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カズの魔法使い

カズの魔法使い

著: 雅孝司
発行: オンライン出版
価格:315円(税込)
10ポイント還元
形式:bookend形式⇒詳細
対応端末:パソコン 
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著者プロフィール

 雅 孝司(みや こうじ)
 小説・コンピュータゲーム・パズル・テレビなど、幅広く活動中のクリエイター。1982年ノンフィクションデビュー、翌年小説デビュー。1991年には、日本テレビ系「マジカル頭脳パワー」で、「あるなし」ブームの仕掛人となる。
 著書は「頭の覚醒剤」(パピレス/データハウス)・「算数オリンピックに挑戦」(講談社ブルーバックス)・「面白くてやめられない漢字パズル」(中経出版)など35点。著ゲームソフトは「ジーザス」(エニックス)など数点。
 インターネットでも作品を発表中。
 ホームページ「雅孝司のパズル&ゲーム宇宙」 http://www.puzzle-j.com/

解説

 中学校のクラスメイト・エミカと勇太は、野球観戦の帰り道、不思議な能力をもつ女性・亜夢とその友人の弘行に出会った。亜夢は、数にからんだ奇妙な現象を次々と提示する。


 ・前半戦首位、後半戦も首位――なのに通算で優勝できないプロ野球チーム
 ・公平なさいころで勝負しても、勝利は一方に片寄る怪
 ・あみだくじに隠された秘密と裏技
 ・割り算の余りを聞くだけで、もとの数を当てる
 ・物理的にも帳簿上からも(?)消えるお金


 国内屈指のプロ・パズル作家が贈る、死体は転がらないが、解決には数的センスが求められるネオ・ミステリー。君はこの謎が解けるか?

目次

第1話 ペナントレースの怪
     前後期トップでも優勝できない!?
第2話 謎のさいころゲーム
     公平なさいころで不公平な結果
第3話 男女各7人イブ物語
     あみだくじの秘密
第4話 わからないはずの年齢を当てる
     逆算ではない数あてマジック
第5話 消えた100円のゆくえ
     ネコババが生んだからくり
第6話 確率は常識と直観をあざ笑う
     きょうだいの一方が女なら他方は男が多くなる
第7話 中学入試とナンバーズ
     一攫千金に裏技はあるか?
第8話 ダンドリじょうずが逆効果
     空き時間をなくすとかえって長引く
第9話 ウサギは亀を追い越せない?
     難問パラドックスがついに解決した
第10話 あなたも超能力者になれる
     未来予想が100発100中
雅孝司 主要作品リスト

抄録

 「丁半ばくちって?」
 DKに戻ったエミカが尋ねる。
 「2つのさいころを投げて、その目の和が偶数か奇数かを当てるゲームさ」
 それを聞いた亜夢が、目を輝かせて言った。
 「おもしろいゲームを思いついた。2人が1つずつさいころを持って、それぞれ自分のさいころを投げて、出た目の大きい方が勝ちというゲーム」
 「ばかに単純だね。そんなのでおもしろいのかい」と弘行。
 「ふつうのさいころならつまらないでしょうね。でも、ちょっと変わったさいころを使うの」
 3人はとまどっているが、亜夢は続ける。
 「その前に、ふつうのさいころの目の合計、勇太分かる?」
 「小学生じゃあるまいし……1+2+3+4+5+6=21だよ」
 「じゃあ、目の合計が22という変則さいころ――たとえば、2,2,3,4,5,6という目のさいころをつくって、ふつうのさいころと勝負したら……」
 「大きい目が勝ちというルールなら、変則さいころのほうが有利よね」とエミカが口を挟む。
 「すると、目の合計が21なら、目のふりかたがちがっても――たとえば、2,2,2,5,5,5でも――有利不利はない?」
 「……ないと思う」
 エミカの答をきいた亜夢は、キッチンにありあわせの紙とテープなどでさいころを2つつくり、エミカと勇太に1つずつ渡した。
 「エミカの方は、2,2,2,5,5,5で合計21。
 勇太の方は、2,3,4,4,4,4でやはり合計21。
 公平だよね。さあ、これで、〈大きい目が勝ち〉ゲームを何回かやってみて」
 勇太はしぶしぶさいころを手にしながら、
 「なんか賞品あるの?」
 「そうねえ、100回ぐらいやって、エミカが勝越したら、その回数だけ勇太がエミカの荷物を持つというのはどう」
 「それはいいけど……ぼくが勝越したら?」
 「その回数だけエミカが勇太にキスするというのはどう」
 「やだよ。そんなのセクハラじゃん」
 「ふふふ、まあ、だまされたと思ってやってみて」

 最初の30回〜40回は一進一退、あまり差はつかなかった。
 「どこがおもしろいんだ」という顔の3人に亜夢は
 「そろそろおもしろくなるわよ」
 やがて、エミカがじりじりと差を広げ出した。勇太が一時的に差を詰めることはあっても、結局はいっそう引き離される。
 「なんだかわからないけど、勝つからおもしろい! とうぶん荷物は持たなくてよさそう」
 やがて100回を越えた。
 「そんなもんでいいかな。どう? 公平なゲームというには、差がつきすぎだと思わない?」
 「さいころに仕掛けはないよな」と弘行。
 「もちろん。ただ、さいころに仕掛けはないけど、ゲーム自体は公平じゃない。目の合計は21どうしでも、このゲームは不公平なの!」
 そう言って、亜夢はかんたんな表を書いた。

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