学校で、そして家で
良子の場合
拡大する事件
次の段階
奇妙なけもの
単なる収集狂か?
すでに戦闘開始
ネジまわしをもつネズミ
もっとたいせつな戦い
できることからやろう
陸のピラニア
小さなものの巨大な反乱
小康(しょうこう)状態
大先生登場
そして、ついに……
このまま死ぬのか?
先手はうたれていた
「指令」したのはだれか?
見えないものの影
抄録
エッ!?――と達夫は思わず叫び声をたてそうになった。――ラジオやテ・レ・ビ・の・中・か・ら・、こ・っ・そ・り・小・さ・な・部・品・を・ぬ・き・と・っ・て・い・く・や・つ・が・い・る・……それがどこか、あの奇妙なとけい事件と似かよっているような気がして、達夫は思わず立ちすくんだ。
しかし、敏彦は、もう自転車にとびのると口笛吹き吹き、遠ざかっていった。
なんとなく、ゾクゾクした思いを味わいながら、呆然(ぼうぜん)とそのあとを見送っていた、達夫の目のすみに、なにか動くものがあった。
ふと視線をうつすと――道のかたわらの、水のかれたみぞの中で、小さな光るものが、つ、つ、と動いて、すぐ止まった。――黒い、小さな影が走ったような気がしたが、目をむけたときは、もう姿が見えなかった。
思わず近よって、みぞをのぞきこんだとき、達夫の顔色が少し変わった。
しゃがみこんで、みぞの中から、その小さな光るものをひろいあげて見ると――はたしてそれは、腕どけいの帯皮についている、小さな金属製のバックルだった。
それにはまだまあたらしい二センチほどの帯皮がくっついていて、その端は、良子の布製のバンドの切り口のように切れない刃物で切ったみたいに、ギザギザになっている。
みぞにかかった、コンクリートの小さな橋の下の暗がりで、なにかが、ゴソッと動いた。
しかし、敏彦は、もう自転車にとびのると口笛吹き吹き、遠ざかっていった。
なんとなく、ゾクゾクした思いを味わいながら、呆然(ぼうぜん)とそのあとを見送っていた、達夫の目のすみに、なにか動くものがあった。
ふと視線をうつすと――道のかたわらの、水のかれたみぞの中で、小さな光るものが、つ、つ、と動いて、すぐ止まった。――黒い、小さな影が走ったような気がしたが、目をむけたときは、もう姿が見えなかった。
思わず近よって、みぞをのぞきこんだとき、達夫の顔色が少し変わった。
しゃがみこんで、みぞの中から、その小さな光るものをひろいあげて見ると――はたしてそれは、腕どけいの帯皮についている、小さな金属製のバックルだった。
それにはまだまあたらしい二センチほどの帯皮がくっついていて、その端は、良子の布製のバンドの切り口のように切れない刃物で切ったみたいに、ギザギザになっている。
みぞにかかった、コンクリートの小さな橋の下の暗がりで、なにかが、ゴソッと動いた。
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形式
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