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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・ラブ ストリーム

愛される日は遠く

愛される日は遠く


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・ラブ ストリーム
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

 ペグは数年前に母親を亡くし、家政婦としてグレーンジの牧場で働いている。19歳にしてデートの経験もろくにないペグは、雇い主のグレーンジに密かに思いを寄せていた。ある日、ペグは命を落とす危険のある場所へ彼が赴くと知り、激しい焦燥に駆られた。せめてこの恋心は伝えたい! ペグは精いっぱい大人びた女を演じ、グレーンジの気を惹こうとするが、まったく相手にされず……。

 ■あるときは謎に満ちた男として登場し、またあるときは誘拐されたヒロインの救出に尽力したグレーンジが、満を持して主人公に! 〈テキサスの恋〉や〈孤独な兵士〉の懐かしい面々にも会えます。

抄録

「その男の話なら読んだことがある」エドが答えた。「実に興味深い人物だ」
「カンターは一度も結婚しなかった。恋をしたことはあるが、相手の女性は修道女になったとか。彼には名付け子がいるが、その名付け子はワイオミングで牧場を営む裕福な一族と姻戚関係にあるらしい」
「ほう!」エドは感嘆の声をもらした。「これだから人間ってのは面白い」
「ええ、まったく」ベントリーは腕時計に目をやった。「もう行かないと。三十分後に手術の予定があってね」椅子から立ち上がると、獣医は笑顔で付け加えた。「朝食をありがとう、ペグ」
「どういたしまして。奥様によろしく伝えてください。キャピーは高校の先輩なんです。とてもよくしてもらいました」
「伝えておくよ」ベントリーはにっこり笑った。「じゃあ、また」
 男性たちが獣医を見送る間に、ペグは食卓を片付けた。使った皿を食洗機に並べてから、キャトルマンズ・ボールに使えそうなアクセサリーをさがすために二階へ向かう。彼女はうっとりと考えた。今の私はシンデレラよ。

 ペグは植え付け――特に球根の植え付けが大好きだった。ヒヤシンス、チューリップ、ラッパズイセン。今植えている球根が来春には鮮やかな花を咲かせ、あたりを香りで満たすことを彼女は知っていた。ヒヤシンスの香りはどんな高価な香水よりもすてきなのよね。彼女は一人考えた。高価な香水がどんなものかは私だって知っているわ。化粧品売り場であれこれ試しているから。実際に買うお金もないのに、サンアントニオのショッピングモールに行くと、つい化粧品売り場に寄ってしまう。まあ、めったにない遠出なんだから、めいっぱい楽しまなきゃもったいないものね。
 ヒヤシンスの球根を植え終えると、彼女は地面から立ち上がった。白いスウェットシャツが泥で汚れていた。おそらく髪にも泥がついているだろう。それでも、彼女は土いじりが好きだった。球根を分けてくれたジェイソン・ペンドルトンの妻グレイシーもそうだ。ガーデニングの愛好家はたいてい会ったとたんに意気投合する。植物を愛する者同士の仲間意識があるのだ。
 グレーンジが納屋の前で車を停め、エンジンを切って降りてきた。彼はペグに歩み寄り、納屋の横に作られた長方形の花壇を見て顔をしかめた。
「最高の肥料に近いほうが便利でしょう」ペグは指摘した。
 一瞬考えてからグレーンジは気がついた。ペグは効果の高い有機肥料――動物の排泄物のことを言っているのだ。彼はくすりと笑った。「なるほど」
「ミセス・ペンドルトンが球根をくれたの。彼女の庭で採れた立派な球根よ。でも、もしあなたがどうしてもいやだと言うなら……」
 グレーンジは首を左右に振った。「僕はかまわないよ。君の好きにするといい」
「パパはマーケットに出かけたわ」ペグは緑色の瞳をみはった。「私を襲うなら今がチャンスよ」
 グレーンジはペグをにらみつけた。ペグが彼をからかうのはいつものことだ。気にくわないのは、そのからかいをだんだん無視できなくなりつつある自分自身だった。「いや、遠慮しておく」
 ペグも彼をにらみ返した。「あなたは氷河期の遺物ね。今の時代は誰でもしていることなのに!」
「君も含めて?」
「当然じゃない」ペグは鼻で笑った。「私は十四歳の頃からセックスしているわ」
 黒っぽい瞳がさらに暗く翳った。グレーンジはショックを隠そうとした。彼女は遊び歩くタイプには見えないんだが。僕には人を見る目がないんだろうか?
「セックスくらい何よ!」ペグは叫んだ。「あなたってほんと時代遅れな人間ね!」
 グレーンジはきびすを返し、猛然とした足取りで納屋に入った。ペグはふしだらな娘なのか? そんなことは考えたくもない。時代の流れだかなんだか知らないが、僕はそういう生き方は認められない。
 ペグは移植ごてを振り回しながら納屋までグレーンジのあとを追ってきた。「あのね、人は古い考えに縛られる必要はないの。昔と今じゃ時代が違うのよ。テレビを観たってそうだわ。何もないまま結婚する人間なんて一人もいないんだから!」
 グレーンジは険しい目つきで振り返った。「だから、僕はテレビを観ないようにしている」
「女は聖女でなくてはならない。ひらひらの服を着て自分を見せびらかすのはいいけど、噂になるようなことはしちゃいけない。それがあなたの考えなの?」
「じゃあ、君は女は娼婦のような格好をするべきだ、口を開くたびに下品な言葉をまき散らすべきだと考えているわけか?」
 ペグは移植ごてを放り出して詰め寄った。「私が怖いんでしょう?」彼女はからかった。「あなたは私に夢中なのよ。でも、私のことを若くて世間知らずだと思っているから――」
 ペグの言葉は予想もしなかった素早い動きに断ち切られた。グレーンジが彼女を納屋の壁に押しつけたのだ。たくましい体をペグの体に重ねると、グレーンジはキスをした。心臓が止まりそうなほど巧みで執拗なキスだった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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