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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

危ない恋人

危ない恋人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★☆☆☆☆1
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著者プロフィール

 ジェニファー・クルージー(Jennifer Crusie)
 大学生のとき研究調査のためにロマンス小説を読み始めたところ、それがあまりにも楽しかったので自分でも書いてみたくなったという。一九九五年、そして二〇〇五年に本作にてロマンス小説界の最高峰RITA賞を受賞。数々のベストセラーリストにも登場する人気、実力ともに兼ね備えた作家である。

解説

 ルーシーは夫の浮気がもとで、短い結婚生活に終止符を打った。大好きな家で悠々自適に暮らそうとした矢先、事件に巻き込まれる。ある日、レストランで魅力的な男性を見かけて意識するものの、何事もなく食事を終えて外へ出た。すると突然、力強い腕につかまれ、狭い路地に引き込まれた。恐怖に見開いた目に、銃を握った先ほどの男が飛び込んできた! ルーシーはなんとか振りきって家に逃げ帰ったが、再び彼が現れる。聞けば、ザックという名の刑事で彼女の元夫を捜査しているという。こんなに危険な男は信じられないという思いとは裏腹に、彼にならなんでも話したい気持ちが頭をもたげた。

 ★主人公から脇役にいたるまで豊かな人物描写で読み手を楽しませる人気作家ジェニファー・クルージー。本作は“ロマンス界のオスカー賞”とも言われるRITA賞を受賞した秀作です。★

抄録

 アンソニーが帰り、ルーシーは二階にシャワーを浴びに行き、ザックは暖炉の火と犬と最後のビールを楽しんでいた。実に気持ちがいい。彼は暖炉の前で足を伸ばした。こうしていると心が落ち着く。こうしていると……。
 ザックはビールを飲もうとして手を止めた。
 これはアンソニーがあの店で話していたとおりの暮らしではないか。
 ザックはビールを置いて考えた。彼が名乗りを上げるとわかっていて、アンソニーはルーシーの護衛役に問題外の二人の名を出したのだ。はめられた。
「やつを殺してやる」犬たちに言った。
 たいした問題ではない。明日アンソニーに電話をして、代わりの警官をよこしてもらえばいいだけだ。ザックはビールを手に取った。もちろん、エリオットはだめだ。年を取りすぎているし、鈍すぎる。
 ジュニアもだめだ。彼は……。
 ボトルを口元まで運んで、また手を止めた。ジュニアは若くて俊敏でなんの問題もない。
 明晩にはここにジュニアが座っているかもしれない。アンソニーに電話をすればいいだけだ。だめだ。
 ザックは立ち上がり、足を踏み鳴らしながらキッチンに向かい、リサイクル用の箱にビールのボトルを投げ入れた。

 しばらくしてザックは階段の上で、白いタオル地の大きなローブをまとったルーシーと顔を合わせた。水にぬれた緑の巻き毛がゆるやかに広がり、彼女はどことなく昔読んだSF小説の表紙を思わせた。
 犬たちも階段をのぼってきて、静かに座って二人を眺めている。「ベッド」ルーシーが言うと、ハイゼンベルクは彼女の寝室に向かい、アインシュタインとマクスウェルはザックの部屋に続く階段をのぼっていった。「言い忘れていたわ」彼女が口ごもる。「あの子たちはあなたのベッドで寝るの」
「うそだろ。マクスウェルはまだいいが、アインシュタインはだめだ。僕の寝る場所がなくなる」
「ベッドは大きいわ」そう言ったものの、ルーシーはアインシュタインを呼び戻し、彼女の寝室のドアを開けた。「ベッドを買ってあげたのよ。でも気に入ってくれなかった。私と寝るほうが好きみたい」
 彼らもよくわかっている。
「バスルームにタオルを出しておいたわ。ほかにほしいものはない?」
 君だ。ザックは頭のなかで言った。ローブ姿の彼女はふくれたミイラのように見え、髪は緑色だ。それでもザックは彼女がほしかった。どうかしている。冷たいシャワーを浴びたほうがいい。「ないよ、ありがとう」ザックは言った。「おやすみ」
「おやすみなさい」
 ザックはバスルームに向かいながら、あまりに唐突だったと思い直したが、振り返ったときには寝室のドアは閉まり、彼女の姿は消えていた。
 これでよかったのだ。ルーシー・サベージと彼女の三匹の犬には絶対に深入りしたくない。
 たとえ彼の直感がこぞって賛成していてもだ。
 彼は頭を振り、冷たいシャワーを浴びに行った。

 翌朝、ザックはルーシーを病院に連れていった。
「彼女だわ」ブロンドの髪に青白い顔をした女を見て、ルーシーは小声で言った。「ブラッドリーといっしょにいた人よ」
 ベッドに寝ている女と同じくらい、ルーシーが青ざめているのに気づき、ザックは片方の腕を彼女にまわし、ベッドから引き離した。
「大丈夫かい?」
「ブラッドリーがやったの? 彼にはできないわ」ルーシーはベッドに視線を戻す。「確かにあのときの女性だけれど、彼には……」ルーシーは動揺のあまり言葉を終えることもできず、ただ頭を振った。
「ほら」ザックは彼女を病室の外に連れ出した。廊下にベンチを見つけ、並んで腰を下ろした。
「誰か暴力的な人がやったのよ。ブラッドリーはそうじゃない。感情があると思えないくらいだもの」
「そういう人がかっとなったときに、切れてしまうんだ。それにこれは銃を使った事件だ。銃を撃つのは簡単なんだよ。ばんと撃って、それで終わり。相手に近づく必要もない」
 ルーシーは頭を振った。「まるで私の知っていた何もかもがうそだとわかってしまったみたい。もう自分の判断さえ信じられない。私はまちがっていたのよ。それなのに彼と話をして、まちがった理由を聞くこともできない。理由がわからないままなのだから、また同じことが起こるかもしれない」
 彼女は唇をかんだ。あのブロンドのためにルーシーを失う危険を冒すとは、ブラッドリーはどこまで愚かな男なのだろう。
「いま大事なのは彼をつかまえるまで君の身の安全を守ることだ。君が彼と話したければ、それから話せばいい。つらい思いもいつかいえる。大丈夫さ」
「八カ月いっしょにいたブラッドリーよりも、三日しか知らないあなたのほうが安心できるような気がするの。私って本当にばかね」
「どうだろう」ザックは彼女を強く抱きしめた。「僕に言わせれば君は賢いよ」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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