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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

妻という名の代償

妻という名の代償


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 メラニー・ミルバーン(Melanie Milburne)
 シドニー郊外で生まれ、現在はタスマニアに住む。十七歳のときに初めてハーレクインの小説を読み、生涯ロマンス小説を読み続けること、そして、背が高く日焼けしたハンサムな男性と結婚することを決心した。毎日をもっとロマンティックにする秘訣は、ロマンティックな男性と結婚することだと語る。二度目のデートで結婚を決めた外科医の夫との間に二人の息子がいる。

解説

 弟が最高級ホテルで問題を起こし、ナタリーは目の前が真っ暗になった。そのホテルのオーナー、アンジェロとはかつて恋人同士だったからだ。5年前、ナタリーが彼のもとを去ったのにはわけがあった。自分には結婚する資格がないと信じていたのだ――7歳の夏に起きた、あの恐ろしい出来事のせいで。結婚を望む彼と別れるには、別の男性と関係したと嘘をつくほかなかった。そしていま、弟を助けるためにアンジェロと再会したナタリーは、彼から浴びせられる侮辱の数々に身を震わせた。でも、憎まれても当然ね。耐えきれずきびすを返そうとした瞬間、彼の口から出た言葉におののいた。「弟を救いたければ、代償として僕の妻になるんだ」

抄録

 アンジェロの長身と容姿が父親譲りなのはひと目でわかった。息子より若干背は低いが、サンドロの長い手脚と濃いブラウンの瞳はアンジェロにうり二つだ。グレーの目立ち始めた髪が貫禄を添える一方で、どことなく恐ろしげな印象も否めない。
 対照的にフランチェスカはずいぶん小柄で、一見おとなしそうに見えたが、ナタリーは髪やメイクから服にいたるまで、鋭く吟味されるのを感じた。
「フィアンセのナタリーだよ」アンジェロが互いを紹介した。「ナタリー、父のサンドロと母のフランチェスカだ」
「我が家へようこそ」真っ先に口を開いたのはフランチェスカだった。「息子からいろいろ聞いているわ。五年前にお会いできなかったのが本当に残念ね。会っていれば、あなたを手放すとはなんてばかなのと言ってやれたのに。ねえ、サンドロ?」
「まったくだ」サンドロは答え、妻が放したナタリーの手を取った。「心から歓迎するよ」
 アンジェロの腕が腰にまわった。「乾杯の前にナタリーを二階の部屋に案内してくるよ」
「マリアがあなた方用にベネチアの間を用意してくれているわ」フランチェスカが告げた。「部屋をわける必要はないと思って。離れ離れはもう充分でしょう」
 ナタリーはアンジェロを見やったが、彼は笑顔で応じた。「わざわざありがとう、お母さん」
 二階で二人きりになるのを待って、ナタリーは怒りを爆発させた。「もちろんわざとでしょう?」
「なんのことだ?」
「しらばくれないで。お母さんが私たちの部屋を同じにしたことよ」
「それどころか、屋敷の端と端にわけられると思っていたよ。母は勘が鋭いと言っただろう? きっと、君が僕に夢中なのを見抜いたんだな」
 ナタリーは彼をにらみつけた。「あなたと同じベッドでは寝ないわよ」
「けっこう」シャツのボタンを外しながらアンジェロは答えた。「それなら床で寝るといい」
 彼女は顔をしかめた。「何をしているの?」
 彼はシャツの裾をズボンから抜いた。「服を着替えているんだ」
 彼女の視線は彼の平らな腹部へ向かった。なんてたくましい体だろう。無駄なく引き締まり、褐色に日焼けして、とても男性的だ。彼女はくるりと体の向きを変え、庭に面した窓のほうへ歩いていった。
「どうしてご両親に、五年前にはあなたのほうから別れたと思わせたの?」
「君の第一印象を損ねたくなかったからさ。僕は一人っ子だし、親というのはそういうことを妙に気にするからね」
 ナタリーは彼に向き直った。アンジェロはいま、黒い下着一枚の姿で立っている。彼女の内側に貪欲なほどの欲望がこみあげ、全身がこわばった。かつて私はその体のあらゆる部分にキスをし、彼の力が抜けてくずおれるまで容赦なく味わった。体の奥で彼が動き、熱となって広がるのを感じた。相手が彼だと、いくらでも大胆になれた。それでも常に彼のほうが一歩先にいて、私は何度も恍惚の極みへと導かれた。彼の愛撫を思い出し、ナタリーの体は震えた。彼女は大きく息を吸いこんだ。見ると、アンジェロが彼女の全身に視線を走らせている。彼も同じことを思い出しているのだろうか。
「べつにあなたが責任を負わなくても、私は自分から別れたことに負い目を感じてはいないわ。私はまだ結婚するような年齢ではなかったもの」
「残念ながら僕の母には通用しないな。母は十六歳で父に恋をして以来、ほかの男性には目をくれたこともない」
「あなたのお父さんは浮気とかしないの?」
 アンジェロは顔をしかめた。「なんだってそんな質問を?」
 ナタリーは肩をすくめた。「それだけ長く一緒にいれば、男性がときどき外をほっつき歩くのも珍しいことじゃないでしょう」
「父は結婚の誓いを真剣に受け止めているよ。僕の祖父も」
「それなら、あなたもその立派な伝統に従う予定なの? それとも、私が意のままにならなければ、ちょっと脇道にそれたりするのかしら」
 アンジェロが近づいてきて彼女の前に立ちはだかった。ナタリーは体が磁石のように吸い寄せられるのを感じた。わずかな距離を埋めたくなる衝動を抑えつけ、彼女は不自然なほど背筋を伸ばした。心臓が激しく胸をたたき、めまいがする。呼吸が乱れ、浅くなっていく。
 いけない、決意がくずれていく……。
 アンジェロの温かい手がうなじにまわされ、彼女の敏感な肌がざわめきたった。
「どうしてそこまで自分に抵抗するんだ?」
 ナタリーは唇を引き結んだ。「自分ではなく、あなたに抵抗しているのよ」
 彼の手が髪に差し入れられ、愛撫のような動きでうずきを誘った。「僕たちは同じものを求めているんだよ、カーラ。親密な交わり、満ち足りた時間」
 ナタリーは決意がさらにくずれていくのを感じた。どうして彼はこんなにすてきなの? なぜこんな、とろけてしまいそうな瞳の色をしているの? どうして彼の手はこんなにもうずきを誘い、その唇は誘惑に満ちているの?
 ああ、どうして彼はさっさと私を奪おうとしないの?

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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